カナディアンロッキー エメラルド湖 モレイン湖 2007/6/21
ヨーホー国立公園 エメラルド湖 ヨーホーパス モレイン湖         

カナデイアンロッキー花の旅

 エメラルド湖 モレイン湖

− 黄色のカタクリ(グレイシャー リリー)を求めて 

黄色いアツモリソウ(イエロー レディース スリッパー)に感激 −

カナディアンロッキーの旅の大きな目標の一つが黄色いカタクリ(グレイシャー リリー)に出会う事だった。

雪が融けた時にメドウが一面に黄色いカタクリで埋め尽くされるという。


                       ヒーリーメドウ観光案内より

実際にはこの写真より何倍も綺麗らしい。

ところが!!!

花の楽園と言われるヒーリークリークからヒーリーパス2380mまでは標高差705m。往復18.5q。

私達だけなら何とかなりそうだが息子には無理。

また途中で待たせて置く訳にも行かない。

ヒーリーパスの隣のサンシャインメドウ2300mにはシャトルバスがあり、標高差325m、往復8.5qと手頃らしい。

しかし!!

コロンビア大氷原から帰ってきて、B&Bの奥さんにシャトルバスの様子をお聞きすると

なんと!

今年は雪が多く、シャトルバスも今日やっと開通したとの事。

電話で花の様子を尋ねて貰うと「メドウはまだ雪の下。花には期待しないで欲しい」との返事。

がっくり!

奥さんから「私の大好きなエメラルドレイクに行ってみたら?」

「グレイシャーリリーも3週間前には満開だった」

3週間前に満開ならもう散っているのでは??

と思ったが仕方がない。

食事が終わって庭に出ると素晴らしい天気。

ランドル山が青空の下で首を傾げた姿を見せている。



明日も良い天気かな?

時計を見るとなんと21時30分。

日本なら夕方5時頃の雰囲気。

まだ日が暮れるには早いが寝る事にする。

エメラルドレイクはヨーホー国立公園にあり標高も少し低く西に開けているので早く花が咲くらしい。

どんな花が咲いているか楽しみ。



エメラルド湖へはレイクルイーズから国道一号線を西へとバンクーバー方向に向かいフィールドの町を過ぎて北に入る。



6時50分出発。

3日間連続でレイクルイーズに向かう。



バンフの町を出るとハィウェイの左側にバーミリオンレイクが広がる。

朝の景色も素晴らしいというので立ち寄る。



流石、噂の通り鏡の様な水面に映るランドル山の姿



朝焼けにより湖面がバーミリオン(朱色)に染まることよりその名がついたと言うが

カナディアンロッキーの朝は早い。

いったい何時頃に来ると朝焼けを見ることが出来るのだろうか。

ボウ川が氷河の堆積物などで堰き止められて出来たと言われているが、堆積物でドンドン浅くなっているという。

現在の水位は何とビーバーのダムで調整されているとか。

湖底から温泉がわき出ているので冬でも全面凍結はしないらしい。



突然大きな汽笛の音と共に貨物列車がやってきた。

カルガリー、バンフからバンクーバーへ向けて1000km走るカナディアンパシフィック

何十もの車両を引っ張りゆっくりとロッキー山脈を越えていく。

延々と続く列車を眺めていると、時間がのどかに過ぎていくのを感じる事が出来る。



ハィウェイをレイクルイーズに向けて走る。



ジャスパーへの道を右に分けてロッキーの背骨へと国道1号線は続く。



昨日まで一回も見ることの出来なかったCPの貨物列車にまた出会った。

この4枚の写真は同じ列車です。

色々なコンテナーを積んでいます。



やがてヨーホー国立公園の入り口に到着。



バンフ国立公園とは少し雰囲気が異なっている。





振り返るとバンフ国立公園の看板



ヨーホー国立公園からはブリティッシュ・コロンビア州となる。

陽気な看板だが「The Best Place on Earth」は少し誇大広告では?

誰かがThe Bestをペンキで塗りつぶしている。



ドンドン高度を稼いでいくとキッキング・ホース峠。此処が大陸分水嶺。

そしてスパイラル・トンネル展望所に着く。



CPの汽車が急な山脈を越える為に8の字のトンネルが掘られている。



色々な解説板を読みながら列車の通るのを待つ。

このトンネルを掘る為に大変な費用と犠牲が必要だった様だ。



山小屋の様なトイレをお借りする。

此処も暖房付きで快適。

でも便座などはなく、丸いプラスティクの筒の上に直接腰を下ろすのには一瞬たじろいでしまう。

列車がやってこないので出発。

峠を下りると川を渡る。

ここから北へ行くとヨーホーバレイそして有名なタカカウ滝。

しかし雪の為に通行禁止と大きく書いてある。

大きな流れのキッキングホース川を左に見ながら下って行く。

この川はメリル・ストリープとケビン・べーコン主演の「激流」という映画の舞台ともなった。

ラフティングで有名。

広くて水量が豊富。



やがてヨーホー国立公園で唯一の町「フィールド」に着く。

この町は人口280人。

川と山(マウント・デニス2539mマウント・ステップヘン3199m)に囲まれた静かで美しい町だ。

ネィティブインディアンも住んでいるという。



観光案内所があるがまだ開いていない。

此処は昔海底だったのか気持ちの悪い化石の説明板が沢山ある。



トレイルライダーとの説明板のある大きな像があるが良く解らない。



国道から川に沿って右に曲がるとナチュラルブリッジに着く。

オオタカネバラが満開。



駐車場から人工の橋を渡って裏側に行くと岩で出来た自然の橋「ナチュラルブリッジ」を見ることが出来る。

川底のライムストーンをキッキングホース川の川の水が削り続けて出来た自然のアートだ。

しかしドンドン削られて、その内に橋が無くなってしまうと書いてあった。



横から見ると更に荒々しい。

激流の側に咲くオオタカネバラは更に美しく見える。



河床へ降りてみると激流が轟く。

ゴゼンタチバナが群生。



ナチュラルブリッジから少し行くとエメラルド湖に到着。

9時3分。

大きな駐車場に車を止めて出発。

ロッジに泊まる人も車は此処まで。

荷物はロッジの人が運んでくれるらしい。



湖岸にはウェスタン マウンテンアッシュ(ナナカマド)が真っ白な花を咲かせていた。

湖岸にあるボートハウスはまだ店を開いていない。

湖の左にはエメラルドピーク2555mがせり出す様にそびえている。

正面奥にはミッシェルピーク2696m。



橋を渡りロッジのある方へ行く。




エメラルド湖にはエメラルドピークとミッシェルピークが映っている。



エメラルドレイクロッジ入り口で記念撮影。

ロッジのある所はモレーンで出来た島となっている。



洒落たロッジが並んでいる。

朝早くから掃除の道具やベットメーキングのシーツなどを積んだ小さな電動自動車が動いている。



Stickseed
スティックシード
の群生。



ユキザサの仲間のFalse Solomon's Seal
ホールス・ソロモンズ・シール

右はlow bush cranberry??



Bunchberryゴゼンタチバナとラフフルーツド フェアリーベルFairy bell チゴユリの仲間




Saskatoon
サスカトーン? ?



western Meadow-rue カラマツソウ属?



ホールス・ソロモンズ・シールの群生とQueen cupクイーンカップ ツバメオモトそっくり




左はフォルス マイタウォートズダヤクシュ属
Foamflower
ホームフラワーかもしれない?

右はクラスピングリーブド トゥイスティッド ストークタケシマラン属



左 ? 右 Queen cupクイーンカップ



左 クラウドベリー

右 ?



Red and White Baneberry
レッドアンドホワイト・ベインベリー
ルイヨウショウマ属




左はLow Bush Cranberry
ロウ・ブッシュ・クランベリー
ガマズミ属

右ワイルドストロベリー



白いスミレとフューフラワード アネモネ イチリンソウ属



ロッジを過ぎて湖を反時計方向に進む。

湖は最短距離で一周すれば5キロ余り2時間で歩く事が出来る。

鬱蒼と木々が繁り、陰気な道となる。

所々湖が開ける場所がある。

ザ・プレシデント3124mがその名前の通り鋭く威厳を持って天を突き刺している。



ザ プレシデントの左にはエメラルドピークとその奥に真っ白なmt.carnarvon3040m



ザ プレシデントの右はミッシェルピーク

氷河が美しい。



湖の南岸のロッジの向こうには素晴らしい山々が続いている。



トレイルをクリークが横切っている辺りに新鮮な熊の糞があちこちに落ちている。

つい先ほど熊が居た様な雰囲気。

息子と家内は脱兎の如く駈けだした。



9時56分北端の湿原に到着。

誰もいない。今日は私達が一番乗りの模様。



コットン グラス ワタスゲが一面に咲き乱れている。



左はウツボクサに似ているが...



フォルス アスフォデル チシマゼキショウ属



広い湖畔には誰も来ない。

私達家族だけの憩いの時間。



今日の計画はヨーホーパスかエメラルドベイスンまでのトレイルを予定していた。

しかし、熊が怖くなった息子や家内は此処でゆっくりして帰ると言う。

仕方ないので私もゆっくりとした時間を過ごす。



イチリンソウの仲間



綿のあるのは柳の仲間。

右はAlpine Cinquefoil
アルパイン・シンクフォイル

ミヤマキンバイが近縁



左はフューフラワード アネモネ



湿原の奥に黄色い花が群生している。

もしや黄色いカタクリかと走り寄るがガックリ。



この花は何だろう?

まるで黄色いアツモリソウだ。

Yellow Lady's Slipper

イエローレディース・スリッパー 

カラフトアツモリソウと呼ばれ礼文島にも咲いているらしい



このピンクの小さな花も湿原一杯に咲いていた。

ラウンドリーブド オーキッドハクサンチドリ属



インディアンペイントブラシの白花



インディアンペイントブラシの群生



Tall White Bog Orchid
トール・ホワイト・ボグ・オーキッド



タネツケバナに似ている様な?







Death Camas
デス・カマス??



枯れた様な黄色の葉のスミレはコモンバターウォートムシトリスミレ



Round-leaved Orchid
ラウンドリーブド・オーキッド




左はベアベリーの実かな?

熊の大好きな食べ物だという。



もうすぐ花が咲きそう。

どんな花が咲くのかな?



右はチョウノスケの仲間でイエロードライアド

完全に花を開けない。

一面に咲いていた。



Shrubby Cinquefoil
シュラッビー サンクフォイル
キンロバイ




チョウノスケと?



インディアンペイントブラシ



諦めていたら20人程の団体が森の奥へと向かっていった。

これはチャンスだ。

いやがる息子をせき立てて団体に着いていく。



やがて氾濫原の河原の中を延々と歩く。



団体に追いつくと何とカナダ在住の日本人団体。

ガイドも日系人の様だ。

ところが彼らは此処で引き返すという。



さて困った。息子はこれから先行かないと言うし、なだめすかして進む。

エメラルドベイスンに行こうかと思ったが、なんとものすごい音がし始めた。

ドオーンドオーンと音は続く。

いつもならもう融けているはずの雪渓が雪崩となって落ちている音だ。

ガイドブックにも5月から6月初めは気を付けろと書いてあった。

仕方がないヨーホーパスまで行く事にした。

しかし切り立った岸壁から落ちる滝を見て「あんな所に登れない」と言い出した。

後で駐車場で会う事にして私達だけで登る事にする。



ヨーホーパスまでは標高差500m程。

距離は此処から5q程だ。



急なガレキ道を登って行く。

標高が上がるとチョウノスケが生き生きとして咲いている。



やがて滝にたどり着く。

息子には此処までで引き返すと言ってあるが黄色いカタクリにまだ出会っていない。




氷河から流れ落ちる滝ミッシェルフォールを眺めながら高度を稼いでいく。



湖の奥にはフィールドの町の向こうに見えた山々がそびえる。



チョウノスケの群生。



イエロードライアド



Yellow Columbine
イエロー・コロンバイン




Twinflower
ツインフラワー



左ミッシェルピークと右ワブタマウンテンを仰ぎながら登る。



上がるにつれてまた新しい滝が見えてくる。



ガレキの道を踏ん張る。ヨーホーパスはあの稜線だと思う。



岩場では可愛いシマリスがお出迎え。

野生動物の鳴き声がそこら中に響き渡る。



コケモモの様な花。

ベアベリーだと思う。



振り返るとエメラルド湖が美しい。



スミレ二種



western Meadow-rue カラマツソウ属



フューフラワード アネモネ






岩場を通り過ぎて樹林帯に入る。

ヨーホーパスはもうすぐ。

暗い樹間の道は冷たい風が吹き上げてくる。

なんと探し求めたグレッシャーリリーが咲き残っていた。

もう10株程でしかも盛りは過ぎているが、感激がこみ上げてくる。

これでカナディアンロッキーに来た目的を達する事が出来た。



エバーグリーンバイオレットも鮮やかに咲いている。



やっとヨーホーパスに到着するとヨーホーレイクの方から若い5人連れがやってきた。

歯に矯正器具を入れたお嬢さんが私達に出会ってとても喜んでいた。

何処まで行くのかと言うのでエメラルドレイクだと言うと、何か言っていたが良く解らなかった。

一緒に下山を始める。



お嬢さん達を守る様にガッチリとした若者が続く。

体がデカいのでリュックが小さく見える。



左はウェスタン メドウ ルー(カラマツソウ属)の雌花。花火みたい。

右はブラック ツゥインベリー



氷河から流れ落ちる滝は近くで見ると迫力がある。





エメラルドレークと滝のよく見える所で昼食にする。



カナダの若者達も此処で昼食。

彼らは此処からヨーホーレイクに引き返す様なのでお別れをする。




チョウノスケの群生



息子と約束した時間が迫っている。

急いで下山を始める。



ピンクのオダマキ



ツインフラワー




ラウンドリーブド・オーキッドの群生。



綿の出るヤナギ?

急坂を下っているとカナダのお嬢さん達が続々と登ってくる。

滝まではまだかと何人もに聞かれた。

もう歩けないと座り込んだり陽気な若者達だ。



世界一化石の多い山として知られるマウントフィールドが出迎えてくれる。



ギンランの様な花はトール ホワイト ボグ オーキッド(ツレサギソウ属)

バニラとオレンジを混ぜた様な強いニオイがする。



Tall Purple Fleabane
トール・パープル・フレアベイン

右はFalse Huckleberry
False Azalea
フォルス ハックルベリー
フォルス アザレア
サラサドウダンの仲間



左は色が濃いけど右上と同じかな?

左はCommon Labrador Tea
コモン・ラブラドール・ティー



ヒイラギナンテンの様な黄色い花

湖の西岸を駐車場に向けて急ぐ。



右はカノコソウの仲間



樹間の暗闇に一際目立つ花が..



カナディアンロッキーで春一番に咲くと言われているヴィーナス スリッパーホテイラン属

小さい妖精の様な花だ。




Blue Clematis
ブルー・クレマチス

14時7分南岸に到着。



ボートハウスで冷たい物を買おうと思ったが、ペットボトルの水があるだけ。しかも冷やしていない。



駐車場に帰ると息子は車の中で大イビキ。

これならもっとゆっくりしてくれば良かった。

息子はバスの団体について近くのハミルトン滝に行ったという。

続く

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