里山の夏 高丸山1439m 雲早山1496m 2007/6/11
高丸山 〜 雲早山往復縦走 敢えなく撤退         

長期旅行を目前にして怪我などはしたくない。

今日も近くの手軽な山を散策しよう。

そう言えば高丸山には随分と行っていない。

以前徳島に住んでいた時は、四季折々大きなカメラを提げて登ったものだ。

私の大好きな山でもある。

ブナやカエデの芽吹きの時が最高だが時期的に少し遅い。しかし素敵な新緑を楽しむ事が出来るだろう。

朝6時に家を出発。

途中、旭自然教育センターの近くに、千年の森ふれあい館の看板を通過。

こんな所にあったんだ。

上勝町近辺の地図

7時30分に千年の森駐車場到着。



以前、最後に訪れた時には林道は舗装工事の準備中だった。

この駐車場も重機が入り、いったい何が出来るのだろうかと不思議に思ったものだ。

この駐車場が出来たのが平成13年との事なので、もう6年以上も来ていない事になる。

先客はCRV一台。

駐車場の向こうに高丸山を仰ぐ。やっぱりずんぐりまん丸な山だ。



7時40分出発。

コガクウツギの花が咲き始めている。



テンナンショウも未だ元気。他の山では既に実になりかけているのに。

コンクリートの道を黙々と行く。



前には見かけなかった標識。

三つ尾の峠とは?

林道が左へ登って行っている。

車止めのチェーンがあった。

フタリシズカがビッシリと咲いている。



水場に着き山荘には向かわずに直ぐに左へと登って行く。

高丸山頂まで1100mの標識がある。



開けた所に来る。

シラカバが植えられている。

ここが三つ尾の峠らしい。

水場を通らずに、先ほどの分岐から此処へと登るルートが出来ているのかな?

左へと行くと第二展望台。右へと行く。



薄暗いスズタケの中を行く。

フタリシズカが賑やかに咲いている。



神社からの道が合わさり左へと登る。

コツクバネウツギの花が可愛い。



岩場の少し急になった道を登りきると展望所。

昔は此処に椅子があったが今はない。

眼下に駐車場を見下ろす事が出来る。

ミツバツツジが多かったはずだが花は咲いていない。



旭ノ丸の三角錐の向こうには吉野川の流れが見える。



また急坂を踏ん張ると高丸山山頂。

8時25分。



山頂は昔と全く変わっていない。

CRVの人達は居ないのでもう下山したのか雲早山まで縦走したのか?



雲早山方向はガスが巻いている。

今日はのんびりとブナの新緑を楽しんで後は月ヶ谷温泉でゆっくりする予定。

しかし家内は雲早山方向への縦走路を探している。

実は5月に千年の森の企画で雲早山から高丸山への縦走ツアーがあった。

しかし気が付いた時には申込期限を過ぎていた。

その後LiveNatureさんが雲早山から高丸山まで往復縦走をされたとも聞いた。

カシミールで見ると往復で11q程度。

しかし皆さんのレポートを見ると片道で4時間半掛かっている人もいるし、往復で4時間位の人もいる。

片道で4時間半だと往復で9時間も掛かる事になる。

11qにしては掛かりすぎ。

険しい所があるのだろうか?



今日は縦走の予定ではなかったので資料も持ってきていない。

思案の末、2時間半歩いて雲早山まで到着しなければそこから引き返す事にする。

8時32分出発。

しかしいきなり背丈より高いスズタケのブッシュ。

しかも朝露に濡れてビショビショ。

私は半袖シャツなので堪らず雨合羽を着用。

笹がやっと少なくなるとツツジの灌木の間を少し登る。



開けたピークに出る。

左には西三子山。其処へと続くらしい道がある。

西には深いへんど谷、菊千代谷の向こうに高城山がそびえている。

高城山の山頂にはガスがすごい勢いで流れている。



正面の雲早山方向はガスが濃い。

ここから縦走路はかなり落ち込んでいるらしくて見えない。



濡れてジュルジュルになった道を下る。

踏み跡はしっかりしているが気を抜けない道を注意しながら下る。



足下に白い花弁が沢山落ちている。

見上げるとシロヤシオの花が咲いている。

もうほとんど散っているが白い気品のある花だ。

もう少し早い時期だと綺麗だっただろう。



益々道は悪くなり、どのくらい下るのか解らない。

これから先ヤセオネもあるそうなので此処で撤退する事にする。

資料を整えて再度挑戦したい。

後で調べると標高差で200m位下りると鞍部に着いたらしい。



また頂上まで引き返し眺望を楽しむ。

八重地の谷の向こうには竜峠などの山並みが連なる。



高城山の左奥には天神丸の向こうに剣山が見えているはずだが..

