里山の夏 剣山 〜 一ノ森 〜 槍戸山1,820m 2007/7/28
         

− 槍戸山 樹齢数千年、五葉松の古木を堪能 −

カナダから帰ってきてからバタバタしていて山に行っていない。

今日はよい天気なので手軽な剣山に出かけることにする。

神山経由で山道を走り中尾山経由で見の越へ。

自宅から約2時間、7時50分に見の越に着く。



朝早いせいか駐車場はガラガラ

劔神社から登り始める。



階段脇にはニッコウキスゲの様な黄色の百合が咲いている。

立派なシシウドが咲いていた。



石段横のギンロバイとキンロバイ



登山道に入り気持ちの良い道を登って行く。

突然前を行く家内が悲鳴を上げた。

真っ黒い大型トカゲの様な生物が道の真ん中にいる。

なんとサンショウウオだ。

それにしても真っ黒。

早く水辺に降りていかないとひからびちゃうよ。

剣山には高山型のサンショウウオが生息していると聞いていたが驚き。

この少し大型の黒いサンショウウオはオオダイガハラサンショウウオと思える。

伊半島、四国、九州の一部の原生林に生息。四国以外では天然記念物指定されている所もある。



サンショウウオを見ている間に一人の男性に追い越される。



トゲアザミとカニコウモリ

トゲアザミは四国に多いアザミ



岩場にはサワオトギリが朝露に濡れて咲いている。



西島駅の手前で岩場にある西島神社に立ち寄る。

残念なことに戸は閉まっていた。



西島神社のある岩の向こうに三嶺



ウラジロモミの向こうに次郎笈。

今日はよい天気になりそう。



キャンプ場から剣山頂上雲海荘と次郎笈



西島駅から右塔の丸と正面に三嶺



売店前に剣山巡視員のリュックとクワが置いてあるが誰もいない。

その内にリフトが動き出し売店のお嬢さんたちと登山客が次々と登ってきた。



尾根コースの登り口にはニッコウキスゲ??とキレンゲショウマ

キレンゲショウマは未だ蕾



シコクフウロとタカネオトギリの咲く登山道を登る。。

天気が良くて陽差しがまぶしい。



塔の丸の向こうに矢筈山系が堂々と横たわる。



右を見ると丸笹山から赤帽子山へと続く稜線。

あの林道を走ってきた。



チダケサシのピンクとシロバナ



イブキトラノオとシコクフウロが朝日に輝いている。



刀掛の松に9時5分到着。



キレンゲショウマにはまだ早いと思うが行場へと向かう。



いつもの場所でヒメフウロがお出迎え。

私の大好きな花。

今年も咲いていてくれて嬉しい。



左の毛深い草は?

アキノタムラソウと花の付き方が似ているが?

右はウマノアシガタ?



