冬の里山 生籐山 2007/1/13

− 岩楯尾神社 〜 三国山 〜 生籐山 〜 茅丸 〜 蓮行峰 大ゾウリ山 〜 醍醐丸 〜 和田峠 〜 

陣馬山 〜 一ノ尾根 〜 藤野駅 −

ちょっと昔の仲間と一杯やって帰ってくると家内が山歩きの用意をしている。

私は明日はゆっくりとくつろぐ予定であった。

しかし、こうなればどこかの山歩きを計画しなければならない。

公共機関で行くことの出来る山は残り少なくなった。

手軽な山で登り残しているのに生籐山がある。

先週の大岳山からもよく見えたし、陣馬山に登った時、目の前にどっしりとした山並みが見えて気になっていた。



− 陣馬山からの生籐山(三角錐のピークは茅丸1019m) −

桜の名所だとのことだが、木の葉の落ちたこの時期も良いかも知れない。

新宿発6時44分の特別快速で出発。

生籐山近辺の地図

この便は、高尾での乗り継ぎに20分ほどの時間がある。

家内をホームに残しトイレに行って帰ってくると、家内が誰かと話をしている。

なんと高知に行っているはずのむーみんさんだった。

エントツ山さんの掲示板で良くお見かけする。

先週は笹ヶ峰に登られていたはずだ。

高知から帰ってきて直ぐに、関東の山の会での山歩きに参加されたらしい。

お話しをお伺いすると、なんと今日は私達と同じ生籐山に登るとのこと。

しかも上野原からの出発! 偶然とは不思議なものだ。

上野原駅で家内と並んで記念撮影して8時28分発の富士急山梨バスで出発。

むーみんさん、勝手に写真載せてゴメンね。

この時間は色々な山に登る為のバスが立て続けに出発する。



むーみんさん達は終点の井戸から登るらしい。

私達はその手前の石楯尾神社から登る。

頂上でお会いできるかな?



超満員のバスは、あっと言う間に8時42分石楯尾神社到着。

とても由緒のある神社のよう。

大和武尊の東征の時に、天の磐楯をこの地に鎮め、石楯尾神社と称した。

祭神は神倭磐余彦尊(かむやまといわあれひこのみこと)(神武天皇)。

764年当地出身の石村石楯と妻藤姫を合祀する

関東には日本武尊の言い伝えが非常に多いなあ..

ちなみに此処は上岩の辻。これから登る山道の標識ではすべて上岩と記されているので注意が必要。

家内がトイレに行っている間に神社の写真を撮ろうと思っていたら、

バスから一緒に降りた男性二人連れに話しかけられる。

生籐山から北へ上川乗のバス停まで縦走するそうだ。

桜の時期の素晴らしさ。特に甘草水の桜の花の間から見る富士山は最高だとか色々説明してくれる。

おかげでいつの間にか出発している家内にせかされる羽目になり、神社の写真は撮れなかった。

今日同じバスで下りたのはおばちゃん3人組と男性二人組そして私達の7人だけ。

満員の登山客はみんな井戸まで行ってしまった。



此処で標高407m

8時47分標識に従って右へと舗装路を上がっていく。

畑に霜が降りていて清々しい。



6分ほど行くと、左に生籐山の標識に従って入っていく。

9時2分。営林小屋がある所に山の神が祭られている。



山の神の右に朽ちかけた標識がある。

此処から右へと山道に入る。

しばらく行くと先ほど別れた舗装路に出て、直ぐに正面から山道に入る。



鬱蒼とした杉や檜の中を、ジグザグに道は続く。

きついと言うほどでもないが、今日も家内のペースは早い。

バス停で一緒だった人達を遙かに引き離しグングンと行く。

私は今日も付いていくのに精一杯。

汗がしたたり落ちる。

明るくなると鎌沢から続く稜線に出る。此処は佐野川峠。

9時31分。

此処でジャンパーを脱ぎ汗をぬぐう。



若い男性が二人通り過ぎていく。

道祖神の先で下岩、御霊からの道が交わる。

此処からは、うって変わって緩やかな道。



先ほどの二人の男性を抜き返し、ミヤコザサの茂る快適な道を行く。

明るい所に出ると桜の広場に出る。

9時47分。



桜の老木の間から素晴らしい景色が広がる。

雪を被った山屋あの尖った山は何だろう等としばし見とれる。



此処から三国山までは0.7qもうすぐだ。

甘草水(かんぞうみず)の説明の看板がある。

日本武尊東征の伝説を秘めた由緒正しい?水場らしい?

