里山の夏 那須連峰 南月山 白笹山 2006/07/16

待ちに待った3連休。

7月に入ってから天候が悪く、山らしい山に行っていない。

所が、この三連休も天気が良くない予報。

泊まりがけの予定だったが、急遽日帰りお気楽山歩きに変更。

東北地方に行く時、高速が何時も渋滞する所で気になっていた「那須連峰」に出かける事にする。

「那須連峰」と言っても、那須三山の朝日岳1917m、三本槍岳1896m、茶臼岳1898mに登るのではなく、

南月山1776m、白笹山1719mを散策するコース。しかも九合目までロープウェイで行くと言う
本当にお手軽コースだ。

那須連峰近辺の地図



上野公園前のバス停は久しぶり。昨年七ヶ岳に行ってから以来かなあ?

未だ雨は降っていない。このまま降らなければ良いのだけれど。



7時半に出発して快調に東北道を走る。

那須高原の看板が多くなると、道路は大渋滞。

雨が大降りになってくる。

こんな雨なのにサファリパークへ行く車が多い。

350万円だとか500万円だとかの別荘販売の看板が目に付くようになる。

道の両脇には大きくて派手なヤマユリが群生している。

やがて、急坂をあえぐようにバスは登り、11時丁度に那須ロープウェイ山麓駅に着く。

此処でお決まりの準備体操をしてゴンドラに乗り込む。



平成14年にリニューアルしたこのロープウェイは111名乗りであっと言う間に頂上駅に着く。

ゴンドラからの景色はガスの中で全く見えない。



1680mの頂上駅までは4分ほど。

展望台があるがガスの為何も見えない。

天気がよいと関東平野から東北まで一望に出来るというのだが..



目の前に見える茶臼岳は栃木県唯一の活火山だという看板。

最新の大規模な活動は1408〜1410年(応永 15〜17年)に起こった室町時代のもの。

このときの噴火で現在の山頂を作る茶臼 溶岩ドームが生まれた。



子供連れの観光客の横で重装備の我がツアー軍団。

今日は縦走なので、途中で調子が悪くなっても引き返せない。

2時間ほどバスが待っているので、調子の悪いと感じた人は出発して40分以内に申し出て

引き返す様にと、くどい説明があった。

登り累積標高差200mで、調子が悪くなる人などいるのかなあとその時は思った..

一一時二九分出発。



茶臼岳へは黒い火山岩の間を登るのだが、私達は山を巻いていく。



登山と言っても登りはほとんど無い。

少し登って逆に下っていく様な感じ。



シモツケのような花はマルハシモツケらしい。



オンタデのような花が登山道にビッシリと咲いている。

葉の裏が白いのでウラジロタデらしい。





コメツツジやシラネニンジンも多い。



ガンコウランもビッシリ生えているが花は咲いていない。紅色の花が咲くらしいのだが..



このマルバシモツケらしい花は個体によってかなり葉の形が違う。

この個体の葉はまん丸。



一寸した岩場を登るが、突然前の男性が靴の底が剥がれたと言い出した。

今なら未だロープウェイ乗り場にバスが待機しているとの事で、夫婦で寂しく引き返した。

見ると新品の靴のようだったが粗悪品だったのか?



11時59分牛ヶ首着。

此処から見上げる茶臼岳はとても厳しい岩山の様。









硫黄のニオイがすごい。

音を立てて噴煙が上がっている。

茶臼岳は現在も、活発な硫気活動が続いている。



シラネニンジンと少し葉が細長いマルバシモツケ?



カラマツソウが目立つ様になる。



トリアシショウマ?

何か違うなあ?