アキノタムラソウが少しばかり咲いていた。



岩場を降りていくとネットが張られているがキレンゲショウマは未だ蕾もない。

黄色の花が絨毯の様に咲いている。

小さな花なので近づいて覗き込むとミゾホオズキの花だった。

しゃがみ込んで写していると若い男性がやってきて「この花がキレンゲショウマですか?」と聞くので

「キレンゲショウマはまだ咲いていないようですよ」と言うと「上の看板では咲いている様に書いてあったのに..」

とぶつぶつ言って去っていった。

確かに看板につられて行場に回ってきた人はがっかりするだろう。



ヤマトウバナの花は小さくて可愛い。

ミヤマタニソバの花はもっと小さい。

それでも一面に咲くと暗い樹間が明るくなる。



ミヤマシシウドとヒメフウロ



イワアカバナも所々に咲いているが暗い所では写しにくい。

この花も好きな花、シベのまん丸が可愛い。



渓流沿いの崖にはヤマアジサイが群生。

沢の水の様に清楚で淡い水色が暑さを忘れさせてくれる。





穴吹川源流は水量が多くて立派に見えた。

源流の水で顔を洗うと冷たくて生き返る様だ。



??ショウマとカニコウモリの群生。



登山道に白い花が数輪落ちていたのでふと上を見上げるとナツツバキが満開。

もしかしたらヒメシャラかも知れない。

こんなに見事に咲いているのに出くわしたのは初めて。



左不明花

10時6分一ノ森と二の森の分岐に着く。



暗い樹間の道から尾根道に出ると太陽がまぶしい。

タカネオトギリソウも輝いている。

一ノ森から夫婦連れが下りてきて二の森に向かった。

振り向くと二の森の左に次郎笈の美しい姿が見える。



次郎笈の左には奥槍戸のスーパー林道の向こうに不入山1645m。
その後ろの新九郎山1635mは見えない。

その奥に有る存在感のある山は石立山1708m



一ノ森の頂上直下の見晴らし岩からの眺望。

剣山と次郎笈兄弟の間に三嶺が顔を出している。



一ノ森頂上着。10時20分。



眼下に一ノ森ヒュッテを見下ろして三角点に向かう。



三角点手前白骨林の向こうに太郎、次郎、三嶺の三兄弟その向こうに天狗塚。



三角点から不入山〜権田山〜平家平の山々を眺める。



どの山が権田山なのか平家平なのか良く解らない。

多分、南東に見える綺麗な三角錐が権田山そこから更に東の奥が平家平だろう。



三角点からの剣山、次郎笈



以前5月15日来た時に蕾だったマイヅルソウはもう花が終わっていた。



岩場からの槍戸山



岩場からの次郎笈



岩場で休んでいると朝、登山口で追い抜いていった男性が笹原を下るのが見えた。

家内が槍戸山に行きたいと言いだした。

以前からこの岩場から見下ろす槍戸山が気になっていたらしい。

10時35分出発。

ハナニガナの咲く笹道を下る。

思ったより笹が深く足下は見えない。

家内の顔ぐらいの高さが有る所もある。



正面に面に整った形の槍戸山を見ながら行く。

笹原を下りきると1760mの鞍部に着く。槍戸山への登り返しはダケカンバ、シコクシラベなどが美しい。

特にゴヨウマツの巨木さに目を見張る。



此処から見る次郎笈は特に素晴らしい。



森林帯を出るとなだらかな笹の道となる。



此処からでは三嶺や天狗塚は見えないが白骨林と剣山、次郎笈のバランスが美しい。



登りになり振り返ると一ノ森も高く見える。



一ノ森から二の森三の森への稜線。



クドイ程剣山次郎笈



途中で左へと明るい方に踏み跡があり間違って少し進む。

どうも違うと引き返し、また樹林帯には入り、抜け出ると槍戸山頂上1820m。



剣山をバックに記念撮影。

11時7分。



五葉松の白骨寿の向こうに剣山



この先はどうなっているのか少し偵察。

小休止して下山開始。

何か一の森までが遠く見える。







11時を過ぎると急に暑くなってきた。

おまけに風も通らず喉が無性に渇く。

堪らず樹林帯で休憩。

此処のダケカンバの幹は異様に赤い。

調べるとアカカンバと言うらしい。



立派なナナカマドの木もあった。

むせ返る様な笹原を100m程登り帰すと暑さと笹の埃で気分が悪くなった。

11時50分、露岩に帰り着く。





三角点の側の岩場で昼食。

正面の剣山、次郎笈の間から三嶺、天狗塚がクッキリと見える。



一ノ森ヒュッテに立ち寄ると大勢の登山客。

いつもの様にキツリフネが出迎えてくれた。

シコクフウロも満開。



ナンゴククガイソウやヤマブキショウマも小屋の横に沢山咲いている。



キレンゲショウマは硬い蕾。

このフウロは少しシコクフウロと違うみたい。



12時35分剣山に向けて出発。

それにしても暑い。



二の森への登りにはヤマシグレが沢山花を咲かせていた。

この暑さでは花よりも時雨が欲しい。



シコクシラベの森を越え、二の森を過ぎ樹林帯を抜けると太陽が照りつける。



此処から見る次郎笈は堂々としている。

トゲアザミが元気。



アカカンバの林に入る。



三の森の向こうに剣山が見えだすと右には丸笹山



笹の間にホソバシュロソウ



やっと階段が見えてきた。しかし既に鉄板焼き状態。



イブキトラノオが涼しそうに咲いている。



タカネオトギリの花の終わりとシコクフウロ



板張りの休憩所に来ると風が良く通る。

来たみちを振り返る。一ノ森から右へと伸びる稜線の肩が槍戸山。





頂上まで行くが今日は暑いせいか観光客が殆ど居ない。

頂上から見る一ノ森と槍戸山



頂上から次郎笈と三嶺を眺める。



右には塔の丸。



ホソバノヤマハハコがツボミを付け始めていた。



振り返ると剣山の上は秋の様な空



次郎笈への分岐路からいつもの様に次郎笈へ登るものと思っていたら家内がこのまま帰るという。

珍しいことも有るものだ。暑さが応えたのだろう。

西島への遊歩道を行く

三嶺が正面に見える。



此処から見る次郎笈も綺麗だ。

やがて御塔石のある大剣神社が正面に見える。

御神水から大剣神社へと大勢の人が登っている。

ウォークラリーの看板がある。



ノリウツギが一面に咲いている。



湧き水の辺りには白いイワアカバナが沢山咲いていた。

14時50分西島駅に帰ってきた。

売店に入ってアイスクリームを食べるが家内は熱いお茶を飲んでいる。

今日は暑さで疲れたという。



青空をバックに雲海荘



西島駅からはいつもの遊歩道経由で下山。

クルマバナのピンクが可愛い。

ナナカマドがもう赤くなりかけている。



祖谷川の源流地点を通過して15時40分駐車場着

バスが道路脇まで停車していた。

また、中尾山経由で下山。

なんと中尾山の下で35度の温度表示があった。

今頃35度ならお昼はいったい何度有ったんだろう?

木屋平で大桜温泉にゆっくりし汗を流す。