里山の春 文化の森・あづり越縦走 2007/4/17

− 殆ど誰も知らない秘められた縦走路は、実は人気の道だった −


私の家から車で5分足らずの所に徳島県文化の森がある。

県立図書館などもあり昔はよく行ったものだ。

私の家からその文化の森から佐那河内へと続く稜線が見える。

園瀬川と日本一低い山で有名な弁天山との間にある山だ。

稜線上にはアンテナ鉄塔が何本かあるので人が通れる道があるに違いない。



しかしカシミールで見るといくつか峠越えの道はあるが尾根道はないように見える。

天気もまずまずなので様子を見に出かける。



文化の森の駐車場は平日だというのに満車状態。

ロウバイがたわわに実を付けていた。

赤い殻を破るように若葉が顔を出している木があった。



園瀬川とその向こうに日の峰山を眺めながらお弁当にする。

ボタン桜が丁度満開。



シャクナゲやハナミズキも丁度見頃。



ソメイヨシノは散って実を付けていた。

ドウダンツツジが咲き始めている。



子供広場の上に山道発見。

何処へ繋がっているか不明だが分け入ってみる。

細いが明瞭で踏み固められた道が続く。

少し登ると石垣の中に祠がある。



祠から下る道の先にはミカン農家が見える。

今でも生活しているようだ。

所々に石垣が残り昔はこのみちが生活道として使われていた事が解る。



素敵な雑木林が続く。

登りがきつくなるころ単独行の女性が下りてきたので

「この道は何処へ続いているんですか?」と聞くと、不思議そうに

「方上の植物園までですよ」と言って去っていった。

この様な道を行き先も解らず歩いているのにあきれた模様



素敵な道だが花のない道だ。

やっと一輪見つけたスミレを写していたら「キツそうですね」と男性が追い抜いていった。

疲れて座り込んでいると思ったのだろう。



ピークに来ると大きな樹がある。

NHKのアンテナが建っていた。



木々の間から日の峰山とその手前のマルナカがよく見える。

紀伊水道の向こうには和歌山の山々が霞んではいるが見えている。

ドコモの上八万中継所はでっかいアンテナ等が建っている。

家から見える鉄塔だろう。



今日二輪目のスミレを写していたら賑やかな男性二人連れがやってくる。



13時56分真新しい神社に到着。

明現神社らしい。海部の明現神社はヤッコソウで有名だがこの神社は?

先ほどの二人が色々と教えてくれる。

神社から舗装された参道が下っているが、大谷町に出るらしい。

この辺には昔3つの大きな武家屋敷?があったとか..



家内は普通のズック靴しか履いていないので此処から帰ろうと言うが

先ほどの二人がこの先まで一緒に行きましょうと言うので付いていく。

参道の右に立派な道があるが縦走路はその道の更に右に行く。

教えて貰わなければ必ず間違っただろう。



ナツツバキの林を行くと突然ロープのある急登となる。



ピークに四等三角点がある。

地図にも載っている190mのピークだろう。

ホタルカズラが藪の中に咲いていた。



今度はドンドン下っていく。

夫婦の登山者と単独行の女性とすれ違う。



下りきると峠に出た。

此処から左に下りると地蔵院(熊野神社?)のある北山町。

右へ下りるとおおぎ学園。

ここで先ほどの一人は「もう帰った方が良いよ。帰りに歩けなくなるかも」

もう一人は「この先の舗装路まで行きましょう」

私達が「じゃあもう少し先まで行きますと言うと

一人が「本当に来るの?」

どうも私達が山歩きになれていないと思っているようだ。



静かな山道を登ってまた下りると見晴らしの良い所に来た。

日の峰山とその向こうに広がる紀伊水道。そしてその向こうには和歌山の山々がかなりはっきりと見える。

日の峰の右は小松島の街。

手前右の山裾に広がる田圃の中の緑が弁天山。



回り込むように少し下るとドコモの方上中継所。

此処で皆さん落ち合わせていたらしい。

ドンドン集まってきている。

14時35分。

この先植物園まで縦走路は続くらしいが今度のお楽しみ。

しばらく景色を楽しんでから帰る事にする。



帰りはもう道の心配はないのでドンドン行く。

また二人ほどすれ違った。

何と人気のある縦走路なんだろう。



15時17分文化の森着。



満開のボタン桜を楽しみながら文書館の方へ下る。




桜の木の下にシャガの花が満開。



ソメイヨシノの並木はもう緑が美しい。

フェンスに絡んだ蔦に初めて見る花が沢山咲いている。

何だろうかと思ったらエントツ山さんの掲示板のモネ婦人の近所に咲いていたという「ムベ」とそっくりだ。

トキワアケビと言われてアケビの仲間らしい。



イロハカエデに赤い花が咲いていた。



文書館へ下ると山裾にキランソウ



白とピンクのエビネが丁度花の盛り。



コデマリも咲き始めている。

ついでだから図書館によると未だ10年前の貸し出し登録が生きているという。

4冊ほど本を借りて帰宅。

家の近くにこんな秘密の縦走路があるとは知らなかった。

後で調べると「文化の森・植物園縦走路」と言うらしい。

今度は全行程を歩いてみたい。