年末の越後路  2006/12/28〜29
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− 一夜明けると其処は雪国だった −

年末は、30日から平湯温泉に泊まって奥穂高ロープウェイに乗り西穂高山荘まで行く予定にしていた。

予約も早々にすましていたが、家内が乗り気ではない。

年末は家でゆっくりしたいと言う。

所がテレビの天気予報を見て、「28日カら新潟は雪が降るらしい。雪の日本海を見てみたい」と言いだした。

バスツアーを調べると28日出発で南魚沼郡の六日町温泉に泊まり弥彦山に登るツアーを見つけた。

六日町周辺地図

早速平湯温泉をキャンセル。バスツアーを申し込む。

しかし13,800円は安いなあ!一寸心配。

新宿を9時発(ずいぶんとゆっくり)駐車場はスノーボードを抱えた若者で一杯。



よく見ると、スキー場のあるホテルまで無料直行便が出ている。

私達が夏に行ったリステル猪苗代やグリーンプラザ箱根などにも出ている。

いつから出来たんだろう。これに乗ればずいぶんと料金が節約できたのに!!!



44仁満席のバスはサロンカーで足下もゆっくり。美ヶ原に行ったバスとは違ってクッションも良くて快適。

珍しい事に添乗員以外にバスガイドも乗っている。

クリスマス前の高速はがら空き。練馬から関越道に入り順調に飛ばす。

伊香保インターを過ぎると左には榛名の山々。右には赤城山がでっかく見える。

水上を過ぎると谷川岳が真っ白に輝いて目の前にそびえる。

バスガイドが「去年は今頃大雪で大変だった。今年は雪が全く降らずスキー場もツアー会社も大変。」

周りに一杯スキーのゲレンデが見えるが雪は全くない。

「このままだとスキー場は正月客のキャンセルで大変な事になる。バス会社も大変」とバスガイドは更に言う。

余程心配しているのだろう。

長い長い関越トンネルを抜けると「其処は少し雪国だった」

先ほどまで青空が見えていたのにトンネルの新潟側は粉雪が激しく舞っている。

こりゃ積もるかなと思ったのも一瞬。直ぐに雨に変わってしまった。

越後湯沢ICで高速を下りる。



レストランで昼食。オプションの食事は豪華。

ここで、みんな早速お土産を買ったりしている。

漬け物と柿の種が多い。

私も柿の種と今晩の晩酌用の地酒「八海山」を購入。

昼から湯沢温泉の足湯を楽しむ予定だったが雨の為中止。

代わりに越後湯沢駅近辺を散策。

いつもはスキー客で賑わうという駅前もガラガラ。

例年は、この駅前広場にタクシー待ちの客があふれるそうだ。

駅の大きな土産物店に入ると、さっき買った柿の種やお酒がずいぶんと安い。

大失敗。悔しいので此処でも濁り酒を購入。



それにしても周りにはスキー場が多いなあ。



臨済宗の関興寺に寄る。

約600年の歴史をもち、かつては参禅弁道の道場として知られ、

上田長尾氏、上杉氏と深い関わりを持った臨済宗のお寺です。

最盛期は、越後、越中、加賀、能登、信濃の五カ国に約300ヶ寺の末寺を有し、

修行僧は300人を数え、別格大本山、十万石の格式を与えられました。

天正6(1578)年、「御館の乱」で戦火を受けた際、

約600巻の大般若経を味噌桶の中に入れて守ったという言い伝えがあります。


それ以来、此処の味噌をなめるとご利益があるそうだ。

ここはNHKの行く年来る年で除夜の鐘が紹介された事もある。豪雪で有名。



例年この門はすっぽり雪で埋もれるそうだ。

此処は南魚沼郡、豪雪地帯で有名。

昨年は大雪で災害救助法が発令されたほど大変だった様だ。



本堂は寒さ避け?の為に透明なビニールで覆われている。

屋根は急な傾斜があり雪が積もらずに落ちる様になっている。

落ちた雪は下に水路があり積もらずに流れる様に考えられている。

流石、禅寺。廊下や太い柱はピカピカに磨き上げられている。



本堂で作務衣を着た女性の説法を聞く。

凛とした声が本堂に響き渡る。

修行は「一に掃除、二に読経、そして三に座禅」だそうだ。

「人間生まれた時はみんな純真無垢」

「成長するに連れ煩悩すなわち欲が身に付いてくる」

