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里山の秋 |
御坂山〜黒岳1793m〜破風山 |
2006/09/09 |
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− 山梨の森林100選 黒岳にブナを訪ねて 野草の花園歩き −
天下茶屋 〜 御坂山 〜 御坂峠 〜 黒岳 〜 スズラン峠 〜 破風山 〜 新道峠 〜 大石
山梨の森林活動ガイドが終わり、ガイド登録や自然体験活動推進協議会(CONE)への登録、
そしてビオトープ管理士のレポート提出と、あわただしい一週間を過ごした。
金曜日に全て終了し、さて明日はツアーで釈迦ヶ岳に行こうとツアー会社に電話すると
先ほど満員になりましたとの返事。
2日ほど前に見たら10人ほど空きがあったので、予約を入れていなかった。
帰って家内に言うと、すっかりその気になって準備しているという。
あわてて代替え登山を計画。
釈迦ヶ岳は公共機関で行くのには一寸ヨイショがいる。
釈迦ヶ岳は御坂山塊の一番北にあるが、その直ぐ南に御坂山塊最高峰の黒岳1793mがある。
ここなら去年三つ峠に行った時と同じアプローチで行く事が出来る。
御坂黒岳周辺地図
高速バスを予約しようと空きを見たら、7時10分発が△マーク。
しかし予約の申し込みが「ただ今混み合っています」で繋がらない。
やっと繋がったら、なんと午前中は全て×マーク。
と言う訳で、朝早起きして、5時前に家を出て、5時50分の中央線普通で出発。
高尾で乗り換えると超満員。立ったままで大月へ。大月から富士急で河口湖へ。
天気は良いはずなのに、空は真っ黒。地面も濡れている。
河口湖駅に8時40分に着く。
 
河口湖駅は、建て替えられて見違える様な素晴らしい駅舎になっていた。
 
河口湖駅にやってくるバスは、みんなカラフル。
レトロバスやトーマス君のバスなど、見ていて飽きない。
新宿や東京駅、御殿場からの高速バスが次々と到着する。
9時発天下茶屋行きの始発ハイキングバスに乗り込む。
このバスは土日祝日の朝3便しか出ていない。
バスツアーだと料金も安いし、乗り換えも気にしなくて良いから楽なんだけどなあ〜
満員の登山客を乗せてバスは出発。
 
河口湖を眺めながら走る。
御坂峠に向けて山道を登っていく。
御坂有料トンネル入り口には三つ峠入り口バス停があり、若い夫婦が降りる。
ここは御坂峠への登山口となっている。
此処を右に曲がり旧道に入りやがて三つ峠登山口。
此処で大半の人が降りる。
左へと行くと直ぐに天下茶屋に着く。
ここは、太宰治で有名な所。
 
本来ならこの様に富士山が見えるはず。
太宰治の言う所の「おあつらえ向きの風呂屋のペンキ絵の様な富士山」だ。
しかし現実は甘くない。
河口湖がかろうじて見えるだけ。
 
天下第一と書かれた御坂トンネル。

 
9時42分出発。
標高1300m
整備された階段を上っていく。
先に二組のパーティと、後から中年の夫婦。
 
いきなり素晴らしいブナの林が続く。
太宰治の石碑にはやはり月見草の花が似合う。

「富士には 月見草が よく似合ふ」
太宰治の筆跡は繊細だなあ。
 
登り始めると早速オクモミジハグマがお出迎え。
アキノキリンソウも多い。
この山は花の御坂と呼ばれる位花が多い。
実は、富士山の噴火の溶岩は、河口湖から北へは達せず、溶岩に覆われていない。
しかし、火山灰の影響を大いに受けていて、富士山独特の花が咲くらしい。
またフォッサマグマに近くその影響もあるという。
普通によく見る花達と、少し違う種類のものも多い様だ。

オクモミジハグマは順番に花を付けるはずだがこの株は一度に満開。

ハナイカリも満開。
 
シラヤマキクと??の花。
シオガマの仲間だと思うのだけど背が高く花も大きい。
悩んでいたらかっちゃんからハンカイシオガマと教えて戴きました。
フォッサマグマ系の花で、富士山周辺だけに咲き、火山灰の影響を避ける為に背が伸びたそうです。
ハンカイとは壮大なとの意味があるそうです。
かっちゃんありがとう。
 
キバナアキギリもビッシリと咲いている。
オヤマボクチも秋の定番。

ソバナはもう終わり。
 
この花は何だろう?
サラシナショウマかとも思うが葉がどうも違う?
花が咲き乱れていて、先に進めない。
先行者がドンドン離れていく。
後ろから来た夫婦は早くもグロッキー。座り込んだ。
 
