カナダの旅 レイクルイーズ ビクトリア氷河 後編 2007/6/19
ティーハウスからビューポイントそして  ハイライントレイルからミラーレイク      

カナデイアンロッキー花の旅 ビクトリア氷河を行く




ティーハウスからビクトリア氷河のビューポイントへの道は雪が多く今日は未だ誰も踏み入った気配はない。

しかしせっかく此処まで来たのだからと行ける所までの約束で出発。

標高差はたったの160m距離は片道1.6q何とかなるだろう。

10時25分出発。

早速ホーリーマーモットに出会うがカナディアンロッキールールで30m以内に近づいてはいけない事になっている。

しばらく写真を写すが素知らぬ顔で動く気配はない。

どうせナラと一眼レフを取り出そうとするとやっと岩場を登って行った。

ころころしているくせに犬の様に素早く走る。

天敵から身を守る為に走るのが早いそうだ。

しかしまた直ぐ上で瞑想を始めた。もう30m以上離れているから大丈夫だろう。



トロトロしていたらやっと若い男女がやって来たので、これ幸い道を譲り後から付いていく事にする。



若い二人が急に止まったので声をかけると「しっ!マーモットよ!」と叱られる。

今度は直ぐに林の中に消えていったので道を進む。



流石、地元の若い二人、半袖シャツになってグングン進む。



雪はかなり深く足場は悪い。

気を付けないとつぼ足になったり斜面を滑りそうになる。

何しろガイドブックにスニーカーで十分と書いてあったので登山靴を履いて来ていない。

私達は一応ゴアテックスの簡易トレッキングシューズだが息子は普通のスニーカー。

植林帯を抜ければ雪もないだろうと思ったがおっとどっこい、雪道が続く。

前の二人のつぼ足の跡を避けようとして木の上に積もった雪を踏み抜いてしまった。

隠れていた木の枝で膝をしこたま打ってしまった。

その様子を見て息子が引き返そうと言う。

しかし如何にも残念。前の二人に付いて私達だけ進み息子は引き返して広場で待つことにする。



リフロイ山3423mを左に見てビクトリア山に向けて進む。

フューフラワード アネモネが陽の光を浴びて花を開いてきた。



振り返ると氷河がレイクルイーズに向けて谷を削り取っていった様子が良く解る。



リフロイ氷河がビクトリア氷河に向けて流れ落ちている。



ビクトリア氷河の横のモレーンが尾根のようになっているところを登って行く。

右にも氷河の一部が残っている。



やがてリフロイ山とビクトリア山の間のアボット パス2922mから

ビクトリア氷河が流れ落ちるのを見ることの出来る場所までやって来た。

パスには避難監視小屋が建っている。



かすかに写真に写っていたがズームで写しておけば良かった。

アボットパスの向こうにはヨーホー国立公園のレイク・オエサそして有名な レイク・オハラが直ぐ下にある。

レイク・オハラは非常に厳しい入園規制(一日十数人)があって3ヶ月前から予約しておかないと行く事が出来ない。



振り返るとレイクルイーズが陽の光を浴びて不思議なエメラルドグリーンに輝いている。



先に行った二人が引き返してきた。

ビューポイントは何処かと探したが標識もケルンも何もない。

11時丁度。

ティーハウスから35分程掛かっている。



氷河が更に上に延びているのでモレーンのガレキを登る。

この行き止まりには滝があると案内書には書いてあったが凍っているのか?滝は見えない。

上り詰めた所で氷河から吹き上げる風で帽子を飛ばしてしまった。

諦めようかと思ったが見えているので更によじ登lり帽子を拾った。

家内も付いてきていたが風が強くとても寒く断念する。

振り返って氷河の脇に立つ家内を見ると何か風格がでてきたみたい。

ビクトリア氷河の尻尾にタッチして下山開始。



家内がおっかなびっくりガレキを降りていると、後から来たパーティが家内の手を取ってサポートしている。

「可愛い」とか言われて皆と握手している。

彼らは日本人の女性を見ると何時も可愛いというのかな?