コメツツジが稜線を埋め尽くしている。



振り返ると茶臼岳がガスに隠れ始めた。

シャクナゲとハイマツの灌木の中を歩く。

雨が益々キツくなる。



ウスユキソウの群生が所々にある。

レンズに水滴が付いて霞んでいる。



この蘭はテガタチドリだと思う。

初めて見た。



側花弁は2個が合わさって
かぶと状になり、唇弁は3裂し、
裂片の先は丸い。
距は子房より長い。

萼片は長さ4〜5mmで、
側萼片は平開する。

この花を写している最中に、雨に濡れたデジカメがとうとう動かなくなった。

レンズシャッターが開かなくなった。

この為に今日は予備のカメラを2台持ってきている。

しかしもう一台で写していて、帽子の庇からボチャッと雨水がカメラに落ちた瞬間、
モニターに何も写らなくなった。

三台目のデジカメは型が古くてマクロでピントが合いにくい。

けどダマシダマシ使う事にする。



カラマツソウが雨に濡れて開いていないけど可愛い。



12時26分日の出平に到着。

見晴らしは全くないけれど此処で昼食。



ここはミネザクラの群生地。

花の咲く頃はカメラマンで一杯になるそうだ。



ミヤマオトギリの黄色が雨の中で目立っているる



キバナシャクナゲが咲き残っていた。

シャクナゲやハイマツ帯の中を歩く。

いつの間にか雨が小降りになってきた。

コキンレイカ(ハクサンオミナエシ)が目を引く様になる。



ウラジオタデとコキンレイカ



ウスユキソウの群落。



黒い火山土の稜線を歩く。

お地蔵さんが祀ってあった。

晴れていればとても素晴らしい眺望らしい。

この辺りで一人足が攣ったと言って遅れ出す。

この人は添乗員と共に、後から来る事になる。



12時55分、南月山到着。

でっかい看板だが、山名だけのなんか拍子抜けのする看板だ。

南月山(みなみがっさん)火山は、約10〜20万年前に活動した成層火山。





マルバシモツケのツボミは星形をしていて可愛い。

でもこの花の葉先は丸くなっていない???



コメツツジも多い所だ。



南月山神社



葉がクルマバソウの様になっている百合?

クルマユリかなあ?

白いツボミだが咲くと鮮やかな朱色になる??

調べるとやはりクルマユリのツボミは朱色なのでこの花は??




タカネニガナが咲く山道をドンドン下っていく。



ゴゼンタチバナの花が群生している辺りから灌木が茂り歩きにくくなる。



鞍部に降りて一休憩。

そしてまた登り返すと白笹山。

しかし頂上広場はなく、狭い登山道の通過地点のよう。



後はひたすら笹やシャクナゲなどの生い茂る狭い山道を下っていく。

雨が小降りになったので合羽を脱ぐ。

生き返った様に涼しい。

足下がグチャグチャで木の根や岩場もある道は疲れる。

沢に出る手前手間は雨がぱらっと北と思ったら、本格的な豪雨。

急いで合羽を着るが既にびしょ濡れ。



400m以上下って沢を渡るとやっと平坦になり沼原の駐車場に着く。

15時25分。

ノリウツギが沢を埋めていた。

左の花はヒヨドリバナかな?



この黄色いツメクサの様な花は?

コメツブツメクサかと思ったが少し大きい。

クスダマツメクサだろう。

荷物をバスのトランクに入れて沼ッ原湿原に向かう。

これがまた火山土のグチャグチャ道。

観光客のアベックもかなりいるが、みんな泥だらけ。

おまけに結構下っていく。



10分以上下って行くとやっと沼ッ原湿原に着く。





余り期待していなかったが、今年は花の咲くのが遅かった所為で、ニッコウキスゲが丁度見頃。



ノハナショウブも少しばかり咲いている。とても色鮮やか。



木道は滑りやすいし、花に見とれながら歩くと落ちそう。





出発の時間がせまり、ゆっくり散策出来ない。

走る様にして駐車場に帰り、合羽を脱ぎ着替えようとするが、雨が降っておりトイレぐらいしか着替える場所が無い。

その時添乗員がやっと足の攣った客を連れて帰ってきた。

16時30分とりあえずそのままバスは発車。

途中ドライブインのトイレで着替えをして、地ビールと地酒を買って、温かいおでんも仕入れる。

バスの中でクイッとやり心地よい疲れでうとうと。

9時頃上野に着き、最寄り駅からタクシーを奮発して帰宅。

登りらしい登りもない山歩きだったが、暑い時期の合羽を着ての歩きは疲れた。

早く梅雨が明けると良いのになあ..