里山の秋 蕨山1044m〜藤棚山 2006/09/16


− 名郷 〜 蕨山 〜 藤棚山 〜 大ヨケの頭 〜 金比羅山 〜 名栗さわらびの湯 −


三連休は雨と諦めていたら、土曜日は何とか曇りのマーク。

気になっている笹子雁ヶ腹摺り山に行きたいと家内に言うと、あの山は紅葉の時期にとっておくとの事。

今回は前回、武川岳〜二子山に行った時、気になっていた秩父?(名栗村)の蕨山に行く事にした。

この山は1044mと標高は低いが、急登と岩場で侮れないとの評判である。

とても人気のある山らしい。

さてどんなものか一度登ってみょうか。

蕨山周辺地図



6時前に家を出ると、街路樹のハナミズキが赤い実を付けていた。

もう秋だなあ。

何か清々しい気がする。(気温が低いせい?)

いつもの池袋発7時6分の快速に乗る予定だったが、早く着いて6時47分の準急に乗る。

石神井公園から各停となりまどろっこしかったが、いつもの電車より2分ほど早く飯能駅に着いた。

おかげで名郷行きのバス停はがら空き。

今日は名郷からさわらびの湯への縦走なので、名栗フリーパス1200円を購入。

この切符はヒノキで出来ていて、手書きのイラストが描かれている。

バス会社の(国際興業)、社員の方が一生懸命書いているのだろうか。

(お土産にもらえる)



8時発のバスにはすんなりと座れた。

臨時バスが出るらしく、座れなかった客を残してバスは出発。



40分ほどでさわらびの湯へ。

(さわらびの湯は改装工事中で来年1月までお休み)

このバス停まで縦走して帰ってくる予定。

此処で大勢が下車

棒ノ折り山に行く人が多いのかも?

さわらびの湯を越えて少し行くと夫婦が降りた。

子の権現の登山口らしい。

更にバスは走り9時前に名郷に着く。

10人ほどが下車



地蔵さんにお詣りしたり立派なトイレをお借りしている間に、皆さん出発。

殆どの人が武川岳方向に向かい、蕨山には単独行の男性が一人だけ。



9時2分出発。

標高320m

蕨山とは700m位の標高差だ。



車道を少し行くと右に曲がり蕨入橋を渡り登って行く。



栗の実を見ながら行くと左に立派な滝?が見える。



最初は綺麗な林道だがその内に道が荒れてくる。

結構急な道だ。



期待していた山野草は全く咲いていない。

唯一マツカゼソウが一面に咲いている。



この赤い実何の実?



9時18分林道終点。

右へ降りると直ぐ丸木橋で渓流を渡る。



渓流を写しながら橋を渡ろうとすると、簡単につるっと滑った。

カメラを握りしめて、何とか墜落しないで踏ん張る。

危ない危ない!



ヤマジノホトトギス発見。



渓流を何回か渡る。

飯能駅で戴いた最新版のルートマップでは、此処から713mのピークに向かって南に直進する様になっている。

しかし、それらしい道はなく、沢にそって右へとそれて行く様だ。

コンパスで確認しても真っ直ぐ西へ向かっている。

どうも651mのピークに向かっている様だ。



やがて沢から離れて樹林帯のキツイ登りとなる。

踏み跡はしっかりしているが間伐材の散乱した中を行く。

??と思っている内に階段が見えてきた。ホッとする。

急な階段を踏ん張りまた急坂を行く。

注:この間の登山道は、資料によって微妙に異なっています。

よく使われている旺文社の2005年度版山と高源地図では、沢筋から北西に上がって

651mのの右のピークに取り付く様になっています。

沢筋が多いので大雨の度に少しずつルートが変わっているのかも知れません。

いずれにしろ尾根道に出る様に進めば問題ないのでしょうが..

苦しい登りの最中なのですが、迷走しない様にコンパスで確認が必要です。

エントツ山さんから教えて戴いたmapが一番今日のルートに近いようです。

蕨山ルート



9時52分尾根に着く。

水で喉を潤し小休憩。



この山はリョウブの樹が多い。



しばらく緩やかな稜線歩きとなる。

北を見ると伊豆ヶ岳と古御岳が双子のコブの様に見える。そしてその右へ続く尾根には尖った高畑山。

去年、伊豆ヶ岳から子の権現まで縦走した事が思い出される。



立派な黒松を過ぎると左下に名郷の町並み。



おっいよいよ噂の、危険な岩場の登場か?

