里山の春 烏帽子山 前烏帽子 落合峠 2007/5/27
営林署小屋跡からの周回 素晴らしいブナとカエデの新緑を楽しむ         

四季美谷温泉がハイキングツアーを募集している。

昨日は南高城のシロヤシオそして今日は奥槍戸から権現山への縦走の募集があった。

しかし新聞を見て直ぐに申し込みをしたが、既に満員。

キャンセル待ちをしていたが連絡がないのでダメだった様だ。

何しろ2,000円で温泉付き、しかも個人では出来ない縦走コースと有って人気があるのだろう。

仕方がないので先週REIKOさんが行った烏帽子山に行く事にする。

ネットで情報を集めるが烏帽子山のレポートは非常に少ない。

どうせなら営林署小屋跡からの周回コースを歩きたい。



落合峠から営林署小屋までの道は荒れているとの噂もある。

丁度エントツ山さんの掲示板に鬼手物心さんから「問題ない」との情報があった。

それではと5時30分自宅出発。

三加茂から深淵を目指す。

7時30分深淵の営林署小屋跡に到着。

一番乗りだった。



登山口の看板も随分古くなっている。

7時43分出発



暗い川筋にコンロンソウが咲き始めている。

この花の名は、中国の崑崙山に白い雪が降り積もっている様子に由来するという。

営林署小屋は結構大きい。

1985年に設置された看板があるのでその時建てられたものか?



川筋に沿って登って行く。

コアジサイが沢山ツボミを付けている。

もう少しすると可愛い花を咲かせるだろう。



目の前に鉄の橋が見えた所で、右への分岐を探す。

右上に引き返す様に登山道があった。

事前知識がないと見落としてしまいそう。



いきなりかなりの急登

眠気モードから切り替えできていないので応える。

シロモジの新緑の中を登って行く。



しばらく登るとやや平坦な所に出る。

ヤマシャクヤクの群生があるが花は終わっている。



振り返ると石堂山らしい山がそびえている。




モミジの大木が多く新緑が素晴らしい。



モミジの新緑の間から降り注ぐ光のシャワーを浴びて進む。




シコクシラベの林となる。



壁の様な急斜面をよじ登るとクマザサの生える尾根筋に出る。

8時39分。

あまりのキツさに此処で小休止。

涼しい風が吹き抜ける。



下層にはシロモジ。そして上層の大木は?ハウチワカエデか?オオイタヤメイゲツか?

天狗のウチワの様な葉が緑のグランデーションとなっている。



見上げていると首が痛くなるほどの大木が多い。






リョウブの木の間にミツバツツジがチラホラと咲き残っているのも味わいがある。





シコクシラベなのかダケモミなのがコメツガなのか良く解らない。

陰気な森となる。



この木はシコクシラベかな?



松科の樹林帯を抜けると明るい広葉樹の林となる。

ダケカンバが目立つ様になる。



ダケカンバは芽吹いたばかり。



オオカメノキが所々に白い花を咲かせている。

木々の向こうに矢筈山が見える様になった。



黄色い花が目立つ様iになる何の花だろう?

蘭ちゃんと昼行灯さんからウリハダカエデだと教えて戴きました。

よく見ると確かにウリハダカエデの葉だ。

しかしこんな黄色い花が咲くとは知りませんでした。

カエデの花についても勉強しなくては。



ダケカンバの新緑



この赤い花はコヨウラクツツジ。サクランボの様な可愛い花



この山は植生の豊かな山だ。

次々と色々な木が現れる。

しかもみんな大きく育っている。



針葉樹の樹下にも雑木が生えていて暗い感じがしない。



樹間が開けて北へと深淵、松尾川ダムに続く稜線そしてその向こうに日の丸山。



ヤマヤナギやコヨウラクツツジが樹間に沢山咲いている。



笹が深くなり、かき分けていく。

写真を写していて、ふと見ると家内の姿が見えない。

笹の中の踏み跡をたどり急ぐが家内がいない。

ドンドン行くと踏み跡が無くなりいつの間にか稜線を離れてしまった。

大声で家内を呼ぶとかすかに返事が聞こえる。

何と後方の上の方からだ。

笹の中を強行突破し直登すると踏み跡の明確な所に出た。

直ぐ後ろに家内がいた。

藪の中を行く時は離れない様に気を付けないといけないなあ..



振り返ると落合峠の向こうに矢筈山やサガリハゲが見える様になるが生憎、黄砂で霞んでいる。



前方に前烏帽子が覗いている。

見晴らしが良くなってしばし景色を眺める。



前烏帽子と落ハゲの間に天狗塚がかすかに見える。

9時26分烏帽子山山頂着。

此処まで1時間44分掛かった。



烏帽子山山頂で記念撮影。

誰もいない。



深淵への縦走路入り口にCDケースの標識。



目の前に前烏帽子から落合峠、そしてサガリハゲ矢筈山へと続く稜線を見ながら珈琲タイム。



足下にはリンドウやシコクフウロの葉がありもうすぐ夏の季節が来ることを告げている。



北西には中津山その向こうに国見山。

晴れているのに霞んでいる。

その右には腕山



前烏帽子の右には寒峰へと続く稜線。

後から解ったが目の前の前烏帽子と思ったのはニセピークで、前烏帽子はその後ろに隠れて見えない。

西へと踏み跡があるが何だろう?



