里山の春 烏場山 花嫁街道 2007/3/15

その1

− 花嫁街道は春爛漫 −

今日は曇りのち雨の天気予報。

しかし起きてみると青空が出ていてまずまずの天気。



部屋の窓から見える海も深いブルーの色をしている。

朝7時30分にホテル出発。

花嫁街道入り口のある和田浦駅までは安房天津(あわあまつ)から外房線で安房鴨川駅へ行き

内房線に乗り換えなければならない。

フロントで聞くとバスがお花畑まで行っており、花嫁街道入り口に近いと言う。

フリーパスで500円と言うのでつい購入して出発。

7時45分、近くの城崎バス停から鴨川駅へ。鴨川駅で花嫁街道のパンフレットを貰おうとしたら

和田浦駅は館山駅の管轄なのでパンフレットを置いていないと言う。



駅舎の横には鴨川温泉の足湯が作られていて暖かそうなお湯が流れ落ちていた。

JRで和田浦駅まで行こうかと思ったがバスのチケットがあるのでもったいない。

バスに乗り換えて、太海や江美の海岸線の景色を楽しみながらお花畑へと向かう。



9時5分にお花畑着。

立派なトイレはあるが案内所のようなのは全くない。



天皇両陛下行幸記念の記念碑がある。

昭和28年に訪れて花作りに「精々努力するよう」とおっしゃったとか

パンフレットが何処にも置いていないのには困った。やはり和田浦駅まで行けば良かった。

ネットでは和田浦歩こう会のビジターセンターがこの近くにあり、そこで詳しい案内図をもらえる

と書いてあったがそのビジターセンターが何処にあるか解らない。

一緒にバスから降りたお婆ちゃん4人連れも「お花畑」の名につられて来たが、

これから何処へ行ったらよいか解らないとの事。

仕方ないので看板の概略図に従って行く。

北に向かい踏切を渡ると両側はお花畑となる。



ポピーなどが花盛り。温室が沢山あるが中の花は覗けない。

お花摘み1本10円と書いてある。



花嫁街道は左のようだが、元朝桜の名所だというので真っ直ぐに行く。

所が殆どの桜はもう既に散っている。

調べてみると元朝桜とは旧正月の元旦に咲く事で名付けられたそうだ。

2月の中旬が満開だとの事。もう散っていて当然。

一本だけかろうじて咲いている桜があったがコレがそうか?それとも単なる寒桜だろうか?



レンギョウが咲き始めている。

寒緋桜は満開。



黒滝ハイキングコースへと進む。

花園海岸が輝いて見える。



抱湖園に来るとひっそりしている。

白い沈丁花が沢山咲いて良い香りがしている。

元朝桜の咲く頃にはこの池の周りは花見客で一杯になり和服の女性が赤毛氈の上で琴などを弾くらしい。



綺麗な小鳥が沢山囀っている。

この首の赤い鳥はウソ。綺麗な鳥だ。



スミレも多い。

ドンドン上りとなり今度は下って行く。

家内が道を間違えたのではないかと五月蠅く言う。



蘇鉄が登山道に一杯生えているのは変な感じ。



ドンドン下ると広場に出る。



はなその広場ってどういう意味?

最初ははなくその広場かと思ってしまった。

落ち着いてよく考えると花園(はなその)の事なんだ。

ここから花嫁街道入り口に出る事も出来るがそのまま黒滝に向かう。



ほんの少し渓流を行くと黒滝に出る。

なかなか立派な滝だ。



向西坊入定窟というのがある。

向西坊とは赤穂浪士討ち入りに関係しているらしい。

壊れた石段を登ると道が無くなり展望台のようなのがある。

ハイキングコースは此処を登って行く。

かなり急な櫓の階段だがこの階段がなかった時はどうやって登ったのか不思議なほど急な崖だ。



階段上に花婿コース入り口がある。

此処は以前花園コースと呼ばれていたが「花嫁コース」に倣う意味で花婿コースとなった。



直ぐに金比羅さんへの道標がありその上に古い祠がある。



金比羅さんの山頂は直ぐ上。

和田浦の集落を見下ろす事が出来る。






10時33分見晴台着



烏場山方向が開けている。

和田浦の海方向も眺望がよい。

頂上にはタブノキの大木がある。



ナガバノモミジイチゴが満開だ 。



旧烏場展望台10時56分着。

正面に烏場山が見える。



クロモジ?の若葉と花。

よく見るととても綺麗な花



バラの若芽?



足下に小さな花が沢山咲いている。

マツカゼソウによく似ているが花期と葉の形が違う。

蘭ちゃんにヒメウズだと教えて戴きました。

目立たない花だけど清楚な花だ。



ツボミを付けているのはホウチャクソウかな?



