里山の夏 矢筈山 石堂山 白滝山 2007/6/1
落合峠から矢筈山、石堂山そして白滝山へ 新緑が輝く矢筈山系を歩く   

夕べからネット仲間の高御位山さん達が、祖谷山系の裏銀座と呼ばれる矢筈山、烏帽子山等を

縦走する為に落合峠に来られていると連絡があった。

ネット仲間のマーシーさんや鬼手物心さんも合流されるらしい。

サポート体制は万全だとは思うが私にもお手伝いできる事があるかも知れない。

5時前に家を出発。

6時半には落合峠に着きたい。

しかし朝早いというのに国道は大型トラックが列をなしている。

特に劇物搭載のタンクローリーが道をふさぎ50q位でのろのろと走る。

イライラするが仕方がない。三加茂までその状態が続き山道に入ってガンガン飛ばす。

深淵でデポ用の車があるかと思ったが見あたらない。

風呂塔からの下山口を確認して落合峠に向かう。

営林署小屋跡にもデポ車は無い。

落合峠にたどり着くと7時10分になっていた。



心配した通り落合峠にはもう既に人影はなかった。

高御位山さんの車だけ一台ポツンと私達を待っていた。

夕べは幕営するとお聞きしていたので下の駐車場まで行ってみるがやはり人影は無し。

もうすでに出発してしまった様だ。

さて今日は烏帽子方面なのか矢筈山方面なのか?

車のワイパーにメモを挟もうかとも思ったが、どうせまた夕方にはお会いできるだろうと出発する事にする。



三嶺や天狗塚が雲の上に姿を見せている。

このまま良い天気になれば良いなあ。



7時21分落合峠(1520m)出発

シコクザサが朝露で濡れている。足にまとわりついてパンツがビショビショになる。

肩まで登り振り返ると一台車が増えていた。



西には先日歩いた烏帽子山から前烏帽子への稜線がクッキリと見えている。



右に三嶺、天狗塚を見ながら歩く。



緩やかなピークを登りきると矢筈山と矢筈山副峰1,2そしてサガリハゲが屏風の様に見える。



気持ちの良い笹原をキョロキョロ景色を見ながら進む。

烏帽子が見送ってくれている。



左の写真、烏帽子山の右には日の丸山?

右の写真、落ハゲの左、天狗塚の右に見えているのは土佐矢筈山や梶が森だろう。

その向こうが高知市内となる。



色鮮やかなツツジはツルギミツバツツジだろうか?



逆光の中、矢筈山に向けて登って行く。



陽が高くなり矢筈山からサガリハゲに続く稜線がクッキリと見える様になる。

右端に見えるのは剣山と次郎笈



落合へと切れ落ちる谷は深い。

その向こうに丸石、高ノ瀬、三嶺、天狗塚へと祖谷山系表銀座ゴールデンルートが続いている。



やがてウラジロモミ(ダケモミ)の林の中を行く。

ヌタ場には多くの足跡がある。



また林を抜け小さなアップダウンを繰り返す。



樹林の中の小さなピークには樹木が切り払われ展望の良い所がある。

天狗塚の右奥、土佐矢筈山、梶が森がはっきりと見えている。



どうやったらこんな面白い枝振りに育つのだろうか?



