里山の春 柴小屋〜大道丸〜薬研谷 2007/5/3


− 薬研谷のアケボノツツジと春の花達 −


西赤石のアケボノツツジが咲く季節となった。



薬研谷のアケボノツツジ

しかし今年は裏年とかで未だ殆ど咲いていないらしい。

ネット仲間のコマクサさんと釋護法さんから薬研谷でアケボノツツジが満開だったとの情報をいただいた。

行ってみたいなあと思うが薬研谷(やげんだに)が何処にあるのか良く解らない。

ネットの少ない情報を元にすると柴小屋の近くだと言う事が解った。

コマクサさんから大道丸から赤テープに従って下ればよいとの情報もいただいた。

柴小屋近辺地図

朝7時に家を出発。柴小屋に向かう。

役場の向こうを左に曲がり次を右に曲がったら(これが間違い)雨乞いの滝入り口に着いてしまった。

慌てて引き返すが今度はまた国道に出てしまった。

仕方がない。こもれびさんのレポートにもあった南山林道を行こう。

美山村の看板に従っていくが、とてつもなく道が悪い。

崖崩れや陥没等もあり未舗装路では2駆ではタイヤが滑るほどの急坂もある。

急いで4駆に切り替える。

鋭い石が飛び出している所もありタイヤがパンクしない様に気を付けて走る。

悲願寺への分岐を過ぎると四国の道。

柴小屋の展望所を通過し広い駐車場に車を停める。

先客が一名。8時25分。



正面に大川原高原の旭ヶ丸が見えている。

結構遠いなあ!



大川原高原12.5qと書かれた登山口から登り始める。

トサミズキが未だ咲き残っている。



タムシバも僅かに残っている。

この赤い花は何?



エイザンスミレやコミヤマカタバミの咲く道を行くが結構キツい。



柴小屋展望台と書かれた大岩の上から眺めるが雲早山方面しか展望はない。



ドンドン下ると柴木屋神社の鳥居がある。

柴小屋と漢字が違うが、昔はこの山も柴木屋山と書かれていたのかも?

右下に大きな広場と林道が出来ている。

何処まで続いているのだろうか?



崩れた階段道を登って行くとカタクリの花があちこちに咲いている。



立派なブナの木も多い。



途中で右に登ると柴小屋山山頂。

8時51分着



また元の道に戻り下って行く。

シロモジの花が咲き誇っている。



大川原高原への分岐を越えて登って行くと大道丸山頂

9時9分



円形のキティ山岳会標識の原型ではないかと思っていた看板は壊れてしまっていた。

山頂はスミレが多い。



元の道を少し引き返し赤杭と赤テープの巻かれている所から右に下りる。

ここがコマクサさんの教えてくれた所だと思う。



やたらと赤テープの多い道を下りていくと突然アケボノツツジが現れる。



少し盛りは過ぎているが華やかな姿に見惚れてしまう。



鹿の食害防止の為のプラの筒で囲まれた植林地帯に来る。

これは何の木を植林しているのだろうか?



エイザンスミレとミヤマキケマン



真っ直ぐ行けなくなると右に車道が見える。

此処まで車道を造ってきたが此処で諦めたらしい。

既に半分崩壊している。

右に大道丸が見える。



正面は勝浦の山々だろうか?



左にテープがありピークに上がる。

緩やかな下り坂を行くとまたアケボノツツジが目に付く様になる。



丸くて大きくて淡いピンク。

家内は初めてなのですごく喜んでいる。

関東のアカヤシオとは親戚らしいがアケボノの方が柔らかい感じで艶やか。



既に多くの花が散っている。

満開の時はどんなに素敵なんだう



左へ行くと林道と書かれていた。



左に行かずにそのまま下ると大岩が現れて男性が立派なカメラで撮影している。

私達も岩の上に登り咲き誇るアケボノツツジを鑑賞。



アケボノツツジはやはり石灰岩質の岩場に多く咲く様だ。

リョウブの若葉との色合いが素敵



アケボノツツジを堪能しながらのコーヒーブレイク。



更に右下へ下りようとすると大きな岩窟がある。

大人が何人も入れる位大きい。

その先は急に落ち込んでいて道らしい物が見えない。

諦めて引き返し林道へ下りようかと思う。

すると下から男性が登ってきた。

下の方にもアケボノポイントがあると言う。

先ほど撮影して居た男性が下り始めるので私達も付いて行く。



かすかな踏み跡をたどり下りていくと、ヒナワチガイソウの様な花が沢筋に沢山咲いている。

しかし何か感じが違う。

後で調べるとこの花はワチガイソウ。

ヒナワチガイソウと花の大きさは同じ位だが葉が違う。

右が大川原高原で見たヒナワチガイソウ。葉が細い。



前の男性につられて沢を下って行くと大岩の所で沢が滝になっていてそれ以上行けない。

岩の右に明るい林が見えるので、急坂を這い上がると右から踏み跡が上がってきている。

登山道は沢に下りずに沢の右から続いていた。

大岩を回り込んで急降下すると細い林道に出た。

どちらへ行ったらよいか良く解らないが左へと進む。



見上げると滝上に先ほどの見事な大岩。その下部にアケボノツツジが沢山咲いている。

先ほど有った男性が言っていたポイントの様だ。

昔はアケボノツツジだけでとても綺麗だったらしいが

最近他の雑木が成長してアケボノが余り目立たなくなったと言っていた。

滝は余り大きくはないがこれが銚子の滝だろうか?