9時43分出発。

急坂をドンドン下る。

リョウブの若葉の向こうに矢筈山



ニセ前烏帽子に向かって南に下る。

下から賑やかな声が聞こえて男性二人のパーティが上がって来た。

急坂を一生懸命上がってきて目の前に私達がいるので驚いたみたい。

段々笹が深くなる。



ニガイチゴが咲いていた。

笹は深いが足下が刈り払われていて道は明確だ。



鞍部に来ると新緑が美しい。

オオカメノキの白色が目立つ。





急坂を上り返す。

振り返ると烏帽子山の特徴有る姿が見える。

切れ落ちた崖を見ていて家内が「絶壁の岩場に行くのを忘れていた」と言う。

あの西へと行く踏み跡が岩場への道だったのだろう。

残念だが岩場は次の機会とする。

刈り払われた平坦な道を行く。



道端にミヤマエンレイソウ。

真っ白なのと紫がかったのがある。



左に矢筈山を見ながら行く。



右には寒峰への縦走路

振り返ると烏帽子山が良い形に見える。



ピークに着き前烏帽子かと思ったら更に向こうにピークがある。



岩場の尾根道にはヤマヤナギがはびこっている。



次のピークへと急ぐ。



振り返ると烏帽子山の西側は大きく崩壊している。

寒峰への縦走路が益々魅力的に見えてくる。




ニセピークを2つ越え3つ目のピークが前烏帽子

10時35分着。

ここから烏帽子山は見えない。



此処から寒峰へは3q

左にこれから向かう落ハゲと落合峠。



落合の村も霞んでいる。

その向こうの天狗塚も三嶺も霞の中。

せっかく良い天気なのに黄砂が邪魔をしている。

10時44分出発。



気持ちの良い笹原をドンドン下っていく。

良く整備された道だ。

ショウジョウバカマが沢山あるがもう花期は終わっている。



ウリハダカエデの花が陽の光に輝いている。




ブナとカエデの新緑が美しい。



ブナの大木の新緑に見とれる。





ブナなどの新緑はいくら見ても見飽きない。



こんな素晴らしい場所があるとは..



突然笹が深くなる。

落ハゲから20人ほどのパーティが下りてきた。

とても和やかでファミリーハイクの様な感じ。

落ハゲを目指して登る。



笹をかき分けて登るが笹の埃?を吸い込んでしまってむせ返る。

水でうがいしても不快感が残る。



振り返ると烏帽子山から三つのピークの前烏帽子。



ツクバネソウが沢山咲いていた。



鎖場は以外と問題なく登れた。

登った所が頂上だと思ったら更に登り。



落ちハゲの頂上部は平坦な笹原



三角点11時36分着。

昼食にしようと思ったが日影が無く暑い。

そのまま落合峠に向けて進む。



今日は落合峠の車は少ない。



やつと矢筈山がクッキリと見えてきた。



のんびりと笹原を歩く。

秋には沢山の花が咲く池糖に今は花はない。



昼食は峠手前の岩山にする。



12時丁度、目の前に烏帽子山から前烏帽子への稜線を見ながらの昼食。

冷たい風が通り気持ちが良い。



岩場のつつじが目を引く。

黄色い花はイワキンバイかツルキンバイか?



昼食を終えて落合峠へ。12時35分。

そのまま車道を左へと進む。



最初のカーブの所から山道に入ろうと思ったが近所のお爺さんおばあさんがシートを広げて宴会中。

下の下山口を目指す。

道脇にはウリハダカエデの花やタチツボスミレ



ナンゴクミネカエデかなあ?



3つ目のカーブの所で烏帽子山を正面に見て左へと下る。

山側と谷側に赤テープ有り。この枯れた木が目印。



車道を離れた途端に素晴らしい樹林帯に入る。



カエデ類の大木が多い。





良く踏まれた快適な道を下る。




予想に反して素晴らしい道。

ルンルン気分で下って行く。



暗い所に来るとコンロンソウの群落。

白い花が際だっている。

テンニンソウの群生もある。




モミジの大木



素晴らしいブナの古木。

新緑の木漏れ日が気持ちをリフレッシュしてくれる。






ブナの広場を行くと窪みにイノシシの子供が二頭、寄り添う様にして死んでいた。

腐敗の様子から見て数日前に死んだのだろう。

親からはぐれて数日前の雨の日の寒さでやられたのか?

自然は美しくも残酷だ。

合掌



ブナの朽ち果てた倒木も多い。

錯乱の起こった場所には若木が生長している。



13時16分、沢の右岸から左岸へと沢を越える。

沢を越える場所は道がわから無くなっている、がテープを見ていけば直ぐに道に出る。



支沢をいくつか越えていく。

植林帯に入り陰気な道。



このぶら下がった花は何だろう?

右はウワバミソウ(ミズナ)?

蛇が出そうな所に生えるとか?

この道は本当に蛇が出そう。



荒れた沢をいくつか渡る。



咲き残ったイチリンソウが一輪。

ブナの古木が根元から折れていた。



左の花は?

突然壊れた鉄橋に出る。

真ん中が折れて谷に落ちているが何とか渡れる。



今度はきちんとした鉄橋が見えたので登山口に着いたと思ったら間違い。

この辺で持病の膝痛が出てくる。

左膝が曲がらなくなった。



足を引きずりながら何個か鉄橋を渡る。



やっと最後の片手すりの鉄橋に着く。



冷たい水で顔を洗い生き返る。



14時6分登山口着。

素晴らしい新緑に見とれながら下りたので落合峠から1時間半ほど掛かった。

思いもかけない素晴らしいブナやカエデの新緑を楽しむ事が出来た。

紅葉の時は素晴らしいだろう。

是非その時期に歩いてみたい。



烏帽子山周回路概念図