里山の春 中津峰山 2007/4/15

− 子供の頃から親しんだ八多の五滝と中津峰を歩く −

八多の五滝と言えば徳島市内の小学校の遠足で必ず行った所だ。

中学時代は仲の良い友達とサイクリングなどで出かけた事もある。

淡い恋心を抱いていた同級生と一緒に訪れた事もある。

7〜8年前、滝の写真に凝っていた頃は毎月のように訪れた。

新緑の滝や紅葉の時期などは特に素晴らしかった。


想い出の写真

しかし、遊歩道は荒れていて所々崖が崩れていた。

しかも途中にある休憩所は朽ち果てていて気味が悪いほどだった。

6年ほど前に前徳島市長にお会いした時、徳島市民の憩いの場所であった五滝への遊歩道を整備して欲しいと

お願いしてあった。

ついでに農村歌舞伎などと一緒に「農村公園」として整備してはどうかと提言もしておいた。

それから徳島を離れていたので現在どの様な状態になっているか知らない。

家の片づけも一段落したので早速訪れる事にする。

8時に家を出発して、佐那河内経由で一山越えて再度徳島市に入ると八多町。

八多川を鹿の首に向かって進む。

五滝のバス停を過ぎると道は狭くなり犬飼農村歌舞伎のある五王神社を過ぎる。

徳島、特に県南は農村歌舞伎が盛んな地だとの事。

全国で人形芝居系の農村舞台は216棟あり、その約96%に当たる208棟が徳島県内にあったことが報告されているそうだ。

私もこの犬飼を始め勝浦でも農村歌舞伎を見た事がある。

益々道が狭くなり人家が途切れると4〜5台止める事の出来る駐車場がある。

一番乗りで駐車。歩き始める。

8時16分着。家からは約20分。何しろその間に信号機は無いし、ガラガラに空いた道なので早い。

此処で標高200m。



かって通い慣れた車道を登って行く。



ムラサキケマンが山裾に咲いている。



スミレも非常に多い



朽ちた農家のビニールハウスを通過し簡易水道の水源地を巻いて登る。

こんな所にレンゲ畑が?



ムラサキサギゴケが密生している。



五滝入り口の橋横の駐車場所にも誰の車もなかった。

今日は私達が一番乗りかなあ?

8時26分出発。



雌滝、雄滝を越えていく。



やがて御来迎の滝に着く。

好きな滝だが今日は水量が少なくショボショボ



道は昔と殆ど変わっていないが、崩れかけた所や壊れた階段の手すりなどはコンクリートで補修してある。



朽ち果てた休憩所は取り払われて木の柵とテーブルが出来ているが、誰も来ないのか?使わないのか?

既に青く苔むしている。

あれから直ぐに整備して戴いたらしい○○前市長さんありがとう。

布引の滝に着く。



更に岩道を登って行くと岩が翼を広げたような蔵の滝(象の滝)に着く。

8時50分。



小さな祠が祭ってある。

この滝の左を登って行くと疑似木の階段道となる。



良く整備された緩やかな坂を登っていくとキケマンや色々のスミレが顔を出す。



クサイチゴの多い道だ。

暗い山道で一際目を引く。



やがて稜線に出るとミツバツツジの向こうに中津峰山頂が見えてくる。



暗い林間に一際鮮やかな白い花の群生。

僅かにピンクのヤマルリソウ。



遠くからではシロバナに見える淡いブルーのヤマルリソウ。



9時13分、車道に飛び出す。



ここから左へと如意輪寺方向へ行こうと思っていたら、看板に直ぐ右に登山道があるとマジックで書いてある。

右に5m程行くと、成る程新しい案内板が設置されている。



登山道に入ろうとするとまたマジックで山カカシ、マムシ(毒蛇)タクサンイル

マムシ血清は****(徳島日赤の電話番号)なんて描いてある。

慌ててそこいらに落ちている木の棒を拾ってから出発。



7分ほど急騰すると如意輪寺からの「いやしの道」に出る。

先月建てられた新しい看板がある。



コレも新しいベンチで休憩していたらワンちゃんがやってきた。



ワンちゃんと後から来た男性が出発してから私達も出発。

ヒメシャラの林の中を行く。



ヒナスミレかなあ・

距の先ッちょがピンクなのが可愛い。

ツルシキミ(ミヤマシキミ?)の花が満開



この斑入りの葉のスミレは?

フイリヒナスミレかな?