「座って半畳寝て一畳」

「除夜の鐘で煩悩を消し去り純真無垢な気持ちで正月を迎えてください」

短い時間だったけど身にしみる言葉をいただいた。

その後ありがたい御利益があるという味噌をなめさせていただいた。



味噌を擂る皿?でっかい。



この辺の木はみんな丸太で保護されている。

雪がすごい事が伺われる。



また高速を走ると右に雪の八海山が美しい姿を見せる。

六日町のインターで下りるとホテルは直ぐ側。

格安ツアーの割には立派なホテルだ。



未だ4時前なので、露天風呂を楽しみ、買ってきた酒をチビリとやって、また大浴場でくつろぐ。

露天風呂からは八海山を始めとする越後三山が正面に見える。

6時からの夕食はこれまた豪華で腹一杯食べて、後は濁り酒を楽しんで9時には就寝。



夜中に水がチョロチョロ流れる音がしていたので、未だ雨が降っているのだなあと思いながら熟睡。

所が朝6時に目が覚めて朝風呂に行こうと露天風呂に出かけるとなんと一面の雪景色。

降り続く雪の中露天風呂を楽しむが、頭が雪で真っ白になる。

風呂から上がると箕笠が置いてある。成る程これを被って入れば良かったんだ。



この辺の民家はみんな一階の窓に板を打ち付けてある。

成る程あの辺まで雪に埋もれるのだなあ。



食事を終わって外に出ると車やバスが雪に埋もれている。

去年はバスの向こうの倉庫の屋根まで雪が積もったそうだ。

沢山の家が積雪の重みで潰れたのをニュースで見たが納得。



雪は40p〜50p位積もっている。

流石豪雪地帯、粉雪が静かに降っているだけなのに一晩でこんなに積もるんだ。

ホテルの自家用除雪車が登場。

あっと言う間に玄関前を除雪。



待っている間にお茶のサービス。



除雪車があらかた雪をどけると道路には融雪装置が付いていて

水がチョロチョロ流れているのであっと言う間に道路が顔を出す。

この装置は新潟の道路には殆ど設置されていた。



8時にバスは出発。



近所の家々は自家用除雪機を持っている見たい。

除雪車で除雪してから後は人海戦術。

皆な箕笠を被っている。



素晴らしい雪景色の中をバスは行く。



六日町インターから高速に乗るとでっかい除雪車が3台、道一杯になって除雪している。

おかげでバスはのろのろ運転。

小千谷を過ぎた辺りから雪は少なくなる。

ここらあたりがあの水害で被害を受けた所だなあ..

高速道路に錦鯉の絵が描いてある。

あの被害にあった鯉たちはどうしたのだろうか?



予定の時間をかなりオーバーして10時35分に瓢湖に到着。



5000羽ほどの白鳥が越冬している事で有名。

でもそれ以上に鴨が居る。餌付けの餌を鴨が奪うのでのろまな白鳥は餌を食べる事が出来ない。

とうとう頭に来た白鳥は鴨に噛みついた。噛みつかれた鴨は大慌てで水に潜った。



次に道の駅に立ち寄る。

とても規模の大きな道の駅で中で産直市をやっている。

地酒のワンカップを展示即売していた。流石、酒で有名な新潟だけあってものすごい種類のワンカップがある。

大吟醸のワンカップがあったので購入。



弥彦、寺泊と書かれた一般道をドンドン行くがお腹がすいてきてついパンを食べたりする。

岩室温泉を過ぎ弥彦神社前も通過しやがて大河津分水路で右へと曲がる。

この分水路は信濃川の水を直接日本海に分水する事により、新潟地方を水害から守る様に作られた。

今日は昨夜からの雨の所為か分水路を流れる水が多く、海水とぶつかって渦を巻いている。

誰かが鳴門の渦みたいだと言っている。

鳴門の渦は関東の人にも良く知られているんだなあ!と感心する。

やがて13時22分寺泊に到着。

ものすごい数の乗用車と観光バス。

正月用の買い出しツアーに来ているそうだ。



日本海からものすごい風が吹き付けてくる。

一寸異様な感じの店舗が並ぶ。店先はカニカニカニのオンパレード。



昼食は特上寿司。ウニ、イクラ等々14貫もあっておまけに蟹汁も付いている。

この蟹も普通の旅館の汁出し用の貧弱なのとは違って、身が結構付いている。

昼から何と贅沢!

