三陸海岸 雫石 角館  2007/01/03〜05 
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− 暖冬の三陸海岸と雫石そして田沢湖、角館の旅 −


2007年の年も明けて暖かい良い天気が続いている。

今年は暖冬でスキー場も泣いていると言うニュースを聞く。

かろうじて年末に、まとまった雪が降ったので、何とかスキー場もオープンできたそうだ。

新春旅行として楽しみにしていた三陸海岸の観光ツアーに出かける。

四国に生まれて四国にずっと住んでいた私達からすると、三陸海岸はとてつもなく遠い所。

私は30年以上も前の独身時代、車で東北一周旅行をした事がある。

その時三陸海岸の主要道国道45号線は舗装工事の真っ最中。

工事中の荒れた道を延々と走った記憶がある。

東北観光の地図

家内は当然初めて。

いくつかのツアーがあったが、バスでのツアーは余りにも遠い。

一寸張り込んで新幹線を利用したツアーに参加する。

新幹線なので朝もゆっくり東京駅を9時30分に出発。

車内で駅弁を食べているとあっと言う間に一関駅。12時14分、3時間も掛からずに到着。



駅前には美酒爛漫の大きな看板が..このお酒は秋田の湯沢の酒だが一関からも近いのだろう。

美酒と銘打ったこの酒は、美女らんまんシリーズとして

吉永小百合や多岐川裕美をコマーシャルに使っている事でも有名。

その奥に東北のヘソと言われる栗駒山1627mの真っ白い姿がでーんとそびえている。

手前を見ると平泉を世界遺産登録へとの大きな看板。

平泉はこの一関駅から直ぐ側。2008年の登録を目指している。



今回の観光バスは岩手県交通の観光バス。国際興業のグループ。

磐井川の東大橋の向こうに白い山並みを見ながらバスは行く。



やがて北上川に架かる千歳橋を越え、北上山地の標高400m程の峠を越えていくと陸前高田市に着く。



道の駅高田松原で休憩。

陸前高田市は岩手県の南の端。

直ぐ隣は宮城県の気仙沼市となる。

此処は、意外な事に年間平均温度が10度を超え温暖な地だとか。

野生の椿が有名。

三陸海岸の地図

三陸海岸は石巻の牡鹿半島から北へ陸前、陸中、陸奥と続く約600qに渡るリアス式海岸だ。

目の前に以前、千昌夫の所有していたキャピタルホテル1000がそびえている。



館内には気仙町今泉のけんか七夕が展示してある。

勇壮なまつりの様だ。

此処は気仙沼ではなくて陸前高田市の気仙町。気仙川が流れている。

何か紛らわしい。

陸前高田を出て海岸線と峠道を交互に走る。

リアス式海岸なので、半島の根本をトンネルで越えていく場所が多い。

海を見下ろす位置に建っている民家はみんな黒瓦が光っていて立派。お城みたいな造りだ。

気仙大工と言って有名な宮大工が多く住んでいるらしい。



大船渡市に入り、碁石海岸(海岸の石が碁石の様に黒くて丸い)を過ぎると穴通磯に着く。

14時20分。此処で最初の観光。



自然に開いた穴を観光船が潜るらしい。

透き通る様な濃いブルーの海が印象的。



今日は静かな海だが、荒れると厳しい波浪の為こんな穴が開いたらしい。



穴通磯から少し引き返しまた海岸の道を行く。

今日は正月の為、漁は休みなのか漁船が沢山泊まっている。

大漁旗を着けた船が多い。

集魚灯を沢山付けたイカ釣り船も多い。



無料開放されている三陸道路に入りまた45号線を行く。

この辺は新沼健二の生誕地?

