里山の春 高根山 薬研谷 2007/5/11
素晴らしいブナの新緑を楽しむ         

前回、柴小屋山に行った時、高根山(こうねやま)1232mを見落としてしまった。

柴小屋山、大道丸そして高根山はダンゴ三兄弟と呼ばれている。

やはり一度は行ってみなければならない。

薬研谷の花達はどうなっているだろうか?

朝7時出発。

神山から野間殿川林道を行くが、昨日の強風で折れた枝が路面に沢山落ちている。

おまけに落石まであり非常に走りにくい。

昨日の風はすごかった様だ。



7時50分芝小屋山駐車場着。

1時間足らずで1000m超の山に来られるのも林道の整備されているおかげか?

トサミズキは既に花が散り真っ赤な新芽が出てきている。

今日は花を写す為に105o(160o相当)のマクロレンズだけを持ってきた。

花以外を写すのが大変。

登山口のシロモジも花が散り、カッパの手の様な葉になっている。



若葉の淡い緑が気持ちを和ませてくれる。



柴小屋山山頂近くにはツクシシャクナゲの群落があるが未だ殆ど蕾。

後2〜3日もあれば咲くだろう。



大道丸への分岐から左へ四国の道を下りていく。

根曲がり竹の様な新芽が沢山出ていた。何だろう?

ウラジロモミ(ダケモミ)の林の中を行く。



ブナの林下にはフタリシズカや小さなミツバテンナンショウが群生している。



先ほどのハチクの様なのから葉っぱが出始めている。



ブナの新緑が素晴らしい。



何時までもこの陽だまりでブナを眺めていたい。





薬研谷にやってくるが前回沢山咲いていたイチリンソウは殆ど消えていた。

僅かに咲いていたイチリンソウ。



ハシリドコロは昨日の大風で倒されている。

小さな花も吹き飛ばされたのか?寂しい谷となっていた。



あれほどビッシリと咲いていたヤマルリソウも僅かに残るのみ。

フウロケマンはあちこちに咲いていた。



広葉樹の林の中を行く。

シコクブシは未だ蕾。



誰一人居ない静かな森。



林下にはジロボウエンゴサクがひっそりと咲いている。



やがて銚子の滝に着く。

前回は殆ど水が流れていなかったが今日は少しマシかな?



瀧の周辺に沢山咲いていたシロバナネコノメも消えてしまっている。

ヨゴレネコノメが僅かに残るだけ。

この笹の様な葉はナルコユリの葉かな?



アケボノツツジの散ってしまった大岩は少し寂しい。

しかし新緑の輝きもまた素晴らしいものだ。



先日大岩から下りてきた分岐を更に真っ直ぐ行く事にする。

昨日の風で倒木が多い。



ミヤマハコベがやけに目立つ。



ついこの間まで春を謳歌していたスミレ達は殆ど姿を消して僅かにタチツボスミレが咲いていた。



ウラジロモミの林は薄暗いが、陽がさすと葉が輝いて見える。



素晴らしいブナの新緑。

この時期だけしか味わえない森の輝き。



林道は所々で崩壊していて車では通れなくなっている。

突然砂防ダムに出る。

コンクリートのダムが何重にもなって続く。

しかし既に崩壊が始まり多くのダムは土砂で埋まり更にコンクリートの基盤までもが剥き出しになっている所もある。

こんなダムで山を守る事が出来るのか。

ダムを造る為に木を伐採してその後に造林をしているが土砂ごと植えられた幼樹が押し流されている。



ジシバリが沢山咲いているが地縛りの役には立たない?



林道はドンドン下っていく。

此処からは立派な林道となるがやはり崩壊して道幅は狭くなっている。

砂防ダムを造る為の林道なのか?

放置されていて痛々しい。

シロモジの林となる。

クロモジとシロモジは解りにくいが葉が出ると直ぐに解る。

カッパの手の様なのがシロモジ。

右はシロモジの幹。



下って行くと未だ花の咲いているシロモジが多くなる。

普通シロモジは葉より先に花が咲き葉が茂る頃には花は終わる。



紅葉の林となる。



更に下るとクロモジの林となる。

クロモジは葉と花が同時。



この花は?



フタリシズカがツボミを付けている。



この林道を行くと大道丸への分岐にある崩壊した林道に繋がると思っていたが、いつまで経っても下るだけ。

このままでは上勝の百間滝に出てしまう。

引き返して、先日大岩から下った道を登り、大岩へは行かず稜線を辿る。

測量用のピンクのテープが続いている。

登りきると林道へ出て右に曲がると大道丸への分岐に着く。

この林道もかなり前から放置されて、とても車が通れる状態ではない。

山の斜面を削り無理矢理林道を造った為に林道の上部そして下部も崩壊が進んでいる。

大木は倒れ林道を塞ぎ谷へと落ちている。



何の為に造りまた放置しているのだろうか?

税金を使って山を壊してしまった責任はダレにあるのか?

林道の行き止まりの広場で昼食にする。

目の前に大道丸。

左奥には高丸山。

ポカポカ天気で気持ちが良い。



右には柴小屋山が見える。



林道の終点より先の斜面は崩壊せずに新緑が美しい。



林道終点より大道丸へ直登する。

途中植林地帯があり、鹿避けのパイプが並ぶ。

何を植林しているのかパイプの中を覗くとヒノキが枯れておりニガイチゴがパイプの中に生えている。

植えたまま放置されているのだろう。

植林の為切り開かれた場所はニガイチゴが一面に生えている。

大道丸にヒノキを植林しようと大規模な林道を造り途中で全て放棄したと見られる。

この場所も以前はアケボノツツジが沢山咲いていたのだろう。



大道丸へと着くが10日あまりの間に木が茂り見晴らしはなくなっていた。

此処にもシロモジの花が残っていた。



シロモジは何か優しい感じがする。



まだカタクリの花が祖いていた。

今年最後と目に焼き付けておく。



柴小屋山まで戻るとツクシシャクナゲの蕾が開きかけている。

咲き出すとあっと言う間に満開になることだろう。



ナルコユリはもう蕾を持っていた。



柴小屋展望台から少し下ると左へと行く道がある。

とても良く整備された道で石の階段も有る。

岩場には鉄の鎖があり展望が良い。

此処から見た高丸山は美しい。

右下にはまた無意味?な林道が造られている。

前に造った林道を崩壊したまま放置して、また新しく造る気持ちが分からない。

この林道もその内崩壊するのだろう。



遙か向こうに高城山のレーダー。



一つピークを越えて行くと高根山山頂。



噂のだんご三兄弟の看板とお馴染みキティの山頂標識。



山頂の向こうに山頂より高い岩があり、すこぶる展望が良い。

家内が先に登って悲鳴を上げた。

手をかけた岩に大きな蛇がとぐろを巻いていたらしい。

此処からは更に高城山がよく見える。



景色を堪能して下山。



旭ノ丸への林道に飛び出ると直ぐ左に先ほどの作りかけの林道の起点がある。

ふるさと大川原旭丸線と言うらしい。やはり大川原高原まで伸ばすつもりか?



舗装された林道を駐車場まで帰る。

シラカバの新緑が美しい。

しかしこの林道脇の山肌もかなり崩壊している。



眉山の向こうに紀伊水道。

こうしてみると徳島の町は小さいなあ。



ドウダンツツジや葉桜も美しい。



左の木はヤマヤナギか?何か違うみたい。



登山口のシロモジが陽を浴びて美しい。

久しぶりに神山温泉に行くと改築されていてとても快適。

ゆっきりと温泉を楽しむ。

春の花は少なくなったが素晴らしい新緑を楽しむことが出来た。