里山の夏 小遠見山 2007m 2006/06/07

− 白馬五竜の散歩道 アルプス平の山野草を楽しむ −

昨日の熱気が体から抜けきっていない。

今日の山歩きは、白馬五竜アルプス平から小遠見山への簡単トレッキング。

天気が良ければ白馬三山から五竜岳、鹿島槍ヶ岳そしてその間の八峰キレットが見渡せるはずだ。

朝ゆっくりして、8時ホテルのシャトルバスで南小谷駅に送ってもらう。



白馬高源と言っても栂池から白馬、八方尾根そして白馬五竜と、とても広い。

自家用車でない時は交通の便を調べるのが大変。

役場や、ホテルなどに事前調査が必要。

ホテルからは塩の道千国街道を下っていく。

この道は越後から塩を運んだ古い街道だ。



南小谷(みなみおたり)駅では、畳敷きの待合室もあっておじいちゃんお婆ちゃんが電車を待っている。

この駅から二両編成のワンマン電車が信濃大町駅まで走っている。

のんびりと大糸線を電車は走る。

姫川の美しい流れが北へと越後に向かって流れている。

ここからは越後の国まで近い。

フォッサマグナの真上を電車は進む。



白馬駅で大勢の登山客が乗り込んできた。

30分ほどで、神代駅に着く。

前のドアしか開きませんと放送している?

私達は2両目に乗っていたので、2両目の前のドアで待つ。

なんて事!ドアが開かない。

出発してしまう!!

慌て手前の車両に走っていって、「待ってくれ〜」

なんとこの電車は運転席の横に切符精算機がありその横のドアしか開かないのだ。

まるでバスそのもの。

焦ったなあ..

皆さんが利用される時は注意してくださいね。



駅を出ると白馬五竜エスカルプラザの無料シャトルバスが待っていた。

飛び乗るとすごい年代物のバスだが快調にリゾート地を抜けて5分ほどでエスカルプラザに着く。



カライトソウがお出迎え

弁当を買おうと思ったら、販売は10時からだという。

困っていると、可愛いお嬢さんが「サンドイッチ弁当ならお作りしますよ」と言ってくれた。

色々な具材を目の前でチョイスして作ってくれた。オニオンの香りが元気づけてくれる。

500円は安いなあ!お嬢さんありがとう。

割引券を使って往復一人1500円。

8分ほどでアルプス平に着く。

此処は標高1500m。

今日の目的地小遠見山は2007m。

500m程の登りだ。

9時32分出発。



目の前には白馬三山が八方尾根の向こうに見えるはず!でもガスっている。

アルプス平のお花畑の間を登って行く。

お花散策は帰りの楽しみにしておく。

結構キツい坂を照りつけられながら登ると、もう汗びっしょり。

お花畑が終わると展望リフトの降り口まで登る。

キバナノカワラマツバ?がお出迎え。



リフト駅は展望所になっていて正面に唐松岳や五竜岳が望まれる。

しかし頂上付近はガスがかかって見えない。

オオバギボウシが風に吹かれて涼しそう。

タカネセンブリも涼しそうな色だ。





ワレモコウに赤とんぼ。アキアカネかな。

白いヒゲのある花は初めて見る。



一登りすると地蔵の頭1676mに着く。



ケルンの中には鐘があり、丁度この鐘の穴から白馬三山が見えるらしい。

う〜ん見えていると言えば見えている様な?

その下には風切地蔵尊が祀られている。

風除地蔵ともいい、農耕の風害防除だけでなく、風邪や疫病、災害などから守ってほしいと

慶応三年(1867年)長谷寺の住職と里の人々によってここ、地蔵の頭に祀られたとの事。



地蔵の頭から下ると多くの慰霊塔がある。

唐松岳や五竜岳そして鹿島槍などがよく見えるこの場所に慰霊塔を建てるのだろう。



ハクサンシャジンやタカネセンブリそしてコメツツジなどは涼しそうに咲いているが、今日もまた陽差しが強くなってきた。

ビッシリと汗をかくが、今日は凍らせたお茶やスポーツドリンクをたっぷり持ってきた。



一旦鞍部に降りて、階段道を登る。ブナ林を抜けて一登りすると見返り坂。

でっかいウツボクサの様な花が咲いている。

これは何だ??

調べるとタテヤマウツボクサだった。でもでっかいなあ!




ミヤマママコナが岩の間から顔を覗かせている。



稜線に出ると小遠見山が見えてくる。

この赤い実は何だろう?

