里山の秋 御坂山〜黒岳1793m〜破風山 U 2006/09/09

御坂峠 〜 黒岳 〜 スズラン峠 〜 破風山 〜 新道峠 〜 大石



峠の祠の古い石像をお詣りしてから出発。

11時37分。



立派なブナの古木の間を登って行く。



メタカラコウが多い。

気温が上がりやけに喉が渇く。



アサギマダラがゆっくり舞っている。

吸蜜しているこの花は何だろう?

葉に特徴があり見た事あるのだけど..



変わったフウロが咲いていた。
イブキフウロみたい。

タケシマランかと思ったが実の付き方が違う。

これはユキザサの実だろうか?



綺麗な花だが不明。

ミヤマトウヒレンやホクチアザミは関東には咲かない様だし..



葉がバイオリンの胴の様に湾曲している。

調べるとタカオヒゴタイの葉とよく似ている。

いずれにしてもトウヒレンの仲間だろう。



とても素敵な広葉樹の林

トモエシオガマが多くなる。

本当にトモエシオガマか自信が無くなる。

今まで見たトモエシオガマより、力強くって色が鮮やか。



ハナイカリやウスユキソウも多い。



花弁が離れているフウロ?

岩をよじ登る所もある。



でっかいキノコとホツツジ



この辺のトリカブトは満開。



家内が暑さでかなり参ってきた。

休み休み行く。

サラシナショウマが気持ちを和ませてくれる。





釈迦ヶ岳への分岐を通り過ぎると、お花畑の中に黒岳頂上広場がある。



山梨100名山黒岳1793mに到着。

12時44分。

タムラソウに沢山の蝶が吸蜜に来ている。

みんな可愛い目をしている。



アカタテハ



アサギマダラ



キアゲハ



キタテハ



イチモンジセセリの兄弟

蝶の同定は昆虫博士PONちゃんにお願いしました。



アカタテハの背は毛が一杯。

次から次へとやってくるので何時までもいたいが、家内がお腹がすいたと怒り出す。

タムラソウの蜜はとても美味しいみたい。





何処で弁当を食べようか迷う。

後から来た男性は花の真ん中にどっかりと尻をおろした。



この花不明花。

石鎚山に咲くミヤマトウヒレンそっくりなんだけど...

タカオから奥多摩にかけて咲く、タカオヒゴタイかも知れない。

私達は先の展望台まで足をのばす。



展望台と言っても小さな岩場。

岩に腰をかけてお昼にする。

本当なら河口湖の向こうに富士山がでっかく見えるはず。



西の方にはこれから行く破風山から繋がる山並みが見えている。

その向こうに霞んでいるのは節刀ヶ岳1736mと十二ヶ岳

標高の割に厳しい山だと聞く。

その右には今日行くつもりだった釈迦ヶ岳1641mがガスの中に霞んでいる。

若い夫婦がやってきて、そのまま下っていった。

此処から河口湖への下山道がある様だ。

突然大勢の人がやってきたので、弁当をかき込み場所を譲って頂上に引き返す。

頂上に戻ると、ツアー客なのか?

あふれかえっている。

この写真は第一団が下山後の写真。

空リュックは展望台に出かけている人達の物。



70才以上と思われる方が花の説明をしている。

少し質問すると、とても丁寧に教えていただいた。

この様なガイドさんと一緒に山に登ると楽しいだろうなあ〜

私達も、下山を開始する。
13時18分。



キバナヤマオダマキの白花が清楚に咲いていた。

篭の登山で出会って以来だ。



13時38分スズラン峠に到着。

この直ぐ下にはレンゲショウマの群生地があるというので下っていったが、既に花は終わっていた。

大勢のツアー客は此処から北へ降りていった。

1時間ほど下るとバス停があるらしい。

初夏にはスズランが素晴らしいという。



??



