冬の里山 南高尾縦走 2007/1/20

南高尾縦走

− 高尾山口 〜 高尾山 〜 学習の道 〜 大垂水峠 〜 大洞山 〜 草戸山 〜 高尾山口 −


昨日まで三日間の名古屋出張だった。

出張あけの休日はゆっくりと朝寝がしたい。

しかし明日の日曜日は天気が悪いとかで、今日しかないと家内は山の用意をしている。

何も調べていないので、とりあえず高尾に向かう。

東京都民の里山、高尾山はこんな時とても便利な山だ。

一番近い里山と言っても、ちょいとチャリで行けるような所ではない。

6時前に家を出て、いつもなら新宿発7時の京王線に乗るのだが、今日は6時44分のJR特別快速に乗る。

京王線に比べてJRは倍以上の乗車賃だが、もしかしたら早く着くかと期待する。

しかし満員で座れない上に、高尾駅で京王線に乗り換えようとしたら20分近く待たされる。

結局高尾山口には7時51分と、いつもの京王線でのんびり来たのと変わらない。

家から電車に乗っているだけでも2時間足らず掛かる。

名古屋〜東京間を新幹線のぞみは約1時間半で走る。

里山歩きの為に、毎回電車に乗るのにも疲れてきた。



駅前の小さな公園にはロウバイが咲き始めている良い香りがする。

駅の売店で弁当を買おうとしたら未だ店が開いていない。

甲州街道まで出てコンビニで購入。

稲荷山コースは未だ間伐の為通行止め。

2月28日まで通行止めとのこと。



琵琶滝コースを登り始める。

8時14分。

硯石を越えてグングン行く。



高尾を登る人は、のんびり組とサッサカ組とに大きく別れる。

サッサカ組のペースは速い。

家内も付いていくが私は昨日までの出張疲れで足が重い。

最後の長い階段ではふくらはぎが吊りそうになる。



山頂直下のトイレに9時6分着。

此処でトイレを済ませておかないと大変なことになる。

丁度一年前、南高尾縦走の腹痛膝痛試練の山歩きが脳裏をかすめる。

山頂まで行くと、山頂からもみじ台までの階段は通行止め。

先ほどのトイレまで引き返し巻き道を行く。



巻き道から一丁平までの道も通行止め。

更に巻き道を行く。

この道は初めて通る。

シモバシラ観察地が設定されていた。

昨年シモバシラ観察で植生が踏み荒らされた為、ロープで観察路を指定してある。



今年は暖冬で未だシモバシラの氷華を見ていない。

諦めていたが斜面に小さな小さなシモバシラの氷華が出来ていた。

小さいながらとても美しい。

今日高尾に来た甲斐があった。



去年は此処から一丁平、城山経由で行ったが天気が悪くなってきた。

学習の道から南高尾に向かう。



快適な落ち葉が深く積もった道をゆっくり下っていくと、一丁平からの道と交わり更に林道と交わる。

小さな沢に出ると案内板に男性が一人見入っていた。



階段を下り更に陸橋で甲州街道を渡る。

去年はこの陸橋は凍結していた。

此処が大垂水峠

9時50分。



大垂水峠から大洞山への道は結構厳しい。



高尾の喧噪に比べてこの南高尾は静かだ。

誰にも出会わず大洞山536mに着く。

10時15分



行動食タイムでコンビニの肉まんを囓り出発。

初めて反対方向からの団体5人と出会う。

一旦急坂を下り、自然林の中ササが綺麗な道を行くと、一寸した登りでベンチを置いた高台に出る。

10時31分。

女性が一人直ぐ下でお花摘み中。驚かせてしまった。

何しろこの南高尾はトイレが全くない。

城山や一丁平、高尾山頂からこの道を来ると10キロ以上トイレを辛抱しなければならない。



このピークには三角点があるので此処がコンピラ山だと思うが表示はない。

また急坂を下りていく。



この縦走路のピークには殆ど巻き道がある。

でも巻きみちを使ったのでは南高尾のおもしろさは半減する。

また崩れかかった階段の急登を登り切りもう一つ登ると例の「山頂」と書かれた岩のピークに着く。

10時44分。



若い男性が反対側から登ってきて山頂杭だけ睨んで下りていった。

ピークからは北にもしっかりとした踏み跡があるが通行止めと書いてある。

国土地理院の地図ではどう見ても此処がコンピラ山山頂なのだが...??