10時7分尾根道に出る。
右に行くと清八山、本社ヶ丸、三つ峠。
標高1455m
 
トリカブトは硬い蕾。
 
ウスユキソウまで咲いている。
ミズナラの葉が密集している。

ヤッホーと大声が聞こえる。
突然見晴らしの良い場所に到着。
河口湖の向こうに富士山の天辺だけが覗いている。
 
若い人達は此処で少し休憩らしい。
お先に失礼して先を急ぐ。
テンニンソウやタムラソウが群生。

ハナイカリも好きな花
 
ヤマハハコがこんな所に咲いている。

ホタルブクロも終わりかけかな?
子供連れのパーティを追い抜く。

立派なブナの木の林に入る。
 
ブナの林床には、フウロが一杯咲いている。
このフウロは、カイフウロ(甲斐風露)、
本州中部の山地や亜高山などの草原や草地に生えるフウロソウ科の多年草。
葉は掌状に5中裂し葉の裂片は尖る。晩夏から初秋にかけて紅紫色の美しい花をつける。
花弁は濃紅色の網目模様が目立つ。
伊予風露の変種であるが、山梨県(甲斐)の三ッ峠で発見されたので甲斐風露。
 
おっ、これぞサラシナショウマ。
20p〜30p位の花穂が透き通った様な感じで素晴らしい。

以前、伊吹山ではツボミしかなかった。
初めて花に出会えて嬉しい。
 
?あざみとコウモリソウ
 
調査中
左はタカオヒゴタイみたい?
 
ヨツバヒヨドリとカイフウロ
 
ヤマハッカ?とヤマトウバナ

サラシナショウマが暗い林にとても目立つ。
この花は平原の花とばかり思っていたが、こんな暗い所にも咲くんだ。
 
?とトリカブトと思ったらレイジンソウだった。
林間に沢山咲いている。
淡い色が優しい。
 
花火の様なシシウドと?ヤマゼリかな?
 
10時50分、御坂山1596mに着く。
暗くて誰もいない。
とても良い雰囲気だが寂しい山だ。
 
暗いブナの林を降りていく。
天気がまた悪くなって雨が降りそう。
汗が止めどなく噴き出る。
ヤマハッカが目立つ
 
ソバナやシラヤマギクも多い。
 
サラシナショウマの間を行く。
トモエシオガマの濃いピンクが目立つ。
シオガマギクとの見分けがもう一つ?
この花も山中に沢山咲いていた。

とても良い雰囲気。
誰一人居ない。
天下茶屋からのパーティは御坂山までかな?
 
毒々しいキノコとハンカイシオガマの花

11時7分、鉄塔のある明るい斜面に出ると、ミヤマママコナが群生している。

アキチョウジに似ているが、セキヤノアキチョウジ
アキチョウジに似ているが,葉の先端が尖っていたり,花柄が長かったりというところが異なる。
箱根に多いので、箱根の関所→関屋となったらしい。
 
ヤクシソウとソバナ

ハナイカリが一杯
 
?の花とタムラソウ。
かっちゃんからオケラではないかと教えて戴きました。
何時も見るオケラより花のボリュームがあり、しかも綺麗。一瞬見た感じでは違うと思ったのですが、
葉の細かい鋸歯から見てもやはりオケラのようですね。

関東特有の歩くだけの人(女性)が駆け下りてきた。
此処は峠ですか?と聞くので違うと言うと、こんな綺麗な花達を一瞥もせずにすっ飛んで行った。
でも、ゆっくり花を見て歩いても黒岳の頂上では追いついたのだけど..
花を見る楽しみを知ったら、山歩きがもっと楽しくなるのにと何時も思う。
 
?とタマゴタケ。
 
ユウガギクとキツリフネ
 
左、ミヤマキンポウゲかと思ったが葉に切れ込みがない。
シシウドとヒョウモンチョウ
 
?の花
カワミドリ(シソ科)そっくりなんだけど葉が全く違う。
この葉は違う植物の葉かも?
カワミドリは独特のよい香りがするらしいので匂いを嗅げばよかった。
色々な花を写しながら行くと、家内が綺麗だよ早くおいでと呼ぶ。
もっと色々な花を写したかったのに...
急いで行くと、突然開けた所に飛び出した。
此処が御坂峠。
みんな花の絨毯に寝そべっている。
11時36分。
 
この峠には三つ峠入り口のバス停から登ってくる事が出来る。
ツアー客などはそのコースが多い。
イヌタデやミゾソバが群生。
 
シシウドが花火の様に花を広げている。
フシグロセンノウまで咲いている。
休憩しようと思ったが人が多すぎ。
もう少しガンバロウ。
続く
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