冬の里山 鶴林寺山 2023年01月05日  
里山倶楽部四国編 

- 鶴林寺山 ―

今日も良い天気の予報。

ノンビリと遍路道を歩いてみようと鶴林寺山へ。



よってね市で昼食用のちらし寿司を購入して出発。

勝浦の町の日の出は遅い。

チョット薄ら寒い感じ。

気温は3.7度。



東林庵の大銀杏はすっかり葉を落としている。



生名谷川に長く住んでいるマガモの夫婦。

小さな淵になったような所が気に入っているらしい。

時々顔を川に突っ込んで何かを食べている。



沢山群れている雀に混じって綺麗なサエズリを聞かせているのはホオジロ



少しきつい坂を登りきると見晴らしの良いところがある。

正面に中津峰山のフライトパークの芝生が見えている。



茅葺きでなくなった茅葺き遍路小屋に着く。



ハハコグサや水仙が咲いている。



道標の石柱と遍路墓。



一五丁の丁石と石仏。

石垣道を造った時に埋め込まれたようだ。



コンクリートの遍路道を登り詰めると水呑大師。

前のベンチでバナナの行動食。



光明真言二百万遍の供養塔を越えると古い石畳の遍路道となる。



鶴峠からの道と交わる所に2つの道標。

左の道標には 左 仁生谷道 右 鶴林寺と書かれている。

右の道標には二百十数回遍路を回った記念とか書かれているようにみえる。

二百回回ろうとすれば年に五回でも40年かかる。



十二丁までは新しい丁石。

十一丁からは南北朝時代(1362~1367)の古い丁石が11基ある。



歩きやすい道が続く。



礫岩の大岩が転がっている場所を過ぎると車道を越える。



順調に登っていく。



那賀川展望所

那賀川と水井橋から登る太龍寺道が見える。

太龍寺は右上の山の向こう。



四国の道の疑似木石段が終わり自然石の石段道となる。



また車道を渡り石畳道となる。



5丁を過ぎると通夜堂跡のお大師像。



通夜堂後の井戸。

四丁の丁石は下半分が折れてなくなっている。



快適な石畳道を行くと三丁。



また四国の道の疑似木階段になると右に三基の石仏が祀られている。



駐車場に着く。

珍しく車が一台も停まっていない。

山門の手前に右 立江寺の道標。

この面には讃岐溝中の人々の名。

右側面には、百七十九回目の供養として周防国(山口県)大島郡椋野村の中務茂兵衛さん。

中務茂兵衛さんは、18歳の頃に周防大島を出奔。一度も故郷に帰る事無しに四国遍路を続けた。

生涯二百十九回も遍路を回ったのは最高記録。

明治19年42歳88回目から標石の建立を始めたとか。

四国内に243基の標石が残っているらしい。

鶴林寺に関わるものだけでも11基あるそうだ。

途中にあった標石も茂兵衛さんが建てたものかもしれない。



鶴林寺山門に着く。



仁王像の前にはお鶴さん



久国村、沼江村、坂本村の人たちが江戸時代に奉納したお地蔵さん。

日本国四国の天下泰平を願っている。



苔の綺麗な庭の横を通る。

イノシシ除けの電気柵や轟音のなるセンサーが設置されている。



太子堂にお参り。



ビンズルさんの居る不動堂もお参り。



ロウソクと線香をお供えして本堂で地蔵菩薩にお参り。



定番の本堂前の一対の鶴と三重塔。



本堂左奥から鶴林寺山山頂へ

問題の通行禁止標識の横から入る。

確かにこの道の先から左へと降りる道は廃道になっている。

しかし、鶴林寺山への尾根道は通行に問題はない。

道迷いしないようにとの親切心から設置したと思うが、せめて通行注意とかの看板にして欲しかった。

この標識のせいで鶴林寺山頂に行くのを諦めた人もいるそうだ。

5分ほど尾根道を行くと鶴林寺山山頂。

三等三角点「鶴林寺」516mがある。



尾根道には大木が並んでいる。

赤樫だろうか。



堂々とした樹形だ。



細長くて大きな葉はやはり赤樫かもしれない。



三重塔まで引き返して昼食。

団体のお遍路さんが大きな声で読経をあげている。



文政10年(1827年)に建造され、徳島県でただひとつの三重の塔であり、県の有形文化財に指定されて居る。

注連縄とお鏡餅が備えられている。



よってね市で買ったチラシ寿司。

徳島特有の金時豆とキュウリや筍が入っている。

錦糸卵もたっぷり。

柚子の香りが食欲をそそる。



三重塔の縁の下には立派な柱が並んでいる。

塔の内部は四天柱と来迎壁があり大日如来などの五智如来を安置している。



初層、三手先組物、軒は二軒繁垂木



立派な彫刻だ。



食後、太龍寺への道を下る。

トイレなどは閉鎖されている。



以前来たときよりも綺麗に整備されている。

ここにも遍路墓。

天保八年 備後国の人が亡くなったようだ。



舟形丁石がある。



丁石と遍路墓



5丁、六丁の丁石



去年崩れたところは倒木が撤去されている。



ずっと大井町の方が寄進した丁石が続く。



直角に曲がる所に標石。



此処から太龍寺までは40丁あるらしいが、何の道を通った場合の距離だろうか。

かも道か太龍寺道なのか。



車道に飛び出る。



此処から下ると旧大井小学校横に出る。



今日はここから鶴峠経由で帰ることにする。

ゴンズイの赤い実が残っている。



真っ赤な実はツルウメモドキ



車道を歩いているとロードバイクに乗った男性からお声がけいただいた。

私のホームページを見ていただいているらしい。

ありがとうございます。

徳島市の方だが、太龍寺のかも道の駐車場の様子を見に来られたらしい。

以前は猫神さんの前の暫定駐車場だったが、河川改良工事が終わったので立派な駐車場が出来たらしい。

新しい橋の所に出来たようだ。

これで、かも道から太龍寺をお参りするのに便利になる。

暫くお話するとスイスイと坂道を上がっていった。



この道が平成4年に完成したときの記念碑。

腰掛けて蜜柑休憩。

疲れた時にビタミンC一杯のジューシーな蜜柑は生き返る。



鶴峠に着く。

以前此処からまた鶴林寺に上がって帰ったことが有る。



鶴峠から少し下がった所に遍路道に出る道がある。

朝見た標石の有るところへ出る。



今日は初めて車道経由で帰ることにする。

今頃リュウノウギクがたくさん咲いている。



立派な石垣が続いている。

今は杉が植えられているが、昔は蜜柑畑だったのだろう。



きれいに積まれた石垣が続く。

歴史的建造物に登録しても良いくらいだ。

それにしても此処がみんな蜜柑畑だったとは凄い。



道の下に大谷山神社がある。

今は荒れ果てているがミカン栽培が盛んだった昔は参拝者が多かったのだろう。



ドンドン下るとやっと中津峰山が見えてくる。



畑にはホトケノザやオオイヌノフグリの花が満開。



鶴林寺参りの参拝者目当てだろうか、蜜柑直売所が何箇所か有る。



朝来た道にぶつかり、下っていく。

マガモの夫婦が気持ちよさそうに水浴びしている。



鹿背山の向こうに高丸山。



よってね市に帰ってきた。

また野菜や箱詰めの蜜柑10kgを購入し食べながら帰る。

小さいので10kgが1,020円と格安だが一口で食べるのにはちょうどよいサイズ。

安くても柔らかくて甘くて美味しい。






総歩行距離 10.9km

累計標高差 ±766m

総行動時間 5時間50分




里山倶楽部四国

ホームページにも是非お立ち寄りください