この山はマムシグサが多い。



ナツトウダイも一杯。



カノコソウによく似た花。

ツルカノコソウだと教えて戴きました。

可憐な花ですね。



烏場山11時22分到着。

此処まで誰とも会わなかった。

少し早いが昼食にする。

花嫁さんは口紅とほお紅でお化粧している。



此処から見える山々の看板があるが富士山は曇っていて見えない。



レーダードームのある愛宕山や伊豆ヶ岳などが目の前に見える。

南房総は低山が連なっている事が良く解る。



和田の浦の海が見えるが曇っている為、海の色が悪い。



この山は香川の飯野山などと共に新日本百名山となっている。

頂上にはミツバツチグリやカンスゲが多い。



キブシのようだが花房が短く何時も見るキブシより綺麗に見える。



色の濃いスミレはニオイタチツボスミレかなあ?

ナツトウダイが赤くなっている?



昼食を終えて下り始めると花嫁街道から女性4人のパーティがやってきた。

変わった枝振りの大木が多い。



此処もヒメウズが沢山咲いている。

五十蔵への分岐点。

五十蔵は里見伝説の残る村。



若い男女のペアとすれ違うと第三展望台に着く。

白い可憐な桜が下を向いて咲いている。

何桜かは解らない。



しばらく下るとお年寄りのペアと出会う。

見晴台(カヤ場)に到着。

此処も開けていて気持ちの良い場所だ。



アオキの花を今年始めてみる。

コレは雄株



変なマークがある方へ行くとトイレがあり行き止まり。



細い木に巻き付かれて苦しそうな木。

この道は殆どキツい下りもなく少しばかりの上り返しがあるが、とても歩きやすい道だ。



駒返しに来ると五十蔵への道が分かれている。



山間にある上三原の集落と海辺の集落との交流道、古くは塩汲みの道から生活物資の往来、学校への通学路として利用され、

かつては花嫁行列もここを通って嫁いでいったことから、近年花嫁街道と呼ばれるようになった。

上三原集落も歴史は古く、頼朝伝説に出てくる名馬「スルスミ」を産出したといわれる磑(スルス)森集落、

里見伝説の残る五十蔵集落、そして

竹の中集落の竹は浜の漁業の必需品である満漁籠。魚樽の材料として売るために植栽され生活の糧となった


紅葉の新緑がとても綺麗だ。



自我井水とも言われ、山中のかくし田の水利、水源に使われたとも言われている。

羊歯の道を下る




枝がお互い違う方向を向いている面白い木。

梵字が刻まれていたという岩を抱いている大木。



やがてマテバシイ(トウジイ)の純林となる。

房総の海沿いの山にはこのマテバシイが多い。

みんな南の海側に倒れて生えている。

葉っぱは樹冠に繁り、殆ど日がささず暗い。

大きなドングリは食べる事が出来るそうだ。





第二展望台に登ると和田の海がもうすぐ其処に見える。



第一展望台はベンチが置いてあるだけ。展望はない。

スダジイの大木。同じブナ科のシイの木なのに木肌がシワシワ。

マテバシイのスベスベの木肌とはかなり違う。



明るくなって土砂崩れの復旧場所に来るとマテバシイが沢山切り倒されている。

土砂崩れの為危険になったのだろう。



13時28分花嫁街道入り口に着く。

花嫁街道は緩やかな良く整備された道だった。

コレなら花嫁でも越えてくる事が出来るだろうなあ。



寒緋桜が満開。



和田浦歩こう会の方々か設置した素晴らしいトイレ。

仲睦まじい石仏。



此処でも寒桜?ヤマザクラ?が咲いている。



スミレを楽しみながら下って行く。



菜の花がとても綺麗。道端には蘇鉄が植えられている。

コウゾリナが一杯咲いている。



アザミも咲き始め。



お花畑からのバスは13時台の次は16時22分までない。

JRで帰る事にする。

確か14時30分位にあったはずだ。



ぶらぶらと歩き国道を行くと、こんな所に和田浦歩こう会のビジターセンターがあった。



売店となってい多のでお土産を買いハイキングコースマップをいただく。

売店の横は花夢花夢のお花畑となっている。

道端に綺麗なコブシが咲いていた。



鹿島鳴秋の童謡「浜千鳥」で有名な和田の浜を見てみようとウロウロしたりして駅に着くと、何と今正に電車が発車している。

14時22分発であったようだ。一足違いで乗れなかった。

浜千鳥歌碑

それから15時32分の次の電車まで珈琲を飲んだりクジラの説明文を読んだりして過ごす。

この駅には立派な休憩所があり色々な案内パネルが設置されている。

駅舎内に観光案内所もあり女性が常駐していた。

やはりこの駅から歩き始めるのが正解だった。



この和田の港は全国で4カ所ある捕鯨港の一つだとの事。

一年でツチクジラ27頭がこの港に水揚げされる。

近所にクジラ料理の店が沢山ある。



鴨川駅について「波の弥八」の彫刻を見ようと思っていたが諦める。

バスでホテルに帰ると丁度5時。

今日ブリカマが特別に付いた食事。

やはり9時前に就寝。

朝5時前に起きると沖には漁り火が。

今日は雨の予報だったが、夜半に降った雨は既に止んでいる。

続く。