やはりこの急な登りの下がビューポイントだったらしい。

5人パーティは、はしゃぎ回って記念撮影。

私達も此処で記念撮影。

数十年前までは氷河は今と比べ物にならない程多く残っていて、此処から6つの氷河を見ることが出来たらしいが

今ではビクトリア氷河とリフロイ氷河以外には残っていない様だ。

と言う事はあと何十年かしたらこの氷河ももっと後退して、この様な素晴らしい景色を見る事が出来なくなるのだろう。



氷河から吹き上げる風が強くて寒いので帰る事にする。

Mt.アバディーンに向かって下って行く。



モレーンの尾根の左には氷河の一端があるので歩いて感触を楽しむ。



レイクルイーズの素晴らしさを堪能しながら下る。



岩場には可愛いシマリスが目をくるくるさせて私達を見ている。



また滑りそうな雪の斜面を下る。

若い男女ペアが3組程登ってきた。

針葉樹の中は既に雪が解けていた。



ティーハウスへ戻りベンチで寝ていた息子を起こして昼食タイム。

焼きおにぎりとでっかいパンに野菜などをたっぷり挟んだサンドイッチ。

コーヒーの香りがメドウに広がる。



ビクトリア山のハンギング・グレーシャーが朝見た時よりかなり崩れている。



食事をしている足下をシマリスが走り回る。

餌が欲しいのだろうが野生動物に餌をやるのは厳禁となっている。

人も増えてきたので12時前に下山開始。



Western Spring Beauty
ウエスタン スプリング 
ビューティー

名前も姿もとても可愛い。

この花の球根はグリズリーがとても好むとか。



ウェスタンアネモネの様に毛深いが葉が細い?



ブラック トゥインベリー(スイカズラ属)

名の通り、秋には黒い実が二つなる。



朝の谷沿いの道から見上げた崖の上を通るハイライントレイルをミラー湖に向けて歩く。



この道は高山植物が豊富。

イエロー コロンパイン(キバナノヤマオダマキ)



日本で見るのとは少し印象が違っていて色がすっきりとした感じ。



ワイルド ヘリオトロープ(カノコソウ属)

タバコの香料に使われる。



不明花



不明花



スティック シード

ワスレナグサの様だが背が高い。

右はアーリーブルーバイオレット

春早くに咲く紫のスミレとわかりやすい名前だ。



白い蕾は コモン ヤロー(セイヨウ ノコギリソウ) 

ワレモコウの様なのは?



ワイルドストロベリーと?



Drummond’s Anemone
ドラモンズ・アネモネ

とても毛深い



同上



Star-Flowered Solomon's Seal
スター・フラワード・ソロモンズ・シール

ソロモンの印章と名付けられたユキザサの仲間。



左はコモン ストーンクロップ(マンネングサ属)

茎と葉に水を蓄えて乾燥に耐えるラクダの様な花。



Red and White Baneberry
レッドアンドホワイト・ベインベリー



Alpine Forget-Me-Not
アルパイン・フォゲットミーノット



Indian Paintbrush
インディアン・ペイントブラシ



これもドラモンズ・アネモネ?



ブルークレマティス



左は沢山生えていたが蕾の為不明。



silktop lousewwort(シオガマギク属)だと思う。



縞の無いのは穴に住む地リス。後ろ足だけで立ってポーズをする。



レイクアグネスへの分岐をそのまま真っ直ぐに行く。



レイクアグネスの眺望ポイントがある。



新婚旅行の定番と言われているボート。

でもこの二人は離れすぎ。

KAZASHIさんも新婚旅行でこの素晴らしいシャトーに泊まって、奥様とボートで楽しんだらしい。

あんまり熱々だったので氷河が解けたのかな?