この山頂の赤い石杭は、境界見出標1と書いてある。



またまたキツイ荒れた道を下ると「中沢峠」ここから山下に下ることが出来る。



鉄塔に出て、前回はそのまま鉄塔の右を行ったが、今回は鉄塔の奥から稜線に這い上がる。



中沢山492m到着。

10時56分

聖観世音菩薩の裏面に「昭和10年5月8日武相国境東縦走路開通一周年記念」と彫り込んである。

この南高尾の道が武相国境東縦走路なのかな?



中沢山を下りると広場がある。

前回は此処で膝が痛くなり動けなくなった。

今日は未だ快調。



しばらく行くと見晴らしの良い所にベンチがある。

昨年は此処で大勢が休んでいた。



津久井湖の美しい姿を堪能する。

河川段丘が美しい。その左奥に見える三角錐の山は仙洞寺山583m

右に連なるのは焼山1059m、乗穀山1060m、黍殻山1273mだろうか?蛭ヶ岳、丹沢山への縦走路が見える。

その向こうに三角錐が見えるのが大室山。

更に左奥には丹沢の山々。

雪が降っているのか頂上部には厚い雪雲が掛かっている。



大室山の右に御正体山が顔を出している。

更にその右奥に真っ白な富士山が霞んで見える。

写真に撮ると殆ど見えないのが残念だ。

更に行くと見晴らしの良い所に休憩所がある。



この辺に来ると間伐材でベンチやテーブルを作ってあるのが目立つ。



西川峠11時34分着。

ここから梅の木平への道がある。



また登って行くと泰光寺山475m

此処にも三角点がある。

11時41分



前回は此処でも休憩したが今日はそのまま下山。



檜を広範囲で間伐しており、その間伐材で土砂崩れ防止用の柵を作っている。

この様に間伐材を有効利用すれば、運び出す手間も掛からないなあ。



丸木の椅子も増えていた。

やがて広場に出ると、高尾山口から13.2qこれから梅の木平まで3qの標識。



此処が三沢峠。

12時丁度着。

コーヒーブレイクをしていると何組かの団体がやって来る。

峰の薬師や草戸山から来た人達だ。軽ハイキングなのかこのまま梅の木平に下りると言っている。



草戸山に向かって出発。

可愛い漫画のイノシシ注意の看板。



少し登ると榎窪山420m

更に行くと城山この見えるふれあい休憩所



城山湖は樹木の影から少し見えるだけ。

急な階段をドンドンドンドン下る。



草戸山12時29分着。

10人ほどの人が休憩している。

前回来た時は見つからなかった草戸山365mの看板があった。

ここは町田市の最高峰だとか。



紛らわしい松見平休憩所の看板。

何故、草戸山休憩所としないのかなあ?

此処からも城山湖は全景が見えない。



町田市街だろうか?景色を眺めながら昼食にする。

しかしなんだか急に冷えてきた。

山の神に御参りし、12時44分出発。

草戸山にいた人は殆ど城山湖の方に下りて行った。



一旦下って登り返すと10分ほどで草戸峠の看板。

高尾のお寺が正面に確認できる。



先ほどまでの関東ふれあいの道は立派な看板だったが、此処からの道の看板は苔が生えている。



これから20位のピークを上り下りしなければならない。

気持ちを引き締めて下っていく。

右側の鉄条網の向こうは拓殖大学の敷地。



前回此処で動けなくなってしまった鉄塔。

13時10分



何でこんなキツイピークがあるのかと思うが忍の一字で行く。



ベンチのあるピークから左へ下ると四辻に着く。

13時53分。



此処を真っ直ぐ行くとJR高尾駅。

左へと行くと京王線高尾山口。

立派なケヤキの木の下でコーヒーブレイクをして休憩。



静かな山道を下ると人家が見えて14時8分登山口到着。

こちらから登る人は登山口が見つけにくいだろうなあ。



民家の庭に紅梅が咲き始めていた。

高尾の参道にはいると大勢の観光客。

雪の降り始めた中を14時32分の準急で帰宅。

前回、腹痛と膝痛でゆっくり楽しめなかった南高尾縦走。

今回はゆっくりと静かな山歩きを堪能できた。

シモバシラの氷華に今年も出会えたことが嬉しい。