正月の所為か?すれ違う車もほとんど無い。

三陸鉄道南リアス線に沿って走る。

やがて釜石市を通過。



新日鐵釜石で有名な都市だが一時は人口9万人を数えたが現在は4万5千人となっている。

古廟坂トンネルを越え、吉里吉里(きりきり)浜を過ぎると浪板海岸のホテルに到着。

16時10分

この海岸は陸中地方屈指の海水浴場。

他の海岸は岩が多く砂浜が少ない。

寄せる波が粗い砂に吸われ、返す波がなくなるという、珍しい片寄せ波で知られる。



ホテルは海岸の直ぐ横に建てられたなかなか立派なもの。

皇室御用達らしく天皇陛下を始めとする皇室の方々の宿泊当時の写真が沢山飾ってある。



部屋も広くて快適。新畳みに変えられてあり気持ちがよい。

ベランダに出ると船越湾が一望できる。



温泉に入り三陸の海の幸を堪能。

アワビの刺身が絶品

南部鼻曲がり鮭の軟骨のなます(氷頭:ひず)がまた何とも言えないほど酒に合う。

生鮭の頭を2つに割った時、鼻の部分にある軟骨で薄切りにし、塩で少ししめ、酢に2〜3時間漬けた珍味。 ...

隣り合わせの方は、二組が偶然に年末に行った小千谷市の出身。

小学校まで々との事で盛り上がる。

地震では実家が大被害を受け両家とも建て直したそうだ。

部屋に帰ってベランダに出ると満月が素晴らしい。

遠くでイカ釣り船の灯がキラキラしている。

朝起きると今日もいい天気。

まだ沖にはイカ釣船の灯が見える。



早朝の露天風呂に入って日の出を待つ。

素晴らしい朝日が昇る。



朝食の後海岸を散歩しゆっくりして9時に出発。



山田湾に出ると沢山のカキの養殖筏が見える。

生食用カキの出荷は日本一らしい。

昨年末来のノロウィルスのため風評被害を受けているとか。

峠を越えると津軽石川に沿って走る。

この川は名の通り石がゴロゴロしている川で、南部鼻曲がり鮭の産地。

鮭が遡上する時岩の苔などを食べる時鼻が岩に当たり、鼻が曲がり、南部鼻曲がり鮭と呼ばれる。

伊達の殿様に鮭を献上した所「なんと南部の鮭は鼻の曲がっている事よのう」

と言われたのが起源だとか..

今回のツアーはバスガイドさんが居て、色々な地方の珍しい事を色々話してくれるので楽しい。



やがて本州最東端の町、宮古市(人口6万人)の港に着く。大きな港で魚市場も大きい。



やがて浄土ヶ浜に着く。

9時47分。

停まっているトラックは銘菓かもめの玉子。この辺ではあちこちで見る。



浄土ヶ浜は、思っていた以上にスケールが大きくて素晴らしい。

ゆっくり見物してから、ウミネコ遊覧船まで歩く。



此処へは宮沢賢治も良く訪れたらしい。



まるでアルプスの様な岩群

石英粗面岩の為白く見える。



海面がキラキラ輝いている。



ウミネコ観光船浄土ヶ浜島巡りコースに出発。一人1100円。



ローソク岩などの奇岩が見渡せる。

海から見た浄土が岩などの景勝は素晴らしい。



やがてウミネコが観光船を追いかけてきて餌をねだる。

海藻パンが一個100円。

手に持ったり空中に投げると上手くウミネコがくわえていく。



潮吹き穴からは波の作用で海水が吹き上がる。

今日は波が静かなので迫力がない。



一周して帰ってくると沖あいに灯台が見えるあれが「喜びも悲しみも..」で有名な

本州最東端の灯台トドヶ崎灯台か?

でもトドヶ崎灯台はあんな上にはないはず??

40分で一周し港に着く。

此処のレストハウスで昼食。

冬季は休業のレストランだがツアー客用に開店?