この甘草水の一滴が佐野川から相模湖、相模川となって太平洋に注いでいるという。

つまり相模川の源流と言うことらしい。



看板に見入っていたら家内が歓声を上げた。

左後ろに突然姿を現したかのように、白く輝く富士山の姿が..

此処がバス停であった人が言っていた、桜の花の間から富士山を望むポイントらしい。

しばし美しい姿に見とれる。



此処から右に100m入ると甘草水があるらしいが、富士に見とれていて寄るのを忘れた。

檜の植林地帯を行くと、軍刀利神社からの道と交わる。

バスの終点の井戸から登ると此処に出てくるはずだ。

9時56分。



神奈川県と山梨県境の稜線を行く。左からの主尾根と交わり右へと行く。

ミズナラの林となり木々の間から山が見える。

この左は東京都だ。



明るい尾根を歩くのは気持ちが良い。



生籐山からの巻き道(この縦走路のピークには全て巻き道がある)の看板を過ぎて登って行くと祠がある。



振り返ると正面に富士山が美しい。

三国山は直ぐ目の前。



左を見ると、熊倉山から浅間峠への稜線が続く。

むーみんさん達は此処を下りていくようだ。

その先には土俵山、丸山、槇割山へと笹尾根が続き、三頭山(中央に少し霞んでいる山)1528mへと続く。

この尾根も素晴らしい所だと聞く。

その奥は奥多摩の山々が連なっている。



雁ヶ腹摺山方向



大菩薩嶺方向



景色を楽しみながら三国山山頂に着く。960m。

10時4分。

此処は神奈川県、山梨県、東京都の国境。



頂上は西側の景色が素晴らしい。

ベンチがありゆっくりと景色を楽しむことが出来る。

左から御正体山、富士山、そしてその手前は今倉山から二十六夜山へ続く稜線。

その向こうは杓子山か。

そしてピークが二つ見える山が三つ峠。三つ峠の右は御坂山塊。

その手前が扇山。

扇山の右に白く見えるのは南アルプスの聖山、赤石岳、荒川岳。

一番右に見える尖り山は滝子山。



少し目線を北に移動して三つ峠から続く山並み。

正面の立派な山は権現山

その右奥に雁ヶ腹摺山や黒岳

そしてその右に小金沢山2014m。そして大菩薩嶺と続く。



滝子山の左に見える、南アルプスの白峰三兄弟。



男性が一人登ってきた。



十分に景色を楽しみ、記念撮影後下山。



行く手に見えるのは陣馬山か?



三頭山から笹尾根を経由して生籐山、陣馬山、そして嵐山へと続く関東ふれあいの道の看板。



少し下って、急登をよじ登ると、あっと言う間に生籐山山頂。990m。

10時12分着。

出発して1時間25分。以外とあっけなく着いてしまった。

最初の尾根までは辛かったが、後は楽な道程だった。



此処からも西方向の眺望は素晴らしい。

でも既に富士山は少し霞み始めている。

気温がグングン上がっている所為だろう。



先着していた若い女性と交代にベンチに座る。

和田バス停から登ってきてまた帰るという。



富士山や南アルプスを眺めながら行動食タイム。

滝子山はこうしてみると良い姿をしているなあ。



二等三角点がある。

しばらくゆっくりしたが、むーみんさんのパーティは未だ到着しない。

もう一度お会いしたかったが、先が長いので出発することにする。



10時22分。

しばらく快適なリョウブの林の中を行く。

突然岩の急な下りになりリョウブの木に掴まりながら下る。



一旦下り巻き道に会うと茅丸への登り。

10時39分茅丸1019mの頂上に着く。

この山は生籐山よりも高く、陣馬山などから見ても一番目立つピークを持っているが、

三角点が生籐山にある為、損をしている。

この辺から山岳マラソンの練習の若者達と何人か出会う。

この道は、10月に行われる日本山岳耐久レース(主催:東京都山岳連盟)のコースとなっている。

ヒマラヤ等の世界の山岳を目指すクライマーの登竜門として、

山岳の71
.5kmを昼夜にわたる24時間以内に完走する強い身体に鍛えているかを試す、

スピードと耐久を競うレース(競走)。

 東京都あきるの市の五日市駅近くをスタート、ゴール(海抜170m)にして、

市道山(
795m)、生藤山(990m)、三頭山(1527m)、御前山(1405m)、大岳山(1266m)

