里山の春 沼津アルプス U 2007/3/10

その1へ


− 沼津アルプス 海と山々の素晴らしい景観そして岩尾根歩きを楽しむ −

徳倉山の広い草原で何時までもゆっくりして昼寝でもしたい気になるが、そうしてもいられない。

三角点に別れを告げて次の頂を目指すことにする。



10時32分出発。



突然また急な下りとなる。

ロープの代わりに竹の手すりが付いているが、所々根本が壊れている。

かなり下ったように思った所が象の首と呼ばれる香貫台分岐。

ここから沼津港グルメ街??へと下りることが出来ると書いてある。

このカラフルな標識にはスポンサーが付いているのか?お土産屋とかの一寸した宣伝がある。



戦時中の対空壕跡がある。中はかなり広そうだが今にも崩れそうだ。

この木何の木?



しばらく行くとなだらかな照葉樹林帯の道となる。

此処が象の背だろうか。

ヒメカンスゲだろうか?淡い黄色が綺麗だ。

苞の基部が赤褐色で鞘(さや)のようになり、そこから小穂が伸び出していることが分かる。





ヤブツバキとアオキの素敵な道がしばらく続く。

鹿子マダラの木肌を持つカゴノキの大木が何本かある。

やはり此処は海の山だ。



突然視界が開けて千金岩に出る。

素晴らしい景色だが、このペンキだけはいただけない。

正面にはこれから登る鷲頭山がそびえている。



右手前が御用邸公園。

防波堤の先の島が爪島。そして達磨山などの伊豆の山並みの根っこにある丸い島が淡島。

淡島の奥が内浦、西浦だ。



岩場を下るとスミレが群生している。

此処が志下坂峠

11時14分。



開けた気持ちの良い道を行くと、ポカポカとしてきて春の香りが一杯。

暖かいせいか此処ではモミジイチゴが花を咲かせていた。



小さなピークがあり沼津市内の眺望が良い。

左下から延びる松林が御用邸公園。双子のように見える丸い山は牛臥山。正面が沼津港。

そして沼津の市街から弓なりに富士市、清水市へと続く浜が田子の浦。



振り返ると徳倉山の左に富士山。相変わらずかすんでいる。

駿河湾を見下ろしながら気持ちの良いカヤトの道を行く。



クサボケが一杯咲いている。

ヒサカキも満開。



大トカゲ場って何だろうと思うと「大休止」の意味らしい。

大休止するのに最適な気持ちの良い場所だ。

しかし家内はドンドン行ってしまう。

緩やかな坂を登ると標高214mの志下山



此処も非常に見晴らしが良い。

11時24分着。

少し早いが昼食にする。

目の前にこれから登る小鷲頭山、鷲頭山が急峻な山容を見せている。

元気な女性と大人しい男性が登ってきて携帯で写真を撮っている。

男性が腰掛けてお昼にしようと言うと「お昼は12時になってから」と言って女性がドンドン下っていった。

女性上位の夫婦だなあと眺める。



昼食もそこそこに家内が出発しようと言う。

駿河湾に向かって急降下する。



馬込峠11時40分。



アオキが新芽を出している。

スミレも相変わらず多い。



ナツトウダイやヒメカンスゲも気持ちを和ませてくれる。



志下峠に着く。

何とこんな陰気な場所で先ほどの夫婦が食事をしている。

先ほどの山頂で食べた方が何倍も美味しいだろうになあ...

さざれ石のようなぼた餅岩。



左はタネツケバナかな?と一瞬思ったがコレはユリワサビ。

谷川沿いに咲く花だがずいぶんと早い開花だなあ。



少し登ると目の前にでっかい岩が現れる。



中条さんの隠れた洞穴が祠になっている。



大正天皇お手植えの松の石碑があるが肝心の松がない。



今日の正念場厳しい岩混じりの坂を登る。



厳しい坂を踏ん張り登ると腰の張りが酷くなり我慢していくと右足の太股が痙攣しだした。

休憩して駿河湾の景色を堪能しまた登る。

上からお年寄りの男性がロープに掴まり下りてきた。

「此処が最大の難所。もう後は厳しい所はない頑張りなさい」と励まされる。



やっと小鷲頭山330mに到着。

此処も素晴らしい眺望。

雲の中から一瞬富士山が顔を出した。



鷲頭山方向から大勢のパーティがやってきた。

写真を何枚も頼まれる。

頂上横に終焉切腹之場 本三位中将重衝(平清盛の五男)と書かれた看板がある。

義経との戦いに敗れた重衝が此処まで逃れてきて切腹したのだろうか?



また厳しい坂を一登りして沼津アルプスの最高峰標高392mの鷲頭山に着く。

12時29分。

立派な桜の木と、鷲頭神社奥社がある。



見晴らしはとても良いが丁度富士山だけが灌木に隠れている。

暖かさに誘われてヒョウモンチョウが現れた。



頂上には珍しく熊笹が茂っている。

なんともうシャガの花が咲いている。



何かの木の実生が芽生えている。



最後の山、大平山を目指し下っていく。

多比峠に12時55分着。



ウバメガシの純林を行くと岩のヤセオネを通るようになる。

ここでお年寄りのパーティに追いつく。

しばらく後を付いて行くが岩場の上りに手こずっているようでパスさせていただいた。



此処からも振り返れば富士山が見える。

晴れていればどんなにか素晴らしいことだろうか。



岩場を抜けると目の前に大平山が..

何と此処もキツそうではないか..



13時25分多比口峠着。



最後の上りの為に一休憩していると家内はとっとと登って行ってしまった。

仕方がないので踏ん張って踏ん張って登る。

傾斜が緩くなると大平山山頂に着く。

13時36分。



沼津アルプスは此処で終わりかと思ったら更にこの先に奥沼津アルプスがあるという。

私達は先ほどの多比口峠まで引き返し多比に向かって下山する。



この道筋もスミレが多い。

ニオイタチツボスミレやタチツボスミレが多いが殆ど名前が解らない。

此処のスミレは花が大きい。



キランソウやクサイチゴも元気だ。





やがて舗装路に出て駿河湾に向かって下りていく。

ベニモクレンの花が綺麗。




キケマンも咲き始めている本当にもう春真っ盛りだ。

魚のニオイと潮のニオイがキツくなると多比のバス停に着く。

14時40分。



先ほどのお年寄りの団体がバスを待っていた。

バス停から沼津アルプスを振り返る。

バスの中で団体のリーダーの人から色々話しかけられる。

箱根は行ったかとか丹沢縦走は良いよとか本当に山が好きなんだなあと思う。

14時45分のバスに乗り沼津駅へ。

快速で自宅へ帰る。

腰の調子はもう一つだったが楽しい山歩きが出来た。

低山ではあるがタフな山だった。


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