いっぱいある。



目の前は五竜岳の筈。

ヤセオネとなってくるが、危険はない。



10時54分、一ノ瀬髪(どんな意味だろう)1892mに着く。



ホツツジが多い山だ。

未だ咲き始めで沢山のピンクのツボミがある。

稜線歩きは熱いが時々涼しい風が通る。

昨日とは雲泥の差がある。

気持ちがよい。



これでもう少し見晴らしが良ければなあ






二の瀬髪

ミヤマママコナが群生







快適な稜線を行くと五竜岳との分岐。

初老の夫婦が五竜方向からやって来た。

涼しげな軽い感じだが、五竜からやって来たのかなあ?



不明の実達



ホツツジの間を登ると小遠見山山頂に飛び出す。

小さな山頂にはベンチがあり沢山の人が休憩している。

11時32分。

駅から丁度2時間。

ゆっくり登ってきたなあ。



この山からは大遠見、中遠見と遠見尾根を越えて五竜岳に縦走する事が出来る。



頂上には沢山の小さなお地蔵さんと慰霊碑。



パラグライダーが気持ちよさそうに頭上を舞っている。

チャイルドシートの様な椅子が付いていて快適そう。

手を振っている。



関西から来たという若い夫婦は、暑さに参ったという。

途中で引き返そうと思ったが、私達が登っていいるのを見て頑張ってやって来たらしい。

共働きなので、年に一回この季節に5泊ぐらいして白馬近辺を旅行しているとか。

しばらく話し込んで下山していった。

私達は急ぐ旅でもないので、サンドイッチお弁当を食べてのんびり。

スパイスが良く利いて美味しい。

その内ガスが巻いてきて、とても涼しくなった。

風が秋の気配を運んでくる。

ああ、天国だ。

右の昆虫はシリアゲムシ。昆虫博士PONちゃんに教えて戴きました。

二畳紀から生き延びていて、古代の特徴を残している珍しい種のようです。

馬面のグロテスクな顔と、サソリの様な尻尾が特徴らしいですが、その尻尾は見えません。

雌なのでしょうか?



12時30分下山開始。

一時間もゆっくりと過ごした。

ホソバシュロソウが目立つ道を下っていく。



ルリシジミが綺麗に羽を広げて休んでいる。

こんなに羽を広げたままの姿を初めて見る。

PONちゃんからヒメシジミだと教えて戴きました。

右はアカソかなあ





ドンドン下っていくと風が気持ちがよい。

地蔵の頭が見えてくると鞍部から地蔵の沼へと回る。



沼を渡る風が天然クーラーの様。

湿原にはキンコウカが慎ましく咲いている。

モミジカラマツも昨日とはうって変わって涼しそうに見える。



タテヤマウツボクサが咲き始めている。

ツボミだけだと花が終わった様に見える。

普通のウツボクサの数倍大きくてムラサキが鮮やかだ。



ニッコウキスゲもあちこちに咲いている。



キンコウカの間には水芭蕉が咲き残っている。

栂池の様にはでっかくない。



クガイソウに留まるヒョウモン蝶

この蝶は逆さまになるのが好きだなあ。



地蔵の沼の水芭蕉は終わっている。

植物観察の人達が大勢かがみ込んでイネ科の植物を熱心に観察している。



ガマズミの実が熟れている。

コオニユリが咲いている所に来ると平原になる。



オオバギボウシが一杯。



アカバナシモツケソウとタテヤマウツボクサ



ヤマブキショウマとアカバナシモツケソウ



とてもあでやかな花だ。



伊吹山も今頃は素晴らしいだろうなあ。



シロバナシモツケソウも綺麗。

オニシモツケはおおきなシモツケソウ



マイズルソウも可愛く咲き乱れている。



神城の町を見下ろして



アカバナは小さいけれど可愛い花。



ゆっくりと下山して、アルプス平の山野草園を散策する。

涼しくて気持ちが良くと思っていたらポツポツとやって来た。

ゴンドラを下りると右に、この前TV出やっていたジャンプ台。

若者が滑り降りて上空で一回転してプールの中に着水。

気持ちよさそう。

神城駅へのシャトルバスに乗る頃雷鳴が聞こえ始める。

親切な運転手さんが、駅から高速バス乗り場の道の駅まで回って乗せて行ってくれる。

その後、雷鳴、雷光、バケツをひっくり返した様な雨。

歩いていたら大変な事になっていた。

運転手さんありがとう。

時間があったのでバスの中で食べる食料を調達して、ビールを飲んでバスを待つ。

小仏で渋滞との事であったが以外とスムーズに新宿駅に9時15分について帰宅。

未だ昨日の疲れが残っているが、楽しい山歩きと花散策が出来た。

台風がやってきている様だけど、お盆休みの旅行は大丈夫かな?

白馬乗鞍岳