里山の秋 日光 半月山 2006/10/28

− 日光の紅葉を求めて 明智平から半月山への山歩き −


東京に来て色々な山に登ったけど、日光の山には未だ登っていない。

日光と言えば男体山2487mが有名だ。

中善寺湖畔の二荒神神社中宮から一直線に1200mを登る道は3.5〜4.5時間で頂上に達する事が出来る。

紅葉のシーズン(大混雑)である事を考えると、日帰りの行動時間は6時間以内を考えなければならない。

これでは日帰りは無理かも?

ネットで調べると男体山は10月25日に閉山されている。

閉山されても登る事は出来るだろうが、私達軟弱夫婦は即男体山に登る事を諦める。

閉山について調べてみると、男体山に登るには二荒神(ふたら)神社で500円を払いお守りを購入しないと

入山できない事になっている。と言う訳で閉山したらこのルートからは入山できない。

日光の三つの山の神を総称して二荒山大神と呼んでいる。

三つの山とは、男体山(二荒山,2486m)、女峯山(2464m)、太郎山(2368m)の三山で、

この山々は神体山いわゆる神奈備であり、名前からもわかる通り古くからこれらの神々は親子と考えられてきた。

この日光の神々は「日光三山」「日光三所大権現」などと呼ばれ、古くから崇敬受けたようだが

男体山(二荒神山)に登る為には、荒ぶる神のお許しを500円也を支払って得ないといけないらしい。



さて日光に行くのにはどうしたらよいか?

日光中禅寺湖付近の地図

バスツアーを調べると丁度28日に半月山のツアーがある。

半月山から茶ノ木へ行き、華厳の滝まで下りるという歩行9.7qのお手軽コース。

早速申し込むが満員でキャンセル待ちだという。

一応申し込むが、自力で行く事を考える。東武鉄道日光フリーパスが4400円で購入できる事が判明。

早速JTBに行って購入する。

各種フリーパスは現地でも購入できるが、JTB等で事前に購入するとパンフレットや割引券をくれるのでお得。

帰宅するとキャンセル待ちが出たとの連絡。しかし切符は購入済み。断る。

この判断は正しかった事を後から知る。

さて、東武鉄道の始発を調べると特別快速が6時20分に出ている。

7時発の特急より早く日光に着く。

と言う訳で4時半に起床。

5時に家を出て浅草駅に向かう。浅草までは自宅から都営地下鉄で乗り換え無し。

ホリディワンディパスで往復500円。

浅草駅からは登山客らしき人達が駆け足状況。



右は東武浅草駅

電車に飛び乗るとガラガラ。

ホッとしているとアナウンスで6両のウチ前2両しか日光に行かないと言う。

慌てて前に移りかろうじて空いている席を見つける。

後ろは会津とか、鬼怒川とかに向かうらしい。

満員になった電車は更に北千住で客を詰め込み、朝のラッシュ時の様な混雑。

鹿沼で大勢のゴルフ客が降りた。

8時24分東武日光駅到着。



駅に着くとダッシュでバス乗り場へ。

なんとか8時33分のバスに乗れた。



西参道経由でバスは進むが、既に渋滞が始まっている。

登り専門の第二いろは坂は順調に行ったが、明智平手前2qからのろのろ状態。



10時丁度明智平着。35分ほどの所に1時間半ほど掛かった。これはこのシーズンではラッキーだとか。

この後、殺人的な渋滞が始まったそうだ。

ここで、ふと今日の弁当がない!事に気づく。



レストランに寄って弁当を探すが無い!

仕方がないので焼きおにぎり2個350円。

大判焼き2個200円。

柚餅子饅頭1個350円とパンを買う。

観光地なので高い。
でも変な組み合わせになってしまった。



いろは坂方面はきれ落ちた断崖の様。此処が屏風岩?

谷向こうを見ると下り専門の第一いろは坂が見える。

いろは坂がクネクネと下っているのがよく見える。



正面右の男体山はガスが出てきた。

ロープウェイ展望台駅までは地図で見ると登山道がある。

行こうと思うと入り口に通行止めの看板。

駅の人に聞くともう道はなくなっているとの事。

仕方ないのでロープウェイに並んで乗る。

片道390円が割引券で350円。

何と3分しか乗車しない日本で一番短いロープウェイだそうだ。

切符きりのおばちゃんが双眼鏡で下りのゴンドラの合図を確認して運転スイッチを入れている。

片道切符を買おうとすると、「茶ノ木平からのロープウェイは無くなっているって知ってますか?」と聞いてくる。

知っていると言うと、「茶ノ木平までは道が悪く草ボウボウで歩きにくいですよ。道も分岐があって良く迷いますよ」

ハイハイと言ってロープウェイに乗り込もうとすると分岐の地図を持ってきてくれた。

心配かけておばちゃんどうもすみません。



本当に3分で展望台に着く。

以外と小さな展望台は売店も何もない。

目の前に中禅寺湖、そして華厳の滝。右下には白雲ノ滝(しらくものたき)そして右上には男体山がそびえる。

中禅寺湖の水が轟々と華厳の滝となって流れ落ちている。トンネルになっているのだろうか?