平家平や権田山はどの山だろうか?



雲早山や高城山のガスが少なくなって天気が良くなりそう。



南には上那賀の山並みが続く。



9時23分下山開始。

ヤマツツジが咲き残って濃い赤色が目立つ。



リョウブやヒメシャラの林の中を下る。

もう少しすると白い花を咲かせるのだろう。



植林地帯を下ると旗立ての標識



谷に来ると、紅葉やブナの大木の新緑が美しい。

ホウノキがいつの間にか大木となっている。



ブナの古木は上半分が折れてしまっていた。

折れた所からも新しい芽が出ている。






ブナの萌える芽吹きの時期は終わっているが濃い緑と淡い緑のコントラストも美しい。



ブナの下層にはシロモジが多く生育している。



高丸山荘





イチイの大木



苔むした広場は木が伐採されて昔とは雰囲気が変わっている。



緑のシャワーを浴びてのんびりと歩く。





右は丸い葉のカツラの木



右の変わった葉の木は最近植樹されたのか道沿いに並んで生えていた。



水場で顔を洗いふと見るとヤッホー地蔵の古いタイプ

登山口に帰るとヤブウツギとウツギの花が満開。

10時34分。



今登ってきた高丸山を振り返る。

朝のCRVが未だあった。

やはり縦走している様だ。

未だお昼には早いが駐車場の景色の良い所で昼食にしようと座り込むと家内が不満そう。

これから雲早山にも登りたいと言う。

これは大変だ。

八重地トンネルを抜けて西三子山を回り込んで大釜の滝を少し見学。

スーパー林道に入り雲早山登山口に11時40分着。



登山口にはX−trailとCRVが駐車中。

噂には聞いていた新しい鳥居をくぐり登山開始。



沢沿いの道は崩れていると聞いた事があるが少し上側を巻く様に新しい道が整備されている。



沢を渡りながら行くとクルマムグラやヒメレンゲの花が密やかに咲いている。



沢筋を離れ石の多い庭園と呼ばれていた所を登って行くが昔ほどの情緒はない。



やがて左に明るい稜線が見えるが稜線には向かわずに右へとジグザグに登って行く。

前は殆ど一直線に登った記憶があるが道が整備されていて登りやすい。

タニギキョウの花が可憐に咲いている。



突然ガサッと音がして白い物が目の前を横切る。

何かと思ったら鹿のお尻だった。

目を合わせても別段驚く風もなく草を食べ続けている。

ものすごい食欲。

バンビの模様が残っているので未だ子鹿なのかも知れない。



振り返り、シカを見ながら登ると12時25分高丸山分岐に到着。

そのまま右へと雲早山頂上を目指す。



大木が倒れているのをくぐり行くが昔の古い鳥居はなくなっていた。

左に高丸山への縦走路が見える様になると頂上到着。

12時37分。



正面に高城山。剣山はその後ろに隠れているのかも?

高城山の左に石立山がぴょこんと顔を出している。



直ぐ西南には特徴有る西三子山



高丸山への縦走路全景。こうしてみるとそう厳しいところもないように見える。




遠く山並みの向こうには吉野川や徳島の市街そして紀伊水道まで見えている。



昼食にしようと思ったが相変わらず虫が多い。

少し下って大岩の上で食事にする。

食後分岐まで戻り高丸山への縦走路を偵察。

良く踏まれた道が続いている。



ツツジやシャクナゲなどの灌木は多いが歩きやすいなだらかな道。

こちらから縦走スタートしていれば最後まで行ったかも?



シロモジの可愛い芽生え



途中で展望の良い所に出る。

高城山から砥石権現への稜線が美しい。



砥石権現の右のとんがりは東宮山

また元来た道を引き返す。



沢筋に来ると若い男性二人と女性一人が登ってくる。

若いので跳ね飛ぶ様に沢を筋を登って行く。



登山口について湧き水で顔を洗いふと見るとガマズミかな?

大木の白い花が陽に輝いている。

でっかい木だ。



駐車場14時10分。

X−trailはもう居なくなっていた。

往復縦走から帰ったのだろうか?

デリカは先ほどの若い人達のだろう。

CRVは未だ残っているので縦走用のデポ車かも知れない。

雲早トンネルに向かうと朝、高丸山駐車場に停まっていたシルバーのCRVがやって来た。

成る程高丸山に一台デポして雲早山から縦走したのだなあ。

仲間がいれば縦走も楽だなあ。

雲早トンネルから神山温泉へ。

ゆっくり温泉で過ごし帰途に着く。

今回は十分な下調べもしなかった為に縦走する事は出来なかった。

次回準備を整えて再チャレンジしてみたい。