さっぱめしなる物をいただく。さっぱとは、磯漁で使われる小さい釣り船の事らしい。

このさっぱめしがすごい。アワビの煮汁で炊き込んだウニめしの美味いこと。

今日は特別に車海老も混ぜてあるとか。

ばあちゃん手作り味噌汁も絶品。

今日は市場が休みだからと近所の漁師から手に入れたという食材は新鮮で最高。

今朝のイカ釣り船で釣り上げたばかりのスルメイカは醤油を付けるのがもったいない位ぷりぷりで甘い。

此処のご主人は、服部調理師専門学校の卒業生みたいで、定期的に行われるコンテストで

、イカの沖漬けがグランプリをとったとか。その塩漬けをいただくこれまた絶品。

これがあればいくらでもご飯が進みそう。

サザエの粕漬けも甘エビも美味しいことこの上ない。

生ものが嫌いな家内も喜んで食べている。

食べるのに夢中で写真を撮るのを忘れました。

こんな料理がまとめてでてくると想像してください。



此処のご主人は商売が上手。

「6人の子供がいて、ひもじい生活をしています。是非お土産に買っていってください」

先ほどのイカの沖付けとサザエの粕漬けの販売。一個1000円。

私も沖漬けを購入したがこのツアーの人達は太っ腹。

一人で10個も買っている人が居て、5個買う人も多い。あっと言う間に売り切れ。



外のベランダでは鼻曲がり鮭の薫製を仕込み中。

この鮭は河口で採ったので鼻曲がりが少ないそう。

川の上流ほど曲がっているそうだ。



宮古湾海戦の説明板がある。

明治2年に土方歳三をを始めとする新撰組や彰義隊が乗り組んだ「回天」が

東郷平八郎率いる政府軍の「甲鉄」を奪おうとしたが破れたとの事。

そんな話し初めて聞くなあ?

知らないのは私だけ?



北山崎に向かって出発。

この辺は昔大津波があってすごい被害を出したそうだ。

その為河川には大きな潮止めめ水門が作られている。

三陸鉄道北リアス線の車両をかたどった水門がある。

三陸鉄道に沿っていく。

「カルボナード島越」とか「カンパネルラ田野畑」とかの駅を過ぎる。

宮沢賢治はこの地では大変人気がある。

当たり前か?



13時30分北山崎に着く。

この辺はアイヌの人が多く住んでたらしくアイヌの伝説が沢山残っているそうだ。

「ぶすのこぶ」とはこの辺の銘菓らしい。



北山崎の絶景



時間があったので海岸まで下りようと思ったが719段の階段なので諦める。

断崖絶壁の眺めを楽しむ。



三陸海岸ともこれでお別れ。

14時出発。



田野畑まで引き返し、国道455号小本街道を北上山地をまた横断していく。

岩泉の龍泉洞を過ぎ標高916mの早坂高原で休憩。

シラカバの林が美しい。

ここは南部牛追い歌の発祥の地らしい。

昔はこの峠を越えて盛岡と陸中との間を、海の幸と米などの物資を積んだ牛が行き交いしたという。

地元出身のバスガイドか南部牛追い歌を披露。

「ひゃらほー ..」と始まる牛追い歌は堂々として聞き応えがある。

みんなからヤンヤの喝采。



今年は雪が少ないけれどいつもは何bも積雪があり大変寒い所だそうだ。

家々の屋は雨樋が無く軒先には薪が積み上げられている。

一日中暖を取るにはやはり薪が最適だそうだ。

薪が多く整然と積まれているほど豊かで立派な家だと言う。

やがて岩洞湖の横を通る。

この湖はアースロークダムのダム湖でワカサギ釣りで有名。

しかし今年は少しばかりしか凍結していない為、ワカサギ釣りなどとても出来ない状態。

ドンドン下り本土で一番寒いと言われている岩洞地区に入る。

外山ダムまで来るとまたバスガイドが外山節を始める。

みんな手拍子で大いに盛り上がる。

長時間バスに乗っていても楽しい一時を過ごす。

盛岡市内を越えて、秋田新幹の線路を眼下に見ながらまた山の中に入っていく。

去年は此処で秋田新幹線が豪雪の為立ち往生したらしいが、今年は大丈夫。



暗闇に岩手山の姿が見え始める。

小岩井農場への道を登り、5時26分雫石のホテル着。

このホテルは温泉遺産に登録されている源泉垂れ流し温泉が有名。

ゆったりと体を休める。

露天風呂しかないのが特徴。

熱めのお湯と冷たい空気が気持ちよい。

ホテルの裏は直ぐゲレンデ。

地酒を飲みながら滑るのを見ていた。

私も何十年か前まで良くスキーをしたものだけど...

