冬の里山 美ヶ原 茶臼山 2006/12/23

− 日本百名山40座の見える山 感動のクリスマス・スノーハイク −



年末は、平湯温泉に泊まって奥穂高ロープウェイで西穂高独標まで歩き西穂高山荘に泊まって

モルゲンロードを楽しみたいと思っていた。

旅館もバスも手配したが、家内から「もし天候が悪かったらどうするの?」

秋の志賀高原の様に旅館で2日間布団にくるまっているのは堪忍!

との×サイン。

しかもクリスマスに、山小屋でホワイトクリスマスを迎えたいとのご希望である。

??と思ったら既にツアーを探していた。

「美ヶ原スノーハイク山小屋での素敵なホワイトクリスマス」

美ヶ原って、高山植物は素敵だけど頂上はただ広いだけで面白味に欠けるんでは?

まして花のない季節だと??

でもご意見に逆らう訳には行かない。

西穂高の予約を全てキャンセルして美ヶ原を予約。

値段も一泊二日なのに西穂高の二泊三日より高い??

なんだか有名な山岳ガイド(山崎邦彦)の案内付きだとか?

あんなトコ何でガイドが要るのよ??

と言う訳でいよいよ出発。



美ヶ原は、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、浅間山など日本の名峰と言われる山々の

丁度真ん中に位置し、条件さえ良ければ360度の眺望が得られる事で有名。


所が今年は雪が全く降っていないと言う噂??

7時30分新宿発。

32人乗りのバスは満員。

どういう訳か高速はがら空き。

一時間で談合坂坂PAに到着。

しかしこのPAの名前は全国の県知事さんの多くは、まともに口に出せない名前だねえ〜

ここから南アルプスや八ヶ岳の姿を楽しみながらひたすら諏訪ICを目指す。

ツアコンは今日の美ヶ原は積雪5pだとか言う。

みんながええっ〜とため息を漏らす。



甲府を過ぎると車窓からは南アルプスの山々が朝日を浴びて輝いて見える。

甲斐駒ヶ岳の素晴らしい姿に見ほれてしまう。



バスの正面には八ヶ岳が大きくそびえ立つ。



南諏訪ICを下り(あれっ?諏訪ICの筈なのに)イヤにゆっくりとバスは走る。

野沢菜センターに着くと、実は一人遅れている人が居て此処で待ち合わせだという。

茅野駅からタクシーで来ると言うが、待てど暮らせどやってこない。

みんな今にも不満が爆発しそう!

若いツアコンは「少し位遅れてもスノーハイクのスケジュールには変更はありませんから」

と釈明に大わらわ。

やっと若い女性が到着。

若いツアコンが「何とかにこやかに迎えて欲しい」と言う。

みんな怒りを抑えて拍手でお出迎え。

みんな大人だなあ?




いつもなら美ヶ原へはビーナスラインを通るのだが、今の時期は閉鎖されている。

諏訪大社から旧中仙道を和田峠に向けて走る。

立派なトンネルを抜けると和田宿の駐車場に着く。

ここで、山小屋の送迎マイクロバスに乗り換え。

3台の四駆マイクロバスで山道をかっ飛ばす。

何が積雪5pよ!すごい雪だ!樹氷のきらめく雪道を走り1時前に山本小屋に到着。



一足先に山小屋にはいると、ストーブの前に、熊か?はたまたガマガエルか??

ものすごい風袋の男が仁王立ち。

「遅い!何をしてたのか?今からなら王ヶ頭まではいけない!」

「そんな事言ったて遅れてきた人が居て..」

「そんなの関係ない俺はガイドだ!安全が保証されない場合は中止だ!」

私もむっとしたが「ツアコンはスケジュールは変更しないと言っていた。だからみんな我慢して待った。

私は良いけど後から来るおばちゃん達を納得させられるの?」

後は知らないよと休んでいたが、続々入ってくるおばちゃん達を見て、ガイドは「中止だ!」

なんてとても言えない。

今回のツアーは、総勢32名の内男性10名。

若い女性3名。その他19名が50才から60才位のおばちゃん達。

しかも登山ツアーの大ベテラン達。

ガイドはツアコンに一言文句を言っただけ。

直ぐに食事をし、荷物を部屋に置いて2時に出発となる。

お決まりの準備体操をして、特にアイゼンも必要ないと思われるけど今日はスノーハイク体験ツアー。

アイゼンの装着、使用法もメニューに入っている。

アイゼン使用の注意を一通り聞いて出発。

山崎さんともう一人野口さんと言う優しそうなベテランガイドが付く。贅沢だなあ。

ツアコンも学生時代から登山部の猛者だった様で、新人ツアコンから変身して精悍な顔となっている。



歩き出すと何と素晴らしい白銀の世界。

うつくしの塔で、鐘を鳴らしたいが時間がないのでパス。パウダースノーの感触を楽しみながら歩く。



サラサラの雪は以外と歩くのに力がいる。

塩くれ場からは、王ヶ頭ホテルの雪上車ツアーの為キャタピラに踏み固められている。



風紋が美しい。



小さな樹氷が可愛いなあ。



かなりのハイペースで王ヶ頭ホテルまでの緩やかな坂を登る。

無雪期ならなんんとも無い坂だがサラサラの雪道はスベルし、変につぼ足になるし以外と歩くのに力がいる。

後ろを見ると後続部隊は遠くばらけている。

80才近い男性の夫婦が居たが途中で引き返していった。



王ヶ頭ホテルに到着。



ホテルの裏に回り王ヶ頭神社?に参拝。沢山の石仏がある。



王ヶ頭に15時15分到着。



後続を待ちながら周りの景色を楽しむ。

しかし前回春に来た時に見えた北アルプスや乗鞍岳はガスの中。

空は真っ青良い天気なのに??



日が沈み始めたので帰路につく。

山本小屋の方向には蓼科山が霞んで見える。





夕陽に照らされた雪原はため息が出るほど美しい。



この人が有名な?山岳ガイド山崎邦彦さん。

ホームページのイメージとは??



日が沈む寸前の景色も最高。



八ヶ岳や南アルプス、中央アルプスが見えるはずの展望風呂に入り冷えた体を温める。

今日は天気が良すぎて遠望は効かない。

標高2000mの温泉はまっとりしてとても良い湯だった。



食堂で夕食兼クリスマスパーティ。

なんとワインが飲み放題。



白も赤もロゼもしっかりいただいた。

タケノコやキノコの焼いたのも美味しい。

鴨鍋も野菜たっぷり。

オニオングラタンや馬刺やなんやかんや次から次へと出てくる。



鳥のもも肉にかぶりついていたら、やがてゲーム大会開始。

ツアコンはトナカイ、ガイドはサンタさん。



なんと私はガイドがヒマラヤに行った時のお土産のお茶。

家内は防水メモ帳が当たった。

ケーキに火を付けクリスマスキャロルを歌い、最後に雪山賛歌を歌い、そしてまたケーキを頬張りながら

ワインで乾杯してクリスマスパーティは終了した。

もう一度温泉に入り、星空を眺めに外に出る。

外気温−8度。

満天の星はため息が出るほど美しい。



冷えた体を薪ストーブで温めて寝る。

明日の朝焼けが楽しみ。

そう言えば美ヶ原四季のスライド映写会があったはずだが9時には熟睡....

続く