また静かになった山道を登り返すと、破風山1674mに13時54分に着く。



ブナが見事だなあ。



少し下ると見晴らしの良い岩場。

でも何も見えない。

14時9分1573mの新道峠に着く。



このまま真っ直ぐ行くと中ツ頭山経由大石峠だが、今日はここから左へ大石へと下る。

植林帯の暗い細い道を下る。

ナンテンハギが一杯咲いている。

暗くてうまく写せない。



クサボタンが可愛い。



ノササゲも多いなあ。

フウロが樹林帯の仲でも何処までも咲いている。

この御坂山塊はフウロの多い山だ。



セキヤノアキチョウジが多くなる。

標高が下がるとツリフネソウが現れ出す。



キバナアキギリがやクサボタンの中を下っていく。



暗い樹林帯を下るのは気が滅入る。

段々足が痛くなる。

古傷の膝とと新キズくるぶしが悲鳴を上げ出す。

クサボタンに似ているが少し違う様な花。



やっと林道に飛び出す。

15時1分。

ガイドブックでは30分の筈が50分もかかっている。

私達は本当に下りが苦手。



シモバシラやフシグロセンノウ



渓流沿いにはタマアジサイやツリフネソウがビッシリと群生している。



今年2月に完成した砂防ダム。

でっかい。

河口湖が未だ遙か遠い。



道端にホトトギスが咲いているがこの様な花の付き方をするホトトギスは初めて。

これはただのホトトギスらしい。



コンクリートの道になり、別荘地の間を下る。

振り返ると黒岳がとても高く見える。

河口湖を見下ろしながら下っていくがなかなか着かない。

舗装路の下りは本当に辛い。

冷たい飲み物が欲しくって自動販売機や商店を探すが、全くない!!

この辺の人は何処へ買い物に行っているのだろう?

そう言えば河口湖近辺にはコンビニはあるが郊外型スーパーは見かけない。

富士吉田市まで出かけるのだろうか?

自転車で坂道を元気に上がってくる男の子二人が「こんにちはっ」と大きな声で挨拶してくれる。

塩の看板の出ている小さな商店の店先に自動販売機発見。

石垣に腰掛けて、最近気に入っているジンジャエールを一気飲み。

通りすがりの若奥さんや近所の長靴が片方脱げた幼子までが挨拶してくれる。

そう言えば、四国の山歩きの帰りに、子供達に出会う事は少ないなあ...

自動販売機は一杯あるけど..

子供がいないのか?閉じこもっているのか?

寂しい限りだ。

四国に帰ったら、子供達に山野の楽しさを知ってもらう事に余生を使いたい。



やっと車道に出る。もう4時近くになっていた。

下るのに2時間近くもかかってしまった。

所がバス停が解らない。

地図にはあけぼの荘前とあるが、何処にもバス停が見あたらない。

途方に暮れる。

道を渡って自然生活館の広場の方に行ってみるとレトロバスが出発していた。

慌てて手を挙げると止まってくれた。

バスは、木造の椅子でレトロでいい感じ。

しかし、カチカチ山ロープウェイの先の河口湖駅の直ぐ手前から、河口湖大橋の方へ曲がり

ハーブ園に寄ったり役場前までぐるっと回り、駅に着いたら5時前だった。

時間表を見ると5度6分の特急の後はしばらく便がない。

仕方なく余分に300円払ってフジサン特急に乗る。

古くさくっておもちゃの様な特急だが、中は以外と豪華で驚いた。

3両連結でガラガラなのに車内販売のお嬢さんがやってきた。

割に合うのと思っていたら、やおら「切符を拝見します」

なんと車掌さん兼任の車内販売員だった。

缶ビールを2本飲み干し、大月で乗り換え高尾で乗り換え新宿で乗り換え五反田で乗り換え

坂を登りやっと家に着いたらもう9時前だった。

足がパンパンに張って疲れたけど、思いがけず沢山の花に出会えて素晴らしい山歩きが出来た。





総歩行距離11.5q

累計標高差 +891m −1361m