滝の下の岩壁にはネコノメソウ属が沢山咲いている。

ハナネコノメソウによく似ているが何か違う。

蘭ちゃんにシロバナネコノメソウと教えて戴きました。

花は少しクリーム色を帯びていて葉や茎にもじゃもじゃと毛が生えている。



左はシロバナネコノメソウ。右は裏高尾の渓流沿いに咲いていたハナネコノメソウ

純白で葉が小さく花が良く目立つ。



左はこれはヨゴレネコノメかな?

右はトサネコノメ(タチネコノメソウ)



ヨゴレネコノメの花の後?



左はジロボウエンゴサクかな?

右は切れ込みが深くて花が大きいのでミヤマハコベかな。

先ほどの大きなカメラを持っている男性が私のHPを見ていると言う。

ありがとうございます。

「早く私も退職して毎日山歩きしたい」と言っていた。

私は未だこれからも働くつもりなんですけど..

但し職が見つかったらね。



とても素敵な若葉。

気持ちが優しくなる。



一杯咲いているのはシロモジの花?



山裾にはヤマルリソウが群生。



ヤマザクラの大木があるが花は殆ど散っている。

ハルトラノオも少しばかり咲いている。



葉の切れ込みが少ないのでフウロケマンかな。



谷筋にヤマシャクヤクかなと思って下りて言ってみるとハシリドコロでした。

ジロボウエンゴサクが沢山咲いています。



更に行くとイチリンソウの群生地がある。



家内も私もこんなに見事に咲いているイチリンソウに出会うのは初めて。





ほんのりしたピンクが可愛い後ろ姿。



また初めての花発見。

これが噂に聞いていたサイコクサバノオ。



花弁の薄紫の模様が可愛い。



広い林道となる。この道が大川原高原まで続いているのだろう。

斜め左に上へと延びる道がある。

四国の道の道標に従って登って行く。



ミヤコアオイの若葉が多い。

コマクサさんからこの葉の下に花があると聞いていたのでめくってみるが花はない。



タニギキョウとワチガイソウ



ヒメシャラの大木とリョウブの古木



ヒトリシズカの様な若葉が沢山出ているが花が見えない。不思議だな?

と思っていたらフタリシズカの様なツボミ。

フタリシズカの葉ってこんな葉だっけ??

ドンドン登って行くとコミヤマカタバミが一杯咲いている。

陽を浴びて精一杯花を開かせている。

花が大きいのでミヤマカタバミかと思ったが、コマクサさんから葉が丸いハート形はコミヤマカタバミだと教えて戴きました。



あまりにもミヤコアオイの葉が多いので試しに土を掘ってみると土の中に特徴的な花が隠れていました。

土の中で花を咲かせる意味が分かりません。

元通り土を被せておきました。



ハルトラノオとナガバノスミレサイシン



山道の真ん中にフデリンドウ

朝通った柴小屋から大道丸への稜線上の分岐に帰ってきた。



柴小屋山の山頂に再度登ると地元の方が宴会中。

仲間が大川原高原に縦走中なので帰ってくるのを待っているとか。

6時間位掛かるらしい。

私達も此処で昼食。12時43分。

カタクリの咲き乱れる中を真っ直ぐ下り登山道に出た。



展望台で少し休憩。

綺麗な若葉はリョウブだろうか?



時間も早いのでこもれびさんのレポートにある高根山に行こうとするが登山口が解らない。

何しろこのダンゴ三兄弟と言われる大道丸、柴小屋山、高根山は国土地理院の地図に山名が載っていない。

登山者に何人か聞いてみたがそんな山は知らないと言う。

諦めて駐車場に13時42分着。

帰りは野間殿川林道を走る。

この道は立派な舗装路。

林道沿いに可愛いユキモチソウが。



花弁が中裂しているハコベ。

サワハコベだろう。

右はマルバコンロンソウ?



山肌にキランソウ。

よく見ると違う種類の花が混じっている。

この花はニシキゴロモだと思う。

同じキランソウ属なのでよく似ている。

神山の道の駅で休憩してから佐那河内経由で帰る。

アケボノツツジに感動し沢山の小さな花達にも出会えた。

まだまだ開花前の花達も多い様なので夏前まで花散策が楽しめる事だろう。