御岳山(
929)を一周縦走するコース。

8sほどの荷物(水食料を持たなければならない)を背負って、早い人は8時間ほどで走り抜くそうだ。

1300人位が参加して、24時間以内に完走するのは900人位らしい。

それにしても私達には想像できない。



醍醐丸に向けて良く整備された尾根道を行く。

両側はかなり切り立った細い道だが、リョウブやミズナラの素敵な林の中を行くのは気持ちが良い。



振り返ると茅丸が美しい。

此処から陣馬下バス停までqの道標。

反対に上川乗までは6.7q以外と近い。



柏木野への分岐を過ぎて階段道を登る。



蓮行山1010mに10時56分着。

ベンチはあるが見晴らしは悪い。

リョウブの林が続く。



下りになるとリョウブの素晴らしい大木が何本かある。



ブナやミズナラの純林の中を気持ちよく下っていく。

こんなに下って良いのと思うほど下っていくと、正面に陣馬山が大きくなってくる。



陣馬山山頂の茶店が見える。

白馬は頭の部分だけ飛び出している。

和田バス停まで1.8qの分岐を過ぎる。

11時25分。



ブナやミズナラの間に、檜の植林が多くなってくると、和田峠2.3qの分岐。

前を行っていた人は、此処から巻いて行ってしまった。



稜線を真っ直ぐ行くと、かなりの登りになり醍醐丸に着いたかと思ったら、此処は大ゾウリ山837m。

急な階段混じりの道を下る。



再度登りとなり、醍醐丸へ到着。

11時58分。

此処から山岳マラソン路は市道山へと左に下っている。



正面に大岳山がそびえている。

御前山からの稜線そして馬頭刈尾根が美しく延びている。

此処で昼食とする。

しかし、南側が植林となっており、かなり冷える。

地面は霜柱の為に浮き上がってしまっている。



此処は八王子市最高峰らしい。

食後の珈琲を飲み干して出発。

直ぐに醍醐峠に着く。



もう登りはないかと思っていたのにまた少し登る。




3本絡んだ立派な桜の木の下に祠がある。



グングン下ると車道に出る。

此処からほんの少しで和田峠。

12時48分着。



トイレをお借りして陣馬山に向かう。



200mも無い登りだが、この階段道は足に応える。

一歩一歩踏みしめながら登る。

前に来た時は階段がひどくエグレていたが修復されている。

13時10分陣馬山到着。



お決まりの白馬と一緒に記念撮影。

都心方向はもう霞んでいる。



歩いてきた山並みを眺める。

富士山は既にボンヤリと霞んでしまっている。



茶店のベンチで缶ビールを購入。400円。

家内はホットコーヒー。250円。

歩いてきた山並みが素晴らしく美しく感じる。

今まで何回かこの山並みを眺めたことがあるが、やはり自分の足で歩いた後だと、また格別の感がする。



ピークの一番高いのは茅丸。

生籐山や三国山はその左後ろに少し覗いているだけ。

その後ろに頭を出しているのは三頭山。

ビールを飲み干して一ノ尾根から下る。

13時37分。

少しゆっくりしすぎた。



一ノ尾根を下るのは気持ちが良い。

最初は霜柱で道が荒れていたが、後は落ち葉が深く積もり素晴らしい道。



団体が大勢いたが、みんな和田のバス停に下っていって後は私達だけ。



落合の里まで下りてくると畑にはホトケノザやオオイヌノフグリが咲き始めている。

春がもうすぐやってきて、沢山の山野草の咲く季節となる。楽しみだ。



15時に車道に出て後は淡々と歩き続ける。

トンネル手前からの登りは何時来ても嫌だ。

トンネル入り口に津久井町、城山町、相模湖町と、藤野町とが合併し新相模原市となるとのポスターがある。



怖いトンネルを越えて藤野駅に来ると3時30分。

電車は24分に出てしまった後だった。

前のスーパーで日本酒を購入。

ベンチで待っていると和田バス停から登山客を乗せたバスがやってきて大勢下りた。




正面の丹沢山系は白く冠雪していた。



3時59分にやってきた東京行きの快速電車は、最近レビューしたE233系。

なんと中央線の快速電車では27年ぶりの新車両だそうだ。

一番前に乗ると高尾から大勢の子供達が乗ってきた。

電車好きの子供達だろう。運転席を覗き込んだり行き先表示板を見たり楽しそう。

そう言えば、うちの子供もそんな時期があったなあ。

今日は前から気になっていた生籐山を縦走することも出来たし、むーみんさんともお会いできた。

何よりも天気が良くて富士山が美しく見えたのはラッキーだった。





総歩行距離15.8q

累計標高差 +1325m −1520m