何かわくわくする。



左下を見ると結構切れ落ちている。

心配していた家内は岩場をぐんぐん登る。

私にルートを教えるなど余裕がある。



休憩ポイントの第三のベンチも見向きもせずに進む。



今日の数少ない花

ミヤマママコナが群生している。



頂上直下の急坂もぐんぐん行く。



気持ちの良い広葉樹の林を抜けると名郷分岐に飛び出す。

11時00分



標識には、左が蕨山と書いてあるが、これが間違いだとネットで調べてある。

右へと有馬山方面に向かう。

少し下って登り返した所にベンチがあり、その左のちっちゃなピークが蕨山1044m

ネットでは小さな標識があると書いてあったが見あたらない。



直ぐに分岐に引き返し展望台に向かう。

埼玉県は、見晴らしの良いこの展望台を蕨山頂上に無理矢理変えてしまっている。

一旦下って少し登り返すと到着。

11時11分。

虚偽表示だと噂に名高い山頂標識は1044mを1033mに書き換えてある。

薄く1044mの文字が見える。

やはり虚偽表示はマズいと思ったのだろう。

此処は、展望台だとか、1044mは間違いだとかの看板が沢山あると聞いていたが全て撤去されている。



山名板は何か見にくいなあ。



伊豆ヶ岳の向こうに奥秩父の山並みが見えている。

武甲山は左の方にほんの少し頭を出している。

武川岳などは同定できない。

晴れていればこの向こうに、浅間山、榛名山、日光白根山などが見えるそうだ。



次々と登山者がやってくる。

次のバスでやって来たのだろうか?

みんなが弁当を広げるが、時間が早いのであんパンだけを囓る。



頂上にも花は少ない。

ちっちゃなちっちゃなトウバナを見つける。






ミヤマママコナだけは元気にあちこちで見かけた。



南の方には川苔山や棒ノ折山が見えているはずだが同定できない。



11時28分下山開始。

結構急な下り。

ここから川又バス停まで7q



すらっと伸びた高木があるが、これもリョウブか?

リョウブは根が浅いので、こんなに高くなると倒れてしまうはずだが..



急坂の後は、気持ちの良い林となる。



少し登り返すと藤棚山。

11時58分着。



ベンチがあるので此処で昼食にする。

少し薄暗いがとても感じのよい場所だ。



12時17分出発

林床には小さな可愛い笹が生えていて感じがよい。



でっかい樹二種。

まだまだ勉強が足りなくて名前が出てこない。

左はずいぶんすらっと伸びているけどやはりリョウブかなあ?

右はホウノキかなあ?

葉っぱが高い所にあって良く解らない。



しばらく行くと右下に地図にはない林道が平行して走るようになる。

秩父の山はこれが悲しい。

何の為にこの様に山肌を切り払い林道を造るのか?

新しい林道はどの山も車の通っている気配はない。







今年初めて..ナガバノコウヤボウキ発見。



これはオクモミジハグマ?

先週黒岳に群生していたのとは葉の感じがかなり違うけど...



見晴らしの良い岩場を下る。

此処から落合に下る事が出来る。



此処は大ヨケの頭

12時52分。



山道に似つかわしくない木の柵が出てくると嫌な予感がする。

やはり林道が尾根を越える工事をする時、何時も言い訳の様に周辺に転落防止用の柵を作る。

尾根が切断された場所に来る。

かなり見かけには気を遣っている模様。

年に数回伐採の為に利用する為に、こんな林道を造る必要があるのか?

本当に林業に利用されているかどうかも??

秩父御岳山と同じだなあ?

そう言えば秩父御岳山のカタクリは、来年も花を咲かす事が出来るのだろうか?



大規模自然破壊を見てしまうと、草木は取らずにの看板が何か虚しい。

13時14分、中登坂。





此処から大ヨケの滝に降りてもさわらびの湯に行く事が出来る。



なんかネーチャートレイルとかで自然ゲームの様な看板。



快適な道をぐんぐん下る。

途中小ヨケの頭、金比羅山とあったはずだが、いつの間にか通り過ごしてしまう。

右に名栗湖が見えてくると金比羅神社跡に着く。

えっ金比羅神社

此処には古い神社があって、奉納された古い額にはちょんまげ姿の写真などがあると聞いていたので
楽しみにしていたのに..



神社跡には小さな祠が祀られている。

帰って調べると最近?落雷で炎上したらしい。

そう言えば周りの樹も焼けた様な跡があった。



此処からは、急で細くて悪いえぐれた道が続く。



鳥居観音を左に見て下ると、名栗湖がいよいよ大きく見えてくる。

これはチヂミササかな。



大きなモミの木





また沢の音が聞こえてくる。

明るくなった道筋にツル状の花?



?とゲンノショウコ



初めて見る花。イチゴの花の様だけど...今頃咲くイチゴの花って?

蘭ちゃんにお聞きすると、フユイチゴの花が今頃咲くと教えて戴きました。



葉はこんな具合い。

ミヤマフユイチゴとフユイチゴのどちらかなあ?



ボタンズルを写して墓地を抜けると、さわらびの湯バス停に着いた。

14時22分。

バスが出発しようとしている。

手を挙げると止まってくれたので、急いで乗り込む。

飯能でビールを買い、一息に飲み干してほっと一息。

気になっていた山そして話題の山に登る事が出来た。

明日からは天気が悪そう。大人しく勉強でもしていようかな..





総歩行距離 10.5q

累計標高差 +935m −1014m