林床にはビッシリとマイズルソウが生えているが未だ蕾もない。

今年は花が遅れている様だ。



ミヤマエンレイソウやツクバネソウが咲いている。



ワチガイソウの花が多くなるとサガリハゲ分岐への急登。

足下が濡れてズルズル滑る。



サガリハゲ分岐8時28分着。



サガリハゲへの道はかなり笹が深そう



分岐から矢筈山を左に見てお花畑へと少し下る。



お花畑では何とニリンソウが群生している。

此処の春は遅い様だ。

バイケイソウが咲くのはまだまだ先の事。



この季節は沢山の花が咲いているのだが今年は花が少ない。



大岩に向けて登って行く。

この岩には例年通りコミヤマカタバミが咲いていた。



岩を回り込んで登って行くと正面に剣山と次郎笈の姿が大きくなる。



矢筈山に向けて最後の登り、振り返るとサガリハゲの山頂が鋭く天を指している。



矢筈岩にたどり着く



山頂手前から矢筈岩とサガリハゲ。

その向こうに天狗塚



正面右に阿波のマッターホルン黒笠山

9時丁度、矢筈山1849m頂上。

此処まで1時間40分。



山頂で記念撮影。

ヤッホー地蔵が無くなっていた。



西を振り返ると矢筈山副峰1の向こうに右から烏帽子山、前烏帽子そして落ハゲの山並み。

その後ろに右から中津山、国見山。少し離れて寒峰。



黒笠山の右には赤帽子、丸笹山、塔の丸。

その後ろに太郎次郎が仲良く並んでいる。



天候は相変わらず薄曇り。もう一つ冴えない。

山嶺から天狗への稜線を見ていると先日ネット仲間と歩いた事が思い出される。



北にはこれから向かう石堂山から右へと白滝山へと続く稜線。

その後ろに頭を出しているのが火打山、風呂塔だろう。



10分ほど眺望を楽しみ石堂山に向けて出発。

コヨウラクツツジの群落がある。



この下りは急だ。

笹が濡れていて地面もジュルジュルでとても滑りやすい。

前に来た時よりも道は荒れていて、濡れた笹の茎を踏むと崖の方に滑ってしまう。

気を付けながら下って行く。

目の前に石堂山から右へ白滝山へと続く稜線が美しい。



尾根にはモミジが多い。

ナンゴクミネカエデの花が丁度見頃。

変な枝振りのオオカメノキ



急坂を下りると小さなアップダウンを越えていく。



左には烏帽子、前烏帽子、落ハゲそして落合峠を越えて今上ってきた稜線が続いている。



明るい尾根道から樹林帯へと入っていく。



ものすごい数のマイズルソウの絨毯をなるべく踏まない様に進む。



マイズルソウはやっと蕾を出している。



やっと咲いているマイズルソウみっけ。

可愛いなあ。



素晴らしいブナの木に見とれながら最後のピークを下る。



やっと鞍部の水場分岐に到着。標高1575m矢筈山から270m位下りてきた。



また石堂山に向けてのぼり返す。

振り向くと矢筈山がその名前の通り綺麗な双峰に見える。



登り途中で御塔石を正面に見る。



いつ見ても存在感のある岩だ。



10時19分石堂山頂上1636m

此処には2006年のヤッホウ地蔵がある。



360度の眺望を楽しむ。

矢筈山の右には天狗塚が顔を出している。



これから行く御塔石のピークから白滝山へと続く稜線。

右には厳しい山容の津師嶽と深い谷。

この谷を流れる片川には尾根に直答する登山道が沢山あるそうだ。



鞍部から御塔石を見上げる。



矢筈山に向いて正面から見る御塔石



御塔石の西側に祠がある。

この御塔石がご神体なのだろう。



しばし御塔石と向かい合って静かな対話の時間。



10時30分出発。

大工小屋岩を通過。



マイズルソウを写していたら熟年のご夫婦が白滝山の方からやって来た。

お伺いすると今は大阪にお住まいだが生まれは一宇村で、この山域は若い時随分と登ったそうだ。

今日は墓参りのついでに登ってきたとか。

しばらくお話ししてお別れしようとすると、

「この先で5人組のパーティと出会ったが、私達に手を上げて挨拶するので誰かと間違ったみたい。

もしかしたら同じパーティの人では?」

あっもしかすると??

何人でしたかとお聞きすると男性3人と女性2人だったとの事。

高御位山さん達だと3人の筈?

あっそうか鬼手物心さん達がご案内しているのかも知れない。

未だ20分も経っていないとの事なのでお二人に失礼して先を急ぐ。



駈ける様にして白滝分岐へ



白滝山10時57分着。1526m。丁度落合峠と同じ位の標高。



もしかして白滝山で休憩していたらお会いできるかと思ったが白滝山山頂は見晴らしもない。

きっと先に進んでしまったのだろう。

私達もこのまま火打山方面に行こうかと思うが、もし出会えなかったら帰れなくなってしまう。

しばらく迷ったが、仕方がないので引き返す。

後からお聞きすると、この時この下でハルちゃん達のお出迎えを受けて30分ほど話していたそうだ。

思いきって行けば良かったなあ..

おまけにこの後、楠さん達が白滝山までこられたそうだ。

なんとまあタイミングが悪い。



駆け下りてきた道を登り帰す。

天気が良くなってヤマヤナギの実がワタになっている。



ナナカマドが蕾。秋になれば綺麗だろうなあ。



11時40分、御塔石の先のテラスに下りて昼食。



石のテラスから見上げた御塔石は巨人の様。

昔この石のテラスの上で雨乞い踊りをやったとか。



12時9分出発



また石堂山に登ってみる。



一旦下って矢筈への登り

前回はギンリョウソウが一杯咲いていた

今年はやっとの事で見つけたが未だ幼い花だ。



ツクバネソウやブナを見ながら、えっちらおっちら登る。



やっと樹林帯を抜け矢筈山への尾根道に入る。



ナンゴクミネカエデが朝よりも沢山咲いている。



天気が良くなったのでコミヤマカタバミも花を開いていた。

山頂直下の苦しい坂を登りきると矢筈山山頂。

堪らず座り込んでしまう。

13時32分。



丸笹、塔の丸、太郎次郎を眺めながらしばし休憩。



黒笠山への縦走もその内にやってみたいなあ。

重たい腰を上げて落合峠に向かう。



疲れた足には小さなアップダウンが応える。



石のテラスでしばらく眺望を楽しみ最後のピークから見下ろすと何と高御位山さんの車がない!!

15時6分落合峠着。

下の駐車場で幕営の準備をしているかもと見に行ったが誰もいない。

念のため避難小屋まで行って上から覗くが人影はない様だ。

ふと峠を振り返ると何人かがこちらを見ている。

あっ帰ってきたのかなと駆け上がると違った人達だった。

寒峰へ往復してきた夫婦と営林小屋から烏帽子を回ってきた若い夫婦

そして矢筈山から黒笠山を往復してきた夫婦

その方達としばらく話し込んだが車は帰ってこない。

その内みんな帰ってしまった。

高御位山さん達はきっと温泉でも行かれたに違いない。

お会いするのはまたこの次の機会と諦めて帰宅する。

(実はこの時、車は水を汲みに行っていて高御位山さんと鬼手物心さん達は小屋におられたそうだ。

小屋の中まで入って確認すれば良かった)

いつもながら私は詰めが甘い。

でも四国の皆さんのサポートで高御位山達は楽しい山歩きが出来た様だ。

またその内にお会いできるのを楽しみにしておこう。

夜に会食の予定があるので帰りを急いでいると黄色のパジェロミニとすれ違った。

もしかするとマーシーさんかもしれない。

皆さんとはお会いできなかったが矢筈山から白滝山まで気持ちよく歩く事が出来た。

次は寒峰への縦走か黒笠山への縦走をやってみたいと思う。



総歩行距離13.5q

累計標高差±1150m