「カナディアンロッキーの宝石」に吸い込まれそう。



エバーグリーンバイオレットが咲き乱れている。

キバノコマノツメそっくり



ブナの実生によく似ているが?



アップダウンが足に応えて来る頃ミラー湖に着いた。標高2035m

13時17分。

後ろに見えるのはビッグ・ビーハイ(巨大ミツバチの巣)

アグネス湖はあの山の右上にある。

レイクルイーズのトレッキングツアーではアグネス湖からビック・ビーハイブまでのコースも多い。

やはり山頂を極める事が出来るのが人気なのだろう。



此処でも記念撮影。

ハイライントレイルでは殆ど人に会わなかったがここは大勢の観光客が居る。






しばし休んでレイクルイーズに下る。

雪が解けて足下が悪い為念のためカメラをバックに仕舞う。

前から団体が来たので山裾に避けた途端、体が宙に浮いた。

地面はアイスバーンになっていて5m程滑り落ちた。

最後に頭をゴンと地面にぶつけた。

手や肘は痛いしお尻も痛い。

おまけにシャツやズボンは泥だらけ。

息子や家内にぼろくそに言われ踏んだり蹴ったり。

上着は全部脱いで半袖シャツだけになって下る。



やっとシャトーの前まで降りてくる。



14時5分。

ビクトリア氷河を見ながらベンチ休憩



ここまで来るとリゾート地の雰囲気。

休んでいると日本人の母子連れから声をかけられる。

「この道をずっと真っ直ぐ行くと氷河の源に行けるのですか?」と聞くので足元を見ると白いパンプスを履いている。

途中からは道が悪いのでその靴では無理かも知れませんよと言うと

「ああそれで汚れているんですね?」「いえこれは..転んだから..」

何はともあれ久しぶりに日本人に出会って感激。

駐車場に帰り、トイレで汚れを洗う。

カナダのトイレは部屋が大きい。

おまけに暖房してある。

水道をひねるとお湯である。(温度調節が無くて常にお湯)



帰りはビレッジに寄り買い物。

花の本を買ったら暇なのか売店のおばちゃんがページを広げて花の説明。

イエローコロンパインは高い山に咲くとかインディアンペイントブラシはハィウェイにも咲いているとか..

なかなか本を渡してくれない。

あのう私達、話が殆ど解っていないんですけど..

バンフの手前でバーミリオン・レークに立ち寄る。

この湖はボー川の三日月湖で3つに別れている。

此処から見るランドル山の姿は素晴らしい。

山が半分に割れている様に見える。



後ろを振り返ると湖の向こうにレイクルイーズ方面の山。

右端はキャッスルマウンテンか?



バンフに曲がる手前から見たカスケード山の姿もまた素晴らしい。



バンフの街は観光客であふれている。

プレスリーのパントマイム?

幹線道路は未だ工事中。



B&Bに帰ると鹿がお出迎え。

耳の大きな鹿だ



夕食後未だ明るいので近所の散歩に出かける。



ラウンドリーブド・オーキッド
オノエランやカモメランが近縁



Shooting Star
シューティング・スター

右はワイルドストロベリー



林を抜けると直ぐにボー川にでる。

川の畔に何とタカネバラが咲いている。

Prickly Rose
プリッキー・ローズ
アルバータ州の花の紋章となっている

全ての車のナンバーにもこの花の絵が描いてある。

香りがよいのでローズティーに利用される。



ボー川は此処から大きく曲がりランドル山の麓に流れていく。



これがマリリンモンローの「帰らざる河」で有名なボー滝。

此処を3人で筏を下るシーンが有名。

流れは激しいが落差はほとんど無い。



宿に帰ると、バンフスプリングスホテルの支配人補佐をしていたというこの家のご主人が帰ってきた。

何と愛車はポルシェカレラRS。

窓からカスケード山が正面に見える。



小鳥も挨拶に来てくれた。

明日はコロンビア大氷原の予定。

続く


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