今では滑れるかどうか?

10時を過ぎても大勢滑っていた。



朝6時前に目が覚める。

外を見るともう大勢滑っている。

温泉に入っていると朝日が昇った。今日も快晴だ。

小岩井牛乳とヨーグルトは味が濃くて絶品。



9時半出発なのでゆっくりと時間を過ごす。



裏のゴルフ場から岩手山が真正面に見える。

雪は少ないが美しい姿をしている。



雫石のホテルを出て田沢湖に向かう。

バスの窓から岩手山に別れを告げる。

秋田県側にはいると正面に秋田駒ヶ岳の姿が..

県境のトンネルを越すと田沢湖は近い。



10時20分田沢湖着。

この湖は日本一深い湖。

なんと深さ423mもあり、その底は海抜−170mらしい。

その為湖底は暖かく凍結しないそうだ。

カルデラ湖らしいが、どうして出来たかは不明らしい。



田沢湖は摩周湖の様に神秘的な湖だろうと思いこんでいたが、砂浜が広く漠然と広い湖。

一寸期待はずれ。

振り返ると秋田駒ヶ岳の天辺がかろうじて見える。



地酒の試飲などしてから出発。

湖を半周していくと辰子姫神社



更に進むと辰子姫の黄金の像がある。



辰子姫の向こうには田沢湖を圧する様に雄大な秋田駒ヶ岳の姿。

その左奥には乳頭山。更に左には八幡平へと続く山並み。

岩手山は秋田駒ヶ岳の向こうに隠れている。



田沢湖に別れを告げて角館に向かう。

雪のない角館は一寸期待はずれ。

やはり桜や紅葉の時期が素晴らしいだろう。



一番立派な青柳家。見物料500円。



石黒家を見学300円。



石黒家の建物は角館では一番古いらしい。

明治大正と輿入れした時の打ち掛けの展示。



外見の藁葺きからは想像できない、立派な倉が2つもある。



欄間も凝った造り影が美しい。





岩橋家は本日見学無料。

語り部が昔話をしていた。

角館の武家屋敷や樹木は雪害防止の為、板が張り巡らされていて情緒に欠ける。



何と此処は「たそがれ清兵衛」のロケが行われた家らしい。



檜木内川の土手には染井吉野の古木の並木。

5月初旬には素晴らしい花を咲かせるそうだ。

武家屋敷周辺の枝垂れ桜と共に大勢の花見客が訪れるとか。



またぎ料理の店で鴨鍋の昼食。

量が多くて腹一杯。

此処の庭園はりっは。

杉の木の様な化石があった。



出発して大仙市中仙を通るとバスガイドから此処は秋田民謡ドンパン節発祥の地であるとの説明。

早速ドンパン節を歌い始める。

ドンドンパンパン ドンパンパン
ドンドンパンパン ドンパンパン
ドドパパ ドドパパ ドンパンパ

自慢コ言うなら 負けないぞ
米コ本場で 酒本場
秋田のフキなら 日本一
小野小町の 出たところ

歌詞は歌う人によりかなり異なっている様だ。

みんな手拍子で大はしゃぎ。

最後はバス中大合唱。

大曲市を抜けて秋田道横手ICより高速に乗る。

錦秋湖で休憩し新幹線北上駅には4時前に着く。



新幹線北上駅駅舎で陸奥芸能祭りの人形などを楽しみ、4時29分発のやまびこに乗り東京駅に7時14分着。

新春の東北路の旅は終わった。

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