可愛くてピンクのグランデーションが綺麗だ。

間伐材を使ったベンチがあり向かい合っているので「お見合いベンチ」

此処はロマンス広場。



如意輪寺からの直登道と出会う。

此処もスミレがビッシリ咲いている。



階段道を上り詰めると星の岩屋への分岐



コレはシハイスミレかな?



石垣がありその入り口を入ると天津神社。



また石垣を潜ると見晴らしの良い休憩所に着く。

マウンテンバイクの青年達がいた。



以前来た時は雑木で全く見晴らしが利かなかったが今は刈り払われてとても見晴らしが良くなっている。

おまけにキャンプ場のような椅子やテーブルそして小屋まである。

今年3月完成したらしい。



773m中津峰山頂10時3分着。



二等三角点のある山頂でくつろぐ。



カンスゲのような草が一杯。何だろうか?

山頂は馬酔木が多い。



先ほどのワンちゃんがやってきた。

ゴンべーと言うらしい。

「迷子でありません」と名札がある。



次々と登山者がやってきた。

何かのグループらしいが、色々なルートから勝手気ままに登ってきてこの山頂で会うらしい。

この人達は熊?を捜して色々な山に登っているとか・

新しく整備された道やこのテーブルなどの事を後から登ってきた人に聞くと此処ではその話はタブーとなっているとの事。

???

同じ中津峰山を愛している人でも、一生懸命整備しようとする人と、自然のままが良いと考える人が居るらしい。

仲良くやって欲しいなあ..



シハイスミレ?が群生

星の岩屋への道を下って行く。



シロバナのタチツボスミレ?右はその葉。

オトメスミレは距の部分に色が残るらしいが、この花は距まで真っ白。

シロバナオオタチツボスミレかな?



右はフモトスミレかなあ。

ピンクのずんぐりした距



広い草原がありパラグライダーの練習地と書いてあった。

更に行くとパラグライダーのランチャー



小高い丘に登ると大勢のパラグライダー愛好者が風待ち。

風が弱いのか一人は失敗。



しばらく待っていると上手く飛び出した。

気持ちよさそうだなあ。



先ほどの練習地を登って行くとダンコウバイが満開。



ニオイタチツボスミレかな?

馬酔木も満開。

この山は少し咲くのが遅いようだ。



何処の山にもあるキランソウ

車道をドンドン下って森林公園の方へ向かう。



フモトスミレかと思うが距がウサギの尻尾みたいに丸い。

右はエイザンスミレかと思ったが花が白くヒゴスミレのよう。



ヒゴスミレはエイザンスミレより柔らかで優しい感じ。



何処まで下っても森林公園に着かないので間違ったかと引き返す。

後で調べるともう少し行けば良かったみたい。



中津峰山頂に引き返そうと思ってまた間違って鉄塔巡視路に入り引き返す。

左はサルトリイバラの花。葉っぱも未だ小さいなあ。

フイリヒナスミレかな?



中津峰山山頂で昼食にしようと思ったが、何と頂上は大勢の人が大宴会している。

成る程この様な宴会には沢山のテーブルが必要だ。

先ほどのゴンべー君もちゃっかりと宴会の中に座っている。

仕方がないので展望台に向かう。



今度はピンクのエイザンスミレ?発見。





エイザンスミレか・ヒゴスミレか解らなくなってしまった。




展望台到着。

生憎霞んで遠くは見えない。



フモトスミレかな?

そのまま森林公園の駐車場に向かう。



沢山の車が停まっている。

ここから中津峰に登る人も多いようだ。



今頃沢山のヒメオドリコソウが咲いている。

コブシの大木が満開。



咲き残った桜を見ながら昼食。

13時5分。



この黒いのは何?あちこちに顔を出していた。



園内には沢山のドウダンツツジのツボミ。

もうすぐ白い花を咲かせるだろう。

キブシの花も未だ残っている。



左はナガバタチツボスミレかな?

公園から車道を下って行く。

ヨゴレネコノメが群生している。

今年初めて見た。



ツボスミレも可愛いね。



ヤマネコノメソウにも出会った。

右はこれもナガバタチツボスミレかな?



ヤマネコノメソウの群落の中にミヤマカタバミの白色が際だっている。



五滝への道をひたすら下りて車まで帰る。

モミジの青葉が美しい。

14時25分着。

家に着くと未だ15時前だった。

近くて本当に楽だなあ。

多分これからも時々訪れるだろう中津峰山。

色々な花に出会えて本当に良かった。





総歩行距離 11q 累計標高差±1005m