それにしてもこのツアーなんて安いの?

腹一杯になって、家内は半分以上残してしまった。

もったいないけど私もこれ以上食べる事は出来ない。

外に出ると、弥彦山に陽が差して輝いている。



ふと見ると温泉付きで蟹食べ放題一泊二食付きが6,500円だと!!!

何と驚きの値段!



日本海まで堤防を越えて行く。台風の様な風が正面から吹き付けてくる。

波も日本海特有。

他の観光客は誰も海辺まで行こうとしない。

何と家内が一人海に向かっている。

急いで追いかけるが前に進まないほどの風。

日本海にタッチして早々に今度は飛ばされる様にして帰る。

家内は日本海にタッチするのを楽しみに来たとの事。

バスに帰ると腰の少し曲がったおばあちゃんが手作りのお総菜を売っている。

お婆ちゃんがコトコトと煮て作ったそうだ。

細竹の煮たのと、山菜の煮物を購入。

裏にはおばあちゃんの名前が書いてある。

吹きさらしの場所での行商も慣れている様だ。

私達が買うと遠巻きにしていた人達も次々と購入。



腹一杯になった所で弥彦山に向かって出発。



弥彦神社に御参りする。年間250万人も訪れる有名な神社だそうだ。

何と万葉集にもこの神社を詠んだものが二首歌われているとか。

御祭神は天香山命「アメノカゴヤマノミコト」(アマテラスの孫?)で神武天皇の命を受け、

住民に海水から塩をつくる技術、漁、稲作など農耕術などの基礎を教えられたとの事。



シャトルバスに乗りロープウェイ駅へ。

山頂駅に着いたら15時30分になっていた。

山頂は更に80m程上にある。

通常なら30分もあれば頂上まで行って帰ってこれる。

しかし頂上は強風と雪が吹き付けている。

ガスって何も見えない。



記念撮影後、展望台まで上がってみる。

3人ほどしか付いて来ない。



更に強風が吹きすさぶ展望台から先へはもう行く気がしない。

ふとガスが晴れると眼下に白い物が...

あれは雪かな??



下の広場まで帰ってくるとガスがすっと引いた。

何と此処から佐渡が島を望む事が出来るらしい。

とすると眼下の白いのは日本海の白波か?



更にガスが晴れると日本海の荒波がクッキリと見えた。

今回のツアーの目的はこれで達成。

山頂を踏めなかったのは残念だが、雪の為スケジュールが遅れてしまったので仕方がない。



またロープウェイで下り16時6分出発。

此処でもお土産をいただく。

バスツアーはこのお土産も楽しみの一つ。



もうこのまま帰っても良いのにスケジュール通り燕市の洋食器の展示館に寄る。

スプーンの製作工程の実演。

なんとスプーンとフォークは途中まで材料も行程も一緒で、途中から行程が変わって作られる



ステンレスに金箔の○○と××

世界一大きなスプーンとフォーク



高速道路をバスは急ぐ。

小千谷を過ぎた辺りから雪が降り出し越後湯沢の辺りではかなりの積雪となる。

あちこちで事故が起こっているのを横目に見てバスは走る。

湯沢のSAで休憩。夕食を購入。

此処も融雪装置の水が流れていて通路だけは雪が解けている。

トンネル越しても雪はあり天城インターの辺りまで白くなっている。

途中でお土産の抽選会美ヶ原では当たったが今日は二人ともはずれ。

小さなフォーセットが残念賞。

天城を過ぎると快調にバスは走り10時過ぎに新宿に到着。

今年初めての本格的な雪が降った越後路を楽しむ事が出来た。

家内も厳寒の日本海にタッチが出来て満足の模様。

ニュースを見るとスキー場もこの雪でやっとオープンできたそうだ。

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