里山の春 ファガスの森〜砥石権現 2007/5/4
アケボノツツジを求めて素敵なファガス(ブナ)の森を歩く 


明日の5月5日は高丸山の山開きに行く予定にしていた。

素敵なブナの新緑と豪快な御神輿を楽しみにしていた。

所が雨の予報となった。

一日前倒しにして今日行こうかと相談すると家内が乗り気ではない。

こういう時は一寸手こずる。

それでは雲早山に行こうかと出発する。

雲早山周辺地図

昨日走った野間殿川林道を走り柴小屋山も通過。

旭ノ丸からスーパー林道へ上勝分岐を過ぎてダートを快調に走る。

いよいよ雲早山が近くなった時「砥石権現に行きたい」と家内が言い出す。

こんな時に逆らってはいけない。

雲早山登山口をパスして土須峠までやって来た。

岳人の森から登るものと思っていたら、ファガスの森から登ると言う。

??

何か自分で分県ガイドを調べているみたい。

ファガスの森には一番乗り。


                              拡大地図
       
近辺の1/50000地図を見ても砥石権現の山名はない。

ファガスの森の直ぐ北に1457mのピークがあるのがそうかな?

何しろ何も下準備をしていないので砥石権現の標高がいくらあるかも知らない。

周辺地図にも砥石権現は載っていない。

その内に管理人さんが扉を開け始めた。

「砥石権現に行きたい」と言うと、「此処からでは遠いよ。40〜50分掛かるよ」

??

とにかく裏の高城山登山口から逆に右へと登って行く。

8時16分



入り口にブナ幼木育成林の古い標識がある。

コミヤマカタバミが一杯咲いている。

キョロキョロしていたら踏み跡が無くなった。

急斜面をよじ登る。



やっと稜線に乗るとシロモジの花が満開(実はシロモジとクロモジの違いが良く解らない。葉が有れば解るんだけど)

(花だけ咲きに咲いているのはシロモジらしい。クロモジは葉と花が同時)

とても良い雰囲気となる。



オオカメノキの花が咲き始めている。

ガクアジサイの様な真っ白な花が綺麗。



緩やかな所に来るとブナの巨木が多くなる。

そう言えばファガスの森とはブナの森の事だなあ..



ブナの実生が出始めていた。

去年の春は一杯有ったのに、昨秋のブナのどんぐりが少なかったせいか今年はほんの少し。

ヒメシャラの巨木もブナに混じっている。



踏み跡はほとんど無いが稜線に従っていけば間違いないだろう。



タムシバが未だ咲き残っている。

馬酔木は殆ど散っている。



立派なブナが多い。



ヒメシャラがイヤに曲がって生えている。

初夏には美しい花を咲かせる事だろう。



登りきると山陽国策パルプの石柱がある。

ここが川井峠への道との分岐点。

右へと直角に曲がる。



見晴らしの良い所に出る。

向こうの山はなんだろう?

多分高越山だと思う。

此処から下ると鮎喰川の源流地点とのテープがあった。

目の前に大きなピークが見える。

あれが1457mのピーかな?



足下には鹿などの野生動物の糞が一杯。

ブナの広場にはブナのどんぐりが一面に散らばっている。

今までこんなに沢山のブナの実が残っているのは見た事がない。

昨秋は不作だったはずなのに..

しかもこんなに野生動物の痕跡が濃い所なのに食べ残されているとは。

鹿はブナの実を食べないのかな?



一旦下って登って行くとカラマツの林となる。

芽吹きが美しい。



ブナやヒメシャラの倒木が多い。

余り人が通らないのか踏み跡も少ない。

ガレ場から東宮山らしいとんがりが見える。あの左が川井峠だろう。



素晴らしいブナの林が続く。



ピークの辺りでは大きなブナが倒れていた。



これはやはりシロモジかなあ?



シロモジ?咲き乱れる林の中を下って行く。



9時12分。

ピークには何もない。

そのまま下って行く。



ヒメシャラとシロモジ



ドンドン下ると岩場に出る。

見晴らしが素晴らしい。

のんびりとコーヒーブレイク。



シハイスミレが気持ちを和ませてくれる。



貫禄のある古木の間を下りていく。



突然赤テープが多くなる。

初めて道標発見。

やはり砥石権現は未だ先にある様だ。

オオカメノキが多い。



9時50分。陽だまりのコルに来ると山野草が多く咲いている。

ワチガイソウやサワハコベ、エイザンスミレが多い。





色々な野草が混ざって花園となっている。



コミヤマカタバミとジロボウエンゴサクかな。



小さな花。ブナの実の殻と比べてね。



右からはスーパー林道から登れる道があるのだろう。

赤テープがすごい。

ヤブレガサの群落もある。

テンナンショウ?は花の部分が無くなっている。

鹿が食べてしまうらしい。



此処からは良く歩かれている道を上がる。

結構急坂。



最初カタクリは葉ばかり。

その内にポツポツと花が咲いている。

登りきると道が左右に分かれている。

赤テープは左右にある。良く解らないが右へと行くことにする。

この分岐は気を付けないと帰りに見落としそう。



カタクリの花がとても綺麗。



緩やかな道を行くと砥石権現まで15分。岳人の森まで75分の標識。

「アケボノツツジ直ぐ其処」の標識につられて行ってみる。しかし「直ぐ其処」には咲いていなくて引き返す。



また少し急坂を登る。



10時34分砥石権現頂上着。

先客が3名居た。

ご夫婦と若い男性。

ご夫婦は「藪歩きが大好きだが最近藪が少なくてねえ」などと話している。

藪好きなご夫婦と言えばwaiwaiさんだが、まさかこんな所にはねえ...



ファガスの森へは2時間30分と書いてある。

岳人の森へは1時間で下りる事が出来る様だ。

看板の下にキティ山岳会の頂上標識。

HP上でよく見るが現物は初めて。

最近の物の様。



お馴染みのヤッホー地蔵も..

1375mの三角点で記念撮影。



岳人の森方向には可愛いリボンが..

突然「藪好きの奥さん」が側にやってきて「この下にアケボノツツジが綺麗ですよ」と教えてくれた。



5分ほど下って岩場に出る。



目の覚める様なアケボノツツジが岩場の下に咲いている。

未だ蕾も多い。



正面には高城山のレーダードーム。



左には雲早山と西三子山

少し早いがお弁当にする。

アケボノツツジの下で食べるおにぎりは最高。

ゆっくりしていると大きな三脚を持ったご夫婦が登ってきた。

岳人の森から来られた様だ。

少しお話しをしてから引き上げる。



下山路の先に尖りピークが見える。

あの山は何だろう?ねと話しながら登り返し11時17分砥石権現頂上通過。



花の中心部の黄色が目立つコミヤマカタバミ?発見。



何気なく下って行ったら突然大岩に行く手を阻まれる。

あれっ来た時はこんな岩無かった様な?

赤テープが岩の左を巻く様に付いている。

しかしどうも変。

「そう言えば分岐があったっけ」

引き返してよく見ると見覚えのあるビールの空き缶発見。

左へと下って行く。



一旦下って後はダラダラとのぼり続ける。

見晴らしの良い岩場に12時22分。



オオカメノキの花の咲き始めは少しピンク。



カラマツ林を抜けてファガスの森に着いたのは13時18分。

丁度管理人さんが居たので帰着を報告。

レストランで山盛りカレーと山菜テンプラ蕎麦を食べて休憩。

突然、家内が「森の妖精の石像」を見忘れたと言い出した。

良く聞くと砥石権現の先のピークが鹿舞(かま)ダキ山。其処に森の妖精の石像があるらしい。

この像が見たくて砥石権現に行こうと思ったらしい。

でも後の祭り。

秋の紅葉の季節にまた来よう。

雲早トンネルを抜けてのんびりと帰る。

やはりダートを走るよりは早く帰る事が出来た。

殆ど人の歩いていないブナの森がとても素晴らしかった。

アケボノツツジも満喫。

明日からは雨なのでのんびりとしようかな?