夜中には栓をしないと中禅寺湖の水が無くなってしまいそうな勢いだ。



男体山はガスが巻いている。

しかし雄大な山だなあ。

これからこの男体山の雄大な山容を所々で存分に楽しむ事となる。



反対側を見ると遙かしたに明智平。

ガスの向こうに関東平野が広がっているはず...



もう一度絶景を見て目に焼き付けておく。

次此処に来れるのは何時になるか解らないから..

華厳の滝と男体山、そして真っ青な中禅寺湖、

その後ろにそびえる奥白根山から連なる奥日光の山々いくら見ても見飽きない。



名残惜しいがずいぶん時間も遅くなっている。

靴ひもを締めて出発。

10時31分。

展望台直ぐ下に登山道入り口がある。

汚い看板が設置されている。

看板によると此処から半月山までは3時間の道程。

若いアベックが何組か看板を見て茶ノ木平まで行くのを諦めている。



登山道入り口にも道が悪く間違いやすいとの看板。

細尾峠からのピストンだという夫婦について登って行く。

のっけから厳しい登りではないカイナ!



木々の間から男体山を見ながら歩く。

危険と書いた看板が沢山あるが、そう危険とは思えない。



ピークに上がり少し下りると絶景ポイントがある。

華厳の滝が眼下に見える。

この辺はアカヤシオ、シロヤシオの群生地らしい。

季節になると一面がピンクに染まるそうだ1.

アカヤシオの向こうに華厳の滝が見えるなんて最高かな?



ダケカンバは殆ど葉を落としている。

その他にもツツジの様な低木落葉樹が沢山あるが、葉を落としているので私には見分けが付かない。

一旦急な下りがあるがその後は快適なササの中を登って行く。



この場所もアカヤシオ、シロヤシオの群生地だそうだ。

今は葉が落ちているが花の季節は別天地の様に華やかになると言う。

ダケカンバの中をゆっくりと登って行く。

木々の間から青い中禅寺湖が垣間見られる。

気持ちの良い静かな山歩きを楽しむ。



未だ紅葉の残っている所もあり感激の連続。

先週の植林帯の歩きとは大違い。

観光地とは思えない開放感が素晴らしい。



登りが緩やかになると鉄塔の場所に来る。

カラマツの黄葉が陽を浴びて輝いている。



目の前にはでっかいブナの木の紅葉その向こうに、男体山の堂々とした姿。

山肌が深くえぐれ取られて崩壊の後が痛々しい。



先行の女性が写真を撮っている夫婦と話し合っている横を通過。

「細尾峠からのピストンだが、これから先を考えると気が遠くなる。

旦那に騙されて付いてきてしまった。」

なんて話し合っている。かなり疲れている様子。

こんな素晴らしい歩きが出来る山なのに他に何を期待してきたのだろうか?



男体山の左には奥白根山(2578m)が覗いている。

関東以北で最高峰の山だ。

麓のカラマツの黄葉が美しい。



奥白根山の二重火山の山頂は大きく割れている様に見える。



カエデの紅葉が僅かながら残っている。



ハリギリの木とブナが多い。



いくつかのピークは思ったよりキツイ。

後ろから付いてきていた外国人の青年は引き返してしまった。

明智平展望台から1時間10分と書かれていた第一展望台に着く。

11時19分。

47分で来ているのでかなりハイペースで歩いた事になる。

景色が良くて雰囲気の良い道だと家内のペースが上がってしまう。

汗びっしょりなった体を少しクールダウンする。



中禅寺湖の青さが素晴らしい。

少し休んで出発。



少しばかりキツイ坂を上り詰めると、倒木が多い。

倒木からまた若木が育ち世代交代が進んでいる。

自然林の林は色々なドラマがあって楽しく歩く事が出来る。



此処で先行者が左へと細尾峠に向かう。

私達は茶ノ木平へと進む。



葉を落としたダケカンバの中小鳥の声だけが響く。



突然コメツガの林となる。



左にはカラマツの林。



コメツガの大木もよく見ると美しい。



コメツガの樹林帯を抜けると突然広い場所に出る。



広場の真ん中にカラマツの古木が一本だけ残されている。

立派なカラマツだなあ!!



ダケカンバやシラカバの林の中を行くと更に広い場所に出る。



此処が茶ノ木平だ。

11時40分着。

此処から北に向かうと2003年に廃業した茶ノ木平ロープウェイ駅に出る。

そのまま行くと中禅寺湖、華厳の滝まで下りる事が出来る。

此処には以前茶店もあって多くの観光客で賑わったそうだが、今は面影もない静かな広場となっている。

申し込んでいたバスツアーは半月山から逆ルートで、この茶ノ木平まで来て華厳の滝に下りる事になっている。

そう言えばそろそろ出くわしても良い時刻だ。

半月山まで4.1q。お腹も少しすいてきたが頑張って出発。

今までは高原の散策路。

これからのコースは今までとは少し雰囲気も変わるそうで